店舗物件探し
賢くWEBを活用して チャンスを広げる (第60回)
【あらゆる面に浸透したWEB】
以前の物件探しは、不動産屋探しから始まっていた。もちろん今も、その根本は変わらないが、十数年前と決定的に違うことがある。それは、WEBが生活のあらゆる面に活用されるほど浸透したこと。
そこで物件探しにもWEBを活用し、スピードアップを図りたい。不動産屋の中には、ホームページに最新の物件情報を掲載する業者もあるし、メーリングリストで、随時情報を流すところもある。
今回は、WEBを上手く活用して物件探しをしている人の例を紹介する。
【ネットサーフィンからの出会い】
Aさんは、大手外食チェーン勤務。スーパーバイザーとして、千葉県内の店舗を周り、指導をするのが本業だが、近々都内か千葉県内での独立を考えている。
ただし、彼が勤めるのはファストフード店。そして独立を考えているのは居酒屋。話がもっと具体化すれば独立時期も含めて勤務先に話ができるが、まだ彼の頭の中に構想があるだけで、まったく話は具体化していない。
地道に貯金をしてきたが、独立が会社に知れてしまえば、早々に退社を促され、せっかくの貯金を切り崩さなくてはならないとも限らない。それゆえ、しばらくは極秘に物件を探していきたい。
しかしながら、極秘の物件探しでは、いかんせん時間がない。物件を見に行くどころか、そもそも不動産屋に足を運ぶ時間さえままならないのだ。
そこで彼は、WEBに強い不動産屋を探すことにした。近所の不動産屋でも当然のごとくパソコンを使っているだろうが、あくまでも業務管理用であって、情報発信を積極的にしているとは思えない。かといって、どうやって不動産屋を探せばいいのか?
そんな時Aさんは、不動産コンサルタントで積極的に情報を発信している人を見つけた。ネットサーフィンをしていて、たまたまその人にたどり着いたのだが、とにかくあらゆる不動産投資情報を発信している。残念ながら店舗物件情報はあまりない上に関西在住。関東には来たことがないと豪語している。一方で「WEBに距離は関係ない」とも言い切り、ブログやツイッター、フェイスブックをフルに活用している。
そこでさっそく彼に連絡。自分の夢や今の状況を熱く説明し「WEBの何らかのツールを使って、最新の店舗物件情報を得る手段がないか?」と聞いた。
【掘り出し物件が次々と】
メールを送ったのは夜中の1時。驚いたことに返信が来たのは1時間後の2時だった。「個人的に気に入ったから、条件に合う物件があったらすぐに連絡する。業者にメールアドレスを教えていいか?」とのことだった。
半信半疑だったが、それで物件情報が来るならありがたいと、Aさんは快諾。すると翌日には、いくつかの業者から写真付きのメールが来るようになった。しかも、メーリングリストのような多数の人に配信される情報ではなく、Aさん個人に対して「条件に合致する物件が出るが、興味はあるか?」というもの。どれも興味をそそる内容のものばかりだった。
残念なのは、返事にもスピードが要求されること。メール受信から1時間後に返信しても、すでに契約されていたり「それじゃ、今すぐ見に行きましょう」と言われたりする。本業があるので決してフットワークは軽くなく、これまでもいくつものチャンスを逃したそうだが、それでも「まだ次が出てくる」と期待できるほどの情報量だそうだ。
誰もがAさんのような運のいい出会いに恵まれるとは限らないが、見ず知らずの人と話をするのが苦手でも、メールで夢を熱く語ることはできるだろう。
情報が無限にあるのがWEBの世界。その中を探せば、案外自分の夢を実現する糸口が簡単に見つかるのかもしれない。実際、Aさんの独立の日は、そう遠くなさそうだ。
【 物件お役立ちコラム集 > 店舗物件探し > 失敗しない物件選び(全61話) 】