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どんな業態でも今すぐトライ可能! 夏のメニュー開発、5つのポイント

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梅雨が明ければ夏本番。今年の夏は全国的に猛暑が予想されているが、厳しい暑さは人の食欲を奪う。飲食店としては、そうした事情を心に留めながら夏本番に備えたいものだ。

夏のメニューといえば、「冷たい麺」「辛い料理」「ビールと唐揚げ」などが思い浮かぶ。麺のツルッとした食感、香辛料の刺激、そして炭酸の喉ごし。いずれも暑さを忘れさせてくれるような強い個性を持つメニューばかりだ。今回はこうした夏メニューの特徴から開発方法までを詳しく紹介。これから夏メニューを追加したい……という方はぜひ参考にしてほしい。

夏に食べたくなる料理の傾向は? ポイントは次の5つ

1、「ヒンヤリ」「さっぱり」としたメニュー
暑い日の定番メニューといえばまずは冷たい麺が思い浮かぶ。食欲があまりなくても食べられる、「そうめん」「冷たいうどん・そば」「冷やしつけ麺」などは日本の夏にスッキリとした涼感を運んでくれる。そのほか、「冷たい前菜」「刺身」「カルパッチョ」「冷たいスイーツ」などもこのカテゴリーに入る。

2、しっかり味が濃い「スタミナ」「がっつり」系
ランチは冷たい麺でも、夜になるともう少し味が濃くてボリュームのある「焼肉」「唐揚げ」「シュラスコ」などが食べたくなる。その理由は、体内の塩分が汗とともに失われるから。しっかり濃い味のボリュームメニューを揃えておくのも、夏の飲食店には欠かせない。

3、自然と体が欲する旬の食材
夏が旬の食材といえばまずトマト、なす、とうもろこし、ゴーヤなどの野菜があげられる。体を冷やす効果があり、スイカ、桃などの夏の果実とともに、積極的に食べたい食材である。魚なら関西のハモが代表的。ほかに旬ではないが夏を感じさせるものとしてウナギ、パクチーなどのエスニック食材もある。

4、「辛い」「酸っぱい」味が楽しめるメニュー
夏になると辛いものが食べたくなるのは、体が発汗を促進させて体温を下げようとする働きのため。また、夏に食べたくなるもうひとつの味覚に「酸っぱい」がある。酸っぱさを生み出すクエン酸には疲労回復効果があるのだが、そうした理由から、夏の疲れた体は自然と酸っぱさを求めるようになっているようだ。

5、「エスニック」「南国」テイストを楽しめるメニュー
インド、タイ、ベトナム、沖縄など、暑い国や地域の伝統的な料理は、暑い時期に食べると理にかなったものばかり。辛いメニューに関しては上で紹介した通りだが、南国の料理は夏気分を盛り上げるのにもひと役買ってくれる。雰囲気づくりの一環として取り入れてみるのもいいだろう。

夏メニューは上記5つの要素を組み合わせて作る!

飲食店の「夏メニュー」は、上記5つの要素が少なくとも1つ以上入ったものがほとんど。5つのうち1つ、または2つから3つを組み合わせてメニューを開発してみよう。組み合わせの例をいくつか紹介していきたい。

■「ヒンヤリ×がっつり×辛い」→「冷やしつけ麺担々味」
喉ごしがよくてボリュームもしっかり……というメニューは夏のランチなどに最適。

■「スタミナ×酸っぱい、辛い」→「鶏唐揚げのスパイシー甘酢あんかけ」
居酒屋の定番「鶏の唐揚げ」は、夏向きのソースでアレンジ。

■「夏が旬」→「産直とうもろこしのかき揚げ」
シンプルに「旬の食材」で勝負する方法もある。

■上記5つの要素をすべて入れて→「夏のコースメニュー」
コース料理なら、5つの要素をバランスよく組み合わせよう。夏の宴会メニューに最適だ。

このようなアレンジ方法なら、和洋中問わず、普段のメニューにスパイスや素材をひとつ、ふたつプラスして夏限定メニューにすることが可能。ぜひ試してみていただきたい。

見た目でのアピールも忘れずに!

夏のメニューに限ったことではないが、見た目で味の魅力をストレートに伝えることも大切だ。

■冷たい麺は涼感満点
見た眼で涼感を感じるメニューの定番は、やはり冷たい麺。ひんやり艶やかなうどん、そば、中華麺などのビジュアルは、夏の食べたい気分をグッと刺激する。

■冷たさと透明感がある「氷」「ジュレ」などで演出
前菜や刺身、スイーツの盛り付けは氷で演出。サラダやカルパッチョのドレッシングはジュレにすると涼感が増す。クラッシュした寒天なども使ってみよう。

■「しっかり味」はソースで表現
焼肉、揚げ物などを夏向けに見せるには、料理の見た目に濃い味、スパイシーな味のソースがたっぷりかかっていると効果的。さらにその上から香草やレモンをトッピングして、夏の雰囲気に。

■「辛い」「酸っぱい」を見た目で表現
「辛い」味は、唐辛子の色で表現がしやすいが、「酸っぱい」味はお酢を使っても見た目にはわからないので少し難しい。「レモン」「梅干し」など、見た目で酸っぱさを感じさせる素材をあしらうのもひとつの方法だ。

■夏野菜・フルーツの鮮やかな色を活用
夏野菜はトマトの赤、なすの紫、ピーマン・アスパラガスの緑、とうもろこしの黄色など、多くの素材がビビッドな原色で、メニューを華やかにしてくれる。見ただけで夏の料理だと感じさせるために、夏野菜を効果的に取り入れよう。

今回は5つの要素の組み合わせでできる夏メニューの作り方をご紹介した。簡単であらゆるジャンルの飲食店で応用できる方法なので、ぜひ試してみてほしい。

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ほんだこはだ

ライター: ほんだこはだ

グルメ、ライフスタイル、旅、恋愛、まちづくりなどの記事を各種サイトに執筆中。大手グルメサイト、ローカルビジネスサイトで多数の飲食店取材を経験。オシャレ食材を家庭料理にして食べるのが趣味。