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『UberEATS』や『出前館』のデリバリー手数料は? 宅配サービスを飲食店目線で比較!

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画像素材:PIXTA

多くの人のライフスタイルが変化した今、生活に密接したサービスになりつつあるデリバリー。中でも、2016年に国内でサービスを開始したUberEATSは今やデリバリーの代名詞と言えるほどに急成長を遂げた。

こうしたデリバリーシェアリングサービスが拡大したことにより、飲食店は自前でデリバリー機能を持たなくてもデリバリーを開始できるようになってきた。ここでは「UberEATS」の特徴をお伝えするとともに、「出前館」をはじめとした既存サービスとの比較を行っていく。

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知っておきたいUberEATSの仕組み

飲食店がデリバリー機能を自前で持つには、スタッフや配達手段を確保する必要があり店側の負担が非常に大きい。UberEATSは負担を一挙に引き受けることを特徴としており、客から直接注文を受け、料理を引き取り、顧客まで運ぶことにより、これまでデリバリー機能がなかった飲食店の宅配事業への参入を後押ししている。

特筆すべきはスマートフォンアプリを用いた柔軟なデリバリーシステムだ。ご存知の方も多いだろうが、このサービスを運営するのはアメリカ発の配車マッチングサービス「Uber(ウーバー)」である。UberEATSの根幹を担うスマホアプリは、このUberのアプリが元となっている。利用の流れは次の通りだ。

1、客が飲食店を検索、メニューを選び、注文する
2、UberEATSが注文を受ける
3、飲食店へ注文内容を伝達
4、飲食店は調理を開始
5、デリバリーが可能なスタッフにオファーを出す
6、スタッフが飲食店へ直行し、料理を引き取る
7、客へ料理を届ける

ちなみにデリバリーを担うのは、UberEATSが直接雇用したスタッフではなく、注文が入った時にオファーに応えられる登録スタッフ。また、客はデリバリー状況を把握することが可能で、料理が飲食店から出発した際には知らせを受け取ることができる。

UberEATSと他サービスを比較

続いてUberEATSと他サービスを比較してみた。まずは、以下にUberEATSの特徴をまとめる。

UberEATS -提供エリアが拡大中、サービスも魅力的-

画像は「UberEATS」のキャプチャ

・利用条件…デリバリー機能を持たない飲食店も参加可能
・注文デバイス…スマートフォン
・デリバリー担当…UberEATSが登録したスタッフ
・提携店舗数…10万店(2021年5月末時点・コンビニエンスストア等も含む)
・サービス提供エリア…全国(各都道府県内で都市が限られる場合がある)
・初期費用…無料
・月額費用…無料
・サービス手数料…毎月売上総額の35%

出前館 -圧倒的提携数、そして抜群の知名度-

画像は「出前館」のキャプチャ

国内最大級の宅配・デリバリーサービス。客からの注文はPC、スマートフォン、TV、Wiiなど多彩。飲食店側はタブレットやFAXで出前館から注文情報を受け取ることができる。当初はデリバリー機能を持たない店は加盟できなかったが、シェアリングデリバリーを2021年1月に開始した。配達方法は「出前館の配達パートナーに依頼(1都1道2府35県に限る)」または「出前館のシステムを利用しながら、自店のスタッフ自ら配達」から選べる。デリバリー商品の品質を維持するために最適な容器の用意もある。

・利用条件…デリバリー機能を持たない飲食店も参加可能
・注文デバイス…PC、スマートフォン、TV、Wiiなど
・デリバリー担当…自店のスタッフ
・提携店舗数…出前館が雇用している、もしくは業務委託している配達パートナー、または自店のスタッフ万5000店(2021年10月末時点・日用品取扱い店舗等含む)
・サービス提供エリア…全国
・初期費用…無料(2021年12月現在)※期間限定キャンペーン中のため。通常は20,000円
・月額費用…無料
・サービス手数料…商品代金の10%
・配達代行手数料…商品代金の25%

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ファインダイン -デリバリー代行可。エリアも徐々に拡大中-

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画像は「ファインダイン」のキャプチャ

コンセプトは “地元レストランの料理を出来たてのままお届けする”。宅配寿司の業界シェアトップ「銀のさら」を展開するライドオンエクスプレスが運営しており、有名店も多く加盟している。

主な特長は、デリバリー事業開始後に必要なお客様へのアプローチに関わるメニュー、DM、ちらしなどの配布、Webを使ったプロモーションなどを請け負ってくれることと、デリバリースタッフの研修に力を入れていることだ。

・利用条件…デリバリー機能がない飲食店も参加可能
・注文デバイス…PC、スマートフォン、電話
・デリバリー担当…ファインダインの専門スタッフ
・提携店舗数…1000店以上
・サービス提供エリア…大田区、品川区、渋谷区、新宿区、世田谷区、台東区、中央区、千代田区、中野区、文京区、港区、目黒区の一部地域
初期費用…要問合せ(商品撮影・ECサイト作成と販促・受注・発注・配送・代金回収等が必要)
月額費用…要問合せ(エリアやプランによって異なる)
サービス手数料…ユーザー支払い料金の40%

menu -サポート体制も充実-

画像は「menu」のキャプチャ

独自の配達員による「デリバリー」と「テイクアウト」の2種類のサービスを展開している。大きな特徴は、24時間デリバリーを請け負ってくれることだ。飲食店はタブレット操作のみの最小限のオペレーションで対応可能。利用開始までは申し込みから1週間前後と早い。2022年3月末までは、導入にかかる初期費用50000円が0円になるキャンペーンが実施されている。また、利用者に向けてのキャンペーン等の施策に積極的。

・利用条件…デリバリー機能がない飲食店も参加可能
・注文デバイス…スマートフォン
・デリバリー担当…menuが登録したスタッフ
・提携店舗数…60000店
・サービス提供エリア…全国(各都道府県内で都市が限られる場合がある)
・初期費用…無料(キャンペーン中につき無料。2022年4月から50000円の予定)
・月額費用…要問合せ(エリア等の条件で異なる)
・サービス手数料…無料

コロナ前にはどのデリバリーシェアリングサービスも対応地域が大都市圏のみだったが、現在は拡充されている。デリバリーサービスへの加入は自店のアピールになるため、売上作りはもちろん、イートインの新たな顧客開拓にもつながる。チャンスを広げる意味でも、デリバリー事業について一度検討してみてはいかがだろうか。

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本間純子

ライター: 本間純子

映像制作会社を経て、フリーライターに。企業PR誌で食材の開発や世界の食文化をリポートしている。CD-ROM『日本酒の郷をめぐる~北陸編』(ポニーキャニオン)では、酒蔵をたずね、酒づくりや酒にあう土地の食などを取材、執筆した。個人的には「日本のレストランで世界一周」をたくらむ。