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変化しつつも学生街の親しみやすさが残る街・日吉。街事情と飲食店出店のポイントは?

2021年5月6日

画像素材:PIXTA
東急東横線の中ほどに位置し、渋谷にも横浜にも出やすい日吉駅。慶應義塾大学のキャンパスがあり、お洒落なイメージと学生街の気楽さのバランスがよく、住みたい街としても人気です。今回は日吉駅エリアの街事情と飲食店出店のポイントを考えます。

2022年に相鉄新路線が乗り入れ予定。変化する日吉駅

日吉駅は東急東横線、東急目黒線、横浜市営地下鉄グリーンラインの3路線が利用可能。東急東横線通勤特急なら渋谷へ18分、永田町へは東急目黒線で35分と好アクセス。東急東横線の急行停車駅であることに加え、東急目黒線は東京都心方面へ、グリーンラインは港北ニュータウン方面へ向かう列車の始発というのも、ほかにはない魅力です。

さらに2022年度には「東急新横浜線」が相鉄線羽沢横浜国大駅から日吉まで開通し、相鉄線の相互直通運転が開始される予定で、新幹線とのアクセスも良好に。日吉駅の賑わいはさらに増すことが期待されます。

慶應義塾大学キャンパスとともに戦前から開発された住宅街

駅東口には、慶應義塾大学日吉キャンパスの銀杏並木の美しい眺望が広がります。慶應義塾大学が日吉キャンパスの前身である「慶應義塾予科」をここに移転したのが1929年。一方の西口は東急電鉄により住宅地「日吉台」として同時期から開発され、駅前商店街の放射状の道路もこのとき整備されました。

しかし昭和の頃まで、鉄道路線は東急東横線だけ。「慶応大学のお膝元の、閑静な住宅街」という時期が長く続いてきました。西口に広がる商店街の先は、戸建が多い古くからの住宅地となっています。

平成に入って進化の機会がやってきます。まず1990年代、駅は半地下化され、地上には東急百貨店がオープンしました。2000年代には東急目黒線の始発駅となり、グリーンラインが開業。こうして日吉駅は、東京と横浜を結ぶ主要駅のひとつとなりました。新規にこのエリアに住みたい人向けに、主に綱島街道沿いなどに多くのマンションが供給されています。

現在、東急百貨店は各種専門店が入る「日吉東急アベニュー」となり、周辺駅からも多くの人がショッピングに訪れる駅ビルとなっています。

今も若者好みの安旨な飲食店が多い、駅西口の商店街

東口一帯を慶應義塾大学の各施設が占めているため、商業地は西口に広がっています。放射状に広がる商店街は線路に沿った「メイルロード」「サンロード」と「普通部通り」「日吉中央通り」「浜銀通り」の5つ。路地を入った辺りには学生向けアパートもあります。多くの慶大生が集い、交流する場としての飲食店が多く、商店街は「ひようら」と呼ばれて親しまれてきました。

2017年頃、永く慶大生御用達となってきた『喫茶まりも』『キッチンくりの木』『マリーン』などが相次いで閉店。老舗が退き、古きよき風情は薄れていくのかと思いきや、そうではありません。今もなお、“日吉らしさ”は健在のようです。

今も健闘する老舗飲食店は、ボリューム満点の洋食『とらひげ』(1962年~)、オムライスが有名な『レストラン白鳥』(1957年~)、和定食とお酒の『こま津』(1964年~)。創業30年以上の人気店にはハンバーグなどの『洋食プクプク亭』があります。

その後、カレーの『ハイ、ハウ アー ユー』、『餃子処三日月』、ベトナム料理『HOAHOA』、タコスやアメリカ料理の『ベンダーキッチン』など特色ある飲食店は2000年代以降に開業。

さらに近年は、『キッチンくりの木』が『とんかつ和栗』として2014年に再オープンのほか、『やながわ精肉店』(2015年~)、『ビストロギオット』(2016年~)などが人気店の仲間入りをしています。

ほかに忘れてはならないのが学生の胃袋を満たすラーメン店。『武蔵家』『つけそば ハマトラ』『ラーメン どん』『極楽汁麺 らすた』『柴田商店』など、がっつり系が目白押しです。

こうして飲食店の顔ぶれを見ると、今もボリューム重視の飲食店が主流のよう。駅がリニューアルされてお洒落になっても、いくつかの老舗が閉店しても、安くて旨い店が引き継がれている印象があります。現在は「日吉の味」を求めて学生だけでなく大人達が集まり、特色ある飲食店それぞれにファンがついているようです。

画像素材:PIXTA

昔ながらの商店街の小規模な店舗に、多くの個人が新規出店

日吉の店舗賃料相場を調べてみると、平均21,190円/坪と決して安くはありません。この賃料は隣駅の元住吉、綱島もほぼ同程度。開発が進む注目エリアだけにある程度の負担は避けられないかもしれません。

しかし、日吉の飲食店をくわしく見ると、ひとつの傾向が見て取れます。

『とんかつ和栗』は10席、『ビストロギオット』は16席、『ベンダーキッチン』は15席。さらに、グルメサイトで高評価のカレーの『ハイ、ハウ アー ユー』は席数11席、しかもビルの3階。日吉で人気を得ている個人店などの多くは、小規模な店舗です。

これは、日吉の商店街には古い建物が多いからだと思われますが、個人で出店しやすい環境があるともいえます。

どんな飲食店を出店するかを考えるとき、エリアにないジャンルの店で差別化するのがひとつの手法です。しかし「ひようら」に限っていえば、学生街の雰囲気を壊さず馴染む店を出店するのも良いのではないでしょうか。日吉にご飯を食べに来た人が、「こんな店ができたんだ、次は寄ってみよう」と目を止めるような、そんな店がエリアの仲間入りをしていくのかもしれません。

一方で、商店街の先には住宅街が連なっているので、駅から少し離れた場所に地元の人向けの店を構えるという選択肢もありそうです。地元の人たちが利用しやすい飲食店はまだまだ不足気味。「普段の食事に通える店」「特別な機会に訪れたい高級店」どちらも求められているでしょう。

外食文化が長く根付いてきた日吉。小規模な店舗が多く、個人で出店しやすいエリアのひとつといえます。自分らしいチャレンジのシナリオが描けそうです。

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