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飲食店の87%が時短要請に応じるも「経営継続が困難」の声。テーブルチェックが調査

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画像素材:PIXTA

飲食店向けの予約や顧客管理システムの開発を行う株式会社テーブルチェックが、緊急事態宣言下でさらなる時短営業要請を受けた1都3県の飲食店を対象に、「時短営業要請に関する飲食店アンケート」を実施した。今回はその結果と飲食店のリアルな声をご紹介する。

■調査概要
調査期間:2021年1月7日~1月10日
調査対象:東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県内の飲食店関係者
有効回答数:115
調査方法:インターネット調査
詳しい調査結果はこちら

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時短要請、「応じる」87.9%・「応じない」0.9%

午後8時までの時短営業の要請に応じるかどうかを聞いた質問では、「応じる」が87.9%、「応じない」はわずか0.9%だった。飲食店は時短営業により大幅な売上減少が予想されるが、1日あたり6万円支給される協力金の存在、そして新型コロナウイルスの感染拡大が深刻であることが回答結果に表れているのだろう。

87.9%の飲食店が休業要請に「応じる」と回答

続いて飲食店に対する政府・自治体の施策について率直な意見を聞いた。回答の一部を抜粋して紹介する。

■時短営業要請に関する意見(以下、すべて原文ママ)
「今回の対応は1か月だけでおさまるとは思えない。コロナは20時以降の飲食でのみ感染があるのだろうか?と感じる」(ディナー平均単価:5,001円~10,000円/店舗数:1店舗)

「20:00までの時短営業や19:00までのアルコール提供となれば休廃業する店舗が多く出てくると思います。弊社も賃料の負担が大きく、継続して行くことが更に困難な状況です」(10,001円~20,000円/2~3店舗)

「補償の問題もあるので、時短営業にとどめているのだと思います。また、昨年の緊急事態宣言時に多くの飲食店がテイクアウトに取り組んだように、居酒屋やバーなども昼飲み含めランチに活路を見出してはいかがかと感じます」(20,001円~/4~20店舗)

■時短要請に応じない店舗の店名公表に関する意見
「当店は要請にしっかり対応しますが、対応しない場合の店舗名の公表については非常に違和感を感じます。脅しともとれる対策で、株主や経営者への影響は計り知れない。飲食店だけ公表されるのは大変遺憾です。またこれは宣伝になり営業をしている事を知った一部のお客様への来店に繋がってしまう恐れがありとても愚策だと断固反対します」(10,001円~20,000円/4~20店舗)

「店舗名の公表は厳しすぎると感じます。事業として成り立たなくなる心配がある場合、やむを得ず夜8時以降も営業を続けることが必要になる事業者もある。その経営者方に同感します」(10,001円~20,000円/2~3店舗)

「逆に店内の感染対策をしっかりとしている店舗名を公表すべき」(10,001円~20,000円/1店舗)

画像素材:PIXTA

■協力金など補償に関する意見
「飲食店と言っても様々な業種や規模・形態があるのに全て同じ扱いは雑すぎるし20:00閉店とは中途半端で対応に困る。どこの飲食店でも大混乱しているのではないか。いっそ休業させて個別の条件で補償すればと思う」(20,001円~/2~3店舗)

「補償についてですが、小さな個人店では過剰です。補償で儲かっている店舗もあります。雇用人数や昨年売上、家賃などを考慮した補償がセットになり一斉休業を実行し短期間での抑え込みの方がありがたいです」(10,001円~20,000円/4~20店舗)

「今回のコロナで一番ダメージを受けているビジネス街の大箱店舗と、住宅地で今までよりも良い景気となっている一人で営業をしている小さな店舗が同額の補償というのは、あまりにも理不尽すぎるため、家賃支援金のように事業規模を考慮した補償にすぐにでも変更(追加支援)をすべきだと強く感じています。お客さまの年齢層が高い、日本橋・銀座にある店舗は虫の息となっており、今回の飲食店を槍玉にあげる政策には大きな問題があると思います」(5,001円~10,000円/1店舗)

今回は首都圏の飲食店関係者のリアルな声をお届けした。時短営業要請には従うものの、要請に応じない店名の公表や協力金が店舗の規模や売上に関わらず一律で支給されることなどに不満を抱いている飲食店が多いようだ。

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上條真由美

ライター: 上條真由美

長野県安曇野市出身。ファッション誌・テレビ情報誌の編集者、求人ライターを経て独立。インタビューしたり執筆したり、平日の昼間にゴロゴロしたりしている。肉食・ビール党・猫背。カフェと落語が好き。