クラフトビール導入で売上20％増！ 『肉とクラフトビール やまもと』の華麗なる転身

『肉とクラフトビール やまもと』には50種類以上ものクラフトビールが揃う

クラフトビールは専門店でなくても楽しめる時代に

もはや特別なものではなくなったクラフトビール。最近では専門店だけではなく、居酒屋など幅広い飲食店でも楽しめるようになってきた。ビールの美味しい夏本番に向けて、導入を考えている飲食店も多いのではないだろうか。

今回は、株式会社Globridge（グロブリッジ）の鈴木一美さんに、クラフトビールの導入によるコストや利益、管理の方法などについて、渋谷にある『肉とクラフトビール やまもと』を例に話を伺った。

クラフトビール導入のきっかけは？

もともと『肉とクラフトビール やまもと 渋谷店』は、肉と味噌にこだわった和風の居酒屋としてオープン。そして2015年初頭にクラフトビールの導入にいたったという。そのきっかけはなんだったのだろうか。

「まず、肉と味噌を使った料理を味わってほしいという気持ちがありました。その料理にどんなお酒を合わせたらいいのか、いくつも検討して、たどり着いたのがクラフトビールだったんです。『肉とクラフトビール やまもと』の料理は和風なので、日本産のクラフトビールにこだわっています」

クラフトビールの“クラフト”には、“手工芸品”という意味が込められている。もの作りの国である日本のビールに、店長である山本志帆さんも強い思い入れがあるそう。

「小さな醸造所がそれぞれ独自の方法で作られているところに店長も強く共感しています。クラフトビール導入のために、店長自らさまざまな醸造所にお邪魔させていただきました」

店長を始め、スタッフの方たちの熱意によって、クラフトビール導入が実現したのだ。

クラフトビールによく合う「熟成肉鉄板ステーキ」￥890

導入にかかるコストや苦労は？

現在、瓶のクラフトビールを導入している『肉とクラフトビール やまもと』だが、導入コストはどのくらいかかったのだろうか？

「クラフトビールを扱うということで、純和風の内装を少し改装しました。また、ビールがよく見えるように、店の中央にクラフトビール専用の冷蔵庫も新しく用意したんです。トータルで200万円くらいかかっていますね。なにより商品の確保にコストをかけました。レアな銘柄を取り揃えるためには、直接醸造所に伺って仕入れをしなくてはいけないんです」

現在でも、店の従業員たちは時間を作って醸造所へ伺っているそう。作り手との信頼関係を作ることで、レアな商品をお客様へ届けることができるのだ。さらに、導入の苦労について聞く。

「とてもたくさんの銘柄があるので、商品選定は本当に大変でした。現在50種類以上を仕入れているのですが、ここまで絞るためにスタッフは3倍以上の銘柄を試飲しました。また、季節商品も入れているので、そのたびに選定をしています。商品の確保については、これからも気を配って行かなくてはいけないと考えていますね」

店内にはクラフトビール専用の冷蔵庫も

客層は変わった？　売上の変化は？

では、クラフトビールの導入によって、店にはどんな変化があったのだろうか。

「クラフトビール導入後は、以前と比べて売上が20％くらい伸びました。クラフトビール目当てで来店される方が増え、リピーター様もいらっしゃいます。クラフトビールの味わいは本当にさまざまで、お客様もいろいろと味を試してくださるのですが、それが理由で客単価も伸びていると感じています」

最初から一気に売上が伸びたわけではないが、次第に右肩上がりになり、現在も安定して伸びていると語ってくれた鈴木さん。

「導入が成功したのは、店長を始めとしたスタッフみんながクラフトビールへの情熱を持って、理解を深めることができたからだと思います。スタッフはみんな“マイ栓抜き”を持っていて、一番いい状態でお客様に飲んでいただけるように、ビールの注ぎ方にも気を配っているんですよ」

そんな『肉とクラフトビール やまもと』は、ゴールデンウィークの「肉フェス」に出場が決定。イベント終了後も、店舗にて、クラフトビールに合う「葡萄牛のガーリックステーキ」を限定提供するそうなので注目だ。

スタッフが一丸となって取り組んだからこそ、成功したクラフトビールの導入。コンビニで買えるようになり、カフェでも飲めるようになるなど、新たなユーザーを増やしているクラフトビールには、まだまだ可能性がありそうだ。

『肉とクラフトビールやまもと』
住所／東京都渋谷区道玄坂1-5-9 レンガビル4F
電話番号／03-6427-0983
営業時間／15:00～24:00（月～木）、14:00～翌5:00（金～日、祝日）
定休日／無休
席数／60
http://nikutomisoyamamoto-shibuya.com
http://globridge.co.jp/