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「居酒屋」業態、“時短”影響で深刻な売上ダウン。外食全体は前年同月比マイナス21%

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日本フードサービス協会が、2021年1月の外食産業市場動向調査結果を発表。外食全体の売上が前年の同じ月と比較し、21%減少したことが明らかとなった。業態別では洋風の「ファーストフード」業態が好調の一方で、酒類を提供する「パブ・居酒屋」業態の売上が深刻な落ち込みをみせている。

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客単価は前年比増も、売上高は21%マイナス

外食全体の1月の売上は、前年同月比21%減。12月の売上は15.5%減で、1月に入りさらに落ち込みが顕著になっている。なお、外食全体の売上は2020年3月から連続で前年の同じ月を下回っている。

1月といえば、新型コロナウイルスの新規感染者数が急増し、緊急事態宣言が再発令された時期。宣言対象となった11都府県にある飲食店に対しては、20時までの時短営業が要請されており、売上が落ち込んだとみられる。

また、店舗数も4%減、客数も21.8%減と減少している。一方で、客単価は前年同月比1.1%増となっている。

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「パブ・居酒屋」は売上大幅ダウン、業態間の格差顕著に

調査結果を業態別に詳しくみていくと、業態ごとに異なる様子が明らかとなった。

なかでも、今回の緊急事態宣言の影響を大きく受けているのが、酒類の提供を行う「パブ・居酒屋」業態だ。緊急事態宣言の対象地域では、酒類の提供が19時までと制限されているため、売上が前年同月比74.9%減まで落ち込んでしまった。

さらに、夜の営業が主体となる「ディナーレストラン」も緊急事態宣言の影響を大きく受け、前年同月比54.5%減。また、「ファミリーレストラン」はテイクアウト・デリバリーの利用が増加したものの34.6%減、「喫茶」は繁華街やビジネス街の客数が減り37.4%減と、多くの業態で厳しい状況となっている。

一方、ほかの業態に比べ、売上の落ち込みが少なかったのが「ファーストフード」業態で、前年同月比は1.4%減にとどまった。このうち「洋風」に限っていえば、12.2%増となっている。客単価も19.5%増加しており、コロナ禍でも前年の売上を上回る好調ぶりがうかがえる。日本フードサービス協会によれば、デリバリーやテイクアウトなどの需要が伸びていることに加え、まとめ買いの客単価増が影響しているという。ただし、「ファーストフード」業態でも、「麺類」は、夜の営業を主体としている繁華街のラーメン店などが苦戦しており、売上も24%減と落ち込んでいる。

緊急事態宣言が発令された1月の外食売上は、酒類の提供や店内飲食が主軸となる業態で落ち込みが目立つ結果となった。飲食店への時短要請が続いている地域も多く、この厳しい状況はもう少し長引きそうだ。

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サトウカオル

ライター: サトウカオル

グルメ、ライフスタイル、ITとさまざまなジャンルの執筆を経験。現在は、ポップカルチャー系のウェブサイトでグルメ関連の記事を執筆中。趣味は、料理とネットサーフィン。ネットで気になった料理を自分流にアレンジして食べるのが最近のマイブーム。