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伝統野菜で冬の定番メニューをレベルアップ! 鍋・ポトフ向きのおすすめ野菜7選
本格的に寒くなるこれからの季節に、需要が高まるメニューといえば鍋料理。冬の王道メニューだけに他店と差別化を図るのはなかなか難しいですが、健康志向が高まりつつある昨今、「冬野菜」に焦点を当てたメニューを検討してみるのもひとつです。
photo by Tatsuo Yamashita「とりたて野菜」
そもそも、なぜ伝統野菜なのか?
イタリアンの名店『カノビアーノ』では、長年「京野菜」にこだわったコース料理を提供しているなど、野菜へのこだわりを持つ飲食店は少なくありません。「京野菜」をはじめとした「伝統野菜」は、日本各地で昔から伝わる個性豊かな野菜ばかりです。形が揃わない、手間がかかる、収穫時期が限定されるといった理由から、大量生産が求められる今の時代にマッチせず生産が減少していましたが、ここに来て「地産地消」がブームとなり再び注目を集めています。
しかもその美味しさを全国に広げようと若手の作り手も登場し、郷土料理はもちろんのこと、有名料理家と共同で新しいメニューの提案をしたりと、「伝統野菜」を後押しする動きが各地で広がってきています。
伝統野菜をメニューに取り入れるメリットは?
■季節の“旬”そのものを感じてもらうことができる
その地域、時期にしか収穫されない「伝統野菜」を取り入れることは、まさに“旬”な野菜を提供するということ。料理に季節感を演出できると同時に、“旬”だからこそのフレッシュな味わいをお届けすることができます。
■生産地への“こだわり”をアピールできる
特定の生産地への“こだわり”は、お店にとって大きなアピールポイントになります。「伝統野菜」を取り入れるとなると、より生産地への“こだわり”をアピールできます。
■素材そのものがメニュー化する
例えば、その甘さで一躍有名となった鹿児島の伝統野菜「安穏芋」。「安穏芋のタルト」と言ったように、素材そのものがメニュー化し、“美味しい”というイメージに直結することにもなります。
冬のあったかメニューで使える厳選「伝統野菜」
今回は一例として、冬のあったかメニューの定番である「鍋」、洋風・和風どちらにもアレンジ可能な「ポトフ」の2つのメニューで「伝統野菜」をご紹介していきます。
■定番の「鍋料理」に使用したいおすすめ伝統野菜
・曲がりネギ(仙台)
強い香りが特徴で、とにかく柔らかく、とろけるような舌触りがします。また、甘味と深いコクも特徴。普通のネギと違って曲がっているのは、ひと手間かけた栽培方法がその理由。ある程度育った段階でネギを一度抜き、傾斜を付けた土の上に再びネギを寝かせて土をかける。立ち上がりながらまっすぐ上に伸びていこうとするので「曲がりネギ」となり、最も曲がっているところが一番柔らかく甘くなるとのこと。収穫時期は11月~5月頃。
・長崎白菜(長崎)
別名「唐人菜」とも呼ばれ、長崎のお雑煮には欠かすことのできないもの。葉が巻かないため一般的な白菜よりも柔らかく、独特の風味があるのが特徴。鍋や煮物はもちろん、葉が柔らかいので炒め物にも向きます。収穫時期は12月~2月頃。
・大鰐温泉もやし(青森)
古くから伝わる津軽伝統野菜の一つで、温泉熱と温泉水のみを用いて作られるもやし。昔ながらの土耕栽培によりほのかな土の香りがします。また、シャキシャキとした歯触り、独特のうまみも特徴。「豆もやし」「そばもやし」の2種類があり、シャキシャキ感が強い「豆もやし」が鍋物や汁物におすすめ。収穫時期は11月~4月頃。
・畑菜(京都)
京都・伏見の伝統野菜。葉が鮮やかな緑色で、茎もとても柔らかい。そして、ほうれん草や小松菜に比べて栄養価が抜群に高いのも魅力です。JA京都中央のホームページによると「たんぱく質がほうれん草の1.3倍、カルシウムが1.9倍、ビタミンB2が2.3倍、総ビタミンCが1.4倍含まれている」とのこと。収穫時期は11月~3月頃。
■冬のあったかメニュー「ポトフ」で伝統野菜を食す
・聖護院かぶ(京都)
千枚漬けで有名なカブ。大きさが日本一と言われており、直径20センチ以上、重さは4キロにもなります。かぶ特有の風味に加え、甘味があり歯切れがよいのが特徴。収穫時期は11月~2月頃。
・宇陀金ごぼう(奈良)
香りがよく肉質が柔らかいのが特徴で、太い方がより柔らかいとされています。雲母を多く含む土壌で育つため、付着した雲母がキラキラと金粉をまぶしたように輝き、その美しさからこの名前がつきました。縁起物としておせちに珍重されています。収穫時期は11月~1月頃。
・山内にんじん(秋田)
長さ30センチ以上、肩が張ったように肥大するその大きさ、太さが特徴のにんじん。鮮やかな橙色で芯まで赤く、甘味と香りが強い。肉質は締まって硬く煮崩れしにくいため、煮物、鍋物に最適です。収穫時期は10月~12月頃。
このほかにも「伝統野菜」は全国各地にたくさん存在します。ぜひ鍋やポトフといった冬メニューに取り入れて、“こだわり”を演出してみてはいかがでしょうか。
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