立地選び
売上推定方法2
売上推定の準備
店舗を新規で出店する時の売上予測には様々な手法があります。
ただし、大規模小売店向けやチェーン店向けの手法しかないのが現状です。
サンプルとする店舗が少ない、あるいは1店舗目の場合は、メニューや価格帯が似ている店舗をサンプルとしてデータを集めます。
立地のデータを集めるのは大変ですが、なるべく多くのデータを集める方が推定の精度は高くなります。また、その際、以前ご紹介した「競合店の売上推定法」を参考にし、売上の推定値を記入しておきます。
データを一覧表にし、売上の推定値と立地調査データを眺めると、売上と関係性が強い項目とそうでない項目があることに気付きます。
売上推定事例
以前使用した簡単な例に、売上の推定値を加えたケースで考えて見ます。
A店・・・・推定売上300万円、商圏世帯数1000、通行量300人
B店・・・・推定売上200万円、商圏世帯数2000、通行量100人
2店舗の推定売上と立地データを見比べると、売上と通行量の関係性が強い事が分かります。
逆に、世帯数は売上と関係が無いようです。
単位が異なるデータの数値を直接足す事は出来ないので、まずデータを標準化します。
A店・・・・世帯数-0.32、通行量0.60
B店・・・・世帯数1.00、通行量-0.81
立地を構成する要素毎の影響度を考慮するには、数値を単純に合計するのではなく、重みをつけた計算式を作る必要があります。
具体的には、以下のような関係式を作成します。
A店・・・・推定売上300万円=(世帯数)-0.32×a+(通行量)0.60×b
B店・・・・推定売上200万円=(世帯数)1.00×a+(通行量)-0.81×b
この係数a,bが推定売上に対する立地項目の影響度という事になります。
関係性が強い項目に任意の係数を掛けても良いですいし、係数に以前紹介した相関係数を用いるのも手法の1つです。(もちろん、係数が常識とかけ離れていればサンプルや立地データの選定を見直す必要があります)
A店、B店の例だけで見ると売上と世帯数は関係ないように思えますが、サンプル店舗がもう1店あったとします。
C店・・・・推定売上500万円、商圏世帯数6000、通行量200人
サンプル数が2店舗だけでは関係ないと思えた項目(商圏世帯数)が、実は売上と関係がある事が分かります。この例からみても、多くのデータ舗を集める重要性がおわかり頂けると思います。