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2024-05-14 17:12:03.0

飲食店スタッフの5月病対策。話題の「退職代行サービス」とは

4月から新しいお店で働き始めたり、上司や同僚スタッフの入れ替わりがあったりと、仕事の環境が変わった人も多いはず。その後、およそ1か月。新しい環境に慣れてきた一方、モチベーションが下がっていませんか?または、人間関係に悩んだり、仕事の進め方が合わなかったりと、職場環境に違和感を覚えている人もいるかもしれません。

「これから良くなるはず……」と我慢し続けたり、「ただの5月病だから」と自分に厳しくしていたりするだけでは、つらいままで何も変わらない可能性もあります。直面している状況を改善し、ポジティブな気持ちを取り戻す方法を考えてみましょう。
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職場環境を変える働きかけをする

まずは「今勤めている飲食店を、自分のモチベーションが保てる環境に変化させることはできないか」という視点で考えてみてください。業務内容に不満があるなら、ホール、キッチン、バーなど他のポジションへの配置換えを希望することで、気持ちに変化が生まれるかもしれません。

多店舗展開しているなら、他の店舗への異動願いを出してみるのもひとつの手です。人間関係や働く場所、業務内容が変わると、新鮮な気持ちを取り戻せる可能性もあります。また、もし契約条件通りの休暇日数を取得できないような状況なら、スタッフの増員を要請してみましょう。

このように、自分のモチベーションが下がってしまった原因を考え、それを解消できるような環境調整をしてもらうことはできないか上司に相談してみることが大切です。

退職するなら円満退社を目指す

職場環境の改善を上司に相談しても変化がなかったり、先延ばしにされるなど真剣に取り合ってもらえなかったりした場合は、退職という選択肢を視野に入れてもいいかもしれません。可能な限り、双方が納得したうえで円満退社できるよう、上司と話し合いを行いましょう。

円満に退社するポイントは、自分の意見を押し通すだけではなく、店の立場にも配慮すること。特段の事情がない限りは、就労規則の規定通りのタイミングで退職の意向を伝えましょう。

規定がない場合は、「退職の2週間前までに意思を伝える」という民法の定めに則ります。しかし、実際には引き継ぎや穴埋めの採用といった店側の事情に配慮し、1〜2ヶ月前に申告できるとベターです。

退職意向を伝えるときには必ず理由を聞かれるため、ポジティブな理由を準備しておきましょう。例えば、業務のマンネリ化や人間関係のトラブルが原因なら、「新しい環境で挑戦がしたいから」。労働条件が実態と異なっていた場合は、「働き方を見直して、仕事のパフォーマンスをアップしたいから」。このように「自分は次のステージでやりたいことが決まっていて、今の環境では実現できないと考えている」ことを伝えると、スムーズに退職できる可能性が高まります。
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最終手段として使いたい「退職代行サービス」

飲食業界は慢性的な人手不足のため、退職を希望してもなかなか辞められないことも。また、パワハラを受けている、精神疾患等で出勤できなくなってしまったなど、自力で退職の意向を伝えるのが難しいこともあるでしょう。

退職の交渉がどうしてもうまく進まない場合は、退職代行サービスの利用を検討してみてもいいかもしれません。退職代行を受け付けているのは、法律事務所、労働組合、民間企業の3種類で、それぞれ費用や対応範囲が変わります。

■法律事務所による退職代行

弁護士に、退職にまつわる調整や手続きを依頼します。退職意向の伝達から、具体的な退職日や残された有給休暇の取得に関する調整、離職票や源泉徴収票などの書類請求、残業代・退職金などの金銭請求を代行してもらうことができます。

給料の未払いやハラスメントによる精神的苦痛、鬱症状があった場合には、慰謝料請求や労災申請なども任せることができます。万が一会社から退職による損害賠償を請求されたときには、弁護士に対応してもらうことが可能です。費用相場は50,000円程度とされています。

■労働組合の退職代行

労働組合の団体交渉権を使って、退職にまつわる交渉を依頼します。退職意向の伝達と、具体的な退職日や残された有給休暇の取得に関する調整などを代行してもらうことができます。

法律事務所で依頼できるその他の業務は、弁護士資格がないと対応できない業務(非弁行為として違法となる)ため、対応の範囲外となります。費用相場は25,000円程度とされています。

■民間企業の退職代行

民間企業が運営する退職代行サービスでは、退職意向や連絡事項の伝達を代行してもらうことができます。あくまで退職意向を伝えるサービスなので、退職日の調整や、有給休暇や退職金といった金銭請求などは対応の範囲外です。費用相場は20,000円程度とされています。

ただし、退職代行サービスを利用すると、これまで働いていた職場の人たちを混乱させてしまったり、転職活動の際に希望する就職先に情報が伝わって転職が不利になったりする可能性もあります。メリットとデメリットの両方を踏まえたうえで決断するようにしてください。


飲食店で働くことの醍醐味は、お客さまの笑顔を見ることでもあります。そのためには、まず店で働くあなたが楽しい気持ちで働けることが大切です。「ただの5月病かな」「自分が怠惰なだけだ」と自分にプレッシャーをかけすぎず、どうしたらモチベーションを高められるのかを考えてみましょう。自分の行動次第で、働く環境は変えられます。