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料理人は知っておきたい「ジビエ」を扱う際の注意点。人気の背景も解説!

滋味深い味わいと栄養価が高いことから女性客の心を掴むジビエ。近年、国産ジビエを気軽に楽しめる飲食店がフレンチを筆頭に増えるなど、年々人気の高まりをみせています。

料理のジャンルを問わず、美味しく食べられると人気のジビエは、飲食店にとって新規客やリピーターの獲得にもひと役買ってくれる食材です。一方で、野生鳥獣の肉であるジビエは、しっかり加熱しないと食中毒の危険があるなど、取り扱いには他の食材とは違った注意ポイントがあります。

Photo by iStock.com/Shaiith

そこでここでは、お客様にジビエ料理を安全に楽しんでいただくために、ジビエを扱う際の基礎知識や注意したいポイントを整理しました。

飲食店としての価値も高める!? ジビエの魅力とは?

ジビエの魅力は、何といっても滋味深い味と栄養価が高いことが挙げられます。山野を駆け回った野生鳥獣たちの、脂肪が少なく生命力にあふれる肉質はジビエの大きな魅力といえるでしょう。

例えばシカ肉はクセや臭みが少ないため、ジビエ初心者でも気軽に楽しめると同時に、鉄分が豊富で栄養価が高いのも魅力です。健康志向の高まりもあり、女性客を含め幅広い世代に喜ばれる食材となりました。

とはいえ、かつては国産ジビエといえば、北海道や長野県など一部の地域で郷土料理として食べられているだけの珍しい食材でした。国産ジビエが現在のように手に入りやすくなったのは、農水省が進めている鳥獣害対策と関係があるのです。

鳥獣害対策として捕らえられていた鳥獣は、そのまま埋設処理されることがほとんどでしたが、それを食肉として流通させることで、捕獲者の新たな収入源を作り、そして名物として売り出すことで地域の活性化へと繋げたのです。これを産業として整備する地域が少しずつ増え、現在のように国内の流通量が高まっていきました。

地域再生や地方の魅力発見が時代の大きなブームとなっている今、飲食店としても、こうした産地との繋がりやストーリーをアピールできる食材は、店のファン作りにも大きく貢献します。店の個性を打ち出していきたい店舗にまさにピッタリな食材だといえそうです。

扱いには注意も必要!

ひと昔前よりも流通量も増え、東京都内でも手に入れることができるようになったジビエですが、野生鳥獣の肉であるがゆえに注意しなければならないことがあります。

その一つが調理法。山野を駆け回るイノシシやシカなどの野生鳥獣は、E型肝炎ウイルスや腸管出血性大腸菌、寄生虫などといった食中毒を引き起こす原因菌やウイルスを持っている可能性が大いにあります。そのため、ジビエ料理はよく加熱をすることが大原則です。

実際、2016年には茨城県のクマ肉をローストして提供していた飲食店で、旋毛虫と呼ばれる寄生虫による食中毒が発生。営業停止処分を受けています。また、シカ肉によるE型肝炎の発症報告もありますから、提供時には必ず加熱を十分に行うことが必要です。

また調理場で、ジビエを扱う際に注意すべきこととして、農水省の「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン※PDF資料)」には次のようなポイントが挙げられています。

・色や臭いの異常があるものは直ちに廃棄
・生食での提供は厳禁。必ず加熱調理を行う
・調理器具は83℃以上のお湯または次亜塩素酸ナトリウム等で消毒
・他の食材の調理器具と、ジビエを扱う調理器具は分ける
・保存時は、他の食肉と区別。10℃以下(凍結したものは-15℃以下)で保存

飲食店での提供を検討する場合にはメニューや調理方法を考える際に、農水省ガイドラインの内容をしっかりと頭に入れ、守っていきましょう。

ジビエはどこから仕入れればいいの?

2017年に入り、長野県長野市がイノシシやシカといったジビエ専用の処理加工施設の建設を発表。特産品としてジビエの流通拡大を目指す姿勢を示すなど、ジビエを扱う業者が年々増えています。

一方で、「知り合いの猟師が獲ったシカ肉を特別に譲ってもらった」「狩猟免許を持つ店主が、自分で獲った野生鳥獣の肉を店で提供した」というケースもよくある話ですが、実はこうした事例はすべて食品衛生法違反にあたります。

ジビエは、家畜動物と違って食肉処理をする時にも特別な衛生管理が必要になる食材です。ジビエの安全性を確保するためにも、ジビエを仕入れる際には、食肉処理業と食肉販売業の許可を得た専門業者から仕入れることが必要です。また、加工されたジビエ肉を仕入れる場合には食肉製品製造業許可を得た業者であるかを確認しなければいけません。ジビエを仕入れる際には、違法ジビエを手にしないためにも「食肉処理業」「食肉販売業」許可の有無を必ず確認しましょう。

旬の食材として、健康食材としても人気の高まるジビエ。しかし店を健全に運営するためにも、ジビエの扱いには相応の注意が必要です。仕入れ時、そして取り扱う際のポイントをしっかり押さえて、美味しいジビエ料理を多くの方に楽しんでもらいたいですね。

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