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住宅街への飲食店出店を考える。アフターコロナでも集客できる強い地域密着店舗とは?

2021年10月1日

画像素材:PIXTA
コロナ禍により、飲食店をとりまく環境は激変しました。その変化は今も続いており、アフターコロナあるいはウィズコロナの将来は今までと違ったものになりそうです。そんな今、繁華街や駅前ではない地にあえて出店し、地域密着で展開する店づくりを考えます。

住宅地に出店して人気となった個人店

埼玉県さいたま市の「トラットリア エストポルトーネ」は、女性2人が東川口駅から徒歩11分の住宅地に2018年開業。カジュアルイタリアンとして着実に地域に受け入れられてきました。緊急事態宣言下では休業を余儀なくされながらも、週末のテイクアウト販売が好評です。

また、東京都品川区の「すし 岩澤」の店主はシステムエンジニアから転身し、2016年、周辺はほぼ住宅地という西五反田の一角にカウンター8席の店を構えました。提供するのは本格的なお任せコース。同店は今、予約が取りづらい人気店となっています。このような住宅地への出店で成功している飲食店の例から、地域密着の店づくりの特徴がみえてきます。

「住宅地への出店」のデメリットは集客力

まず住宅地への出店のデメリットを整理します。以下の点があげられます。

■人の流れが少なく「通りすがり」の来客が見込めない

オフィス街や商業地なら平日の昼と夕方、週末に多くの人出がありますが、住宅地の店舗では人通りが少なく、通りすがりでの来店機会は少なくなります。

■グループの需要が比較的少ない

人と人が出会う場を提供するということは、飲食店が提供する価値のひとつ。大人数の集まりなどでは商店街や駅近の立地なら誰にとっても好都合ですが、住宅地は選択肢になりにくいでしょう。

■従業員が集まりにくい

スタッフ採用の点でも住宅街の店舗は不利になります。住宅地で営業している飲食店は小規模で家族経営という例が多いようです。

メリットは低コストで競合店が少ないこと

もちろん、デメリットだけではありません。住宅地へ出店するメリットもあります。

■初期費用もランニングコストも抑えられる

賃料は抑えられるので、出店のための初期投資もその後の固定費も低く抑えることができます。その分、内装や仕入れ食材にお金をかけられるので、これは大きなメリットです。

■競合店が少ない

繁華街と違い、激しい多店舗間の競争がありません。

■近隣在住者の需要がコンスタントに見込める

昨今のコロナ禍ではオフィス街、都心の繁華街の飲食店は軒並み休業を余儀なくされました。そんなときでも住宅地の飲食店では近隣在住者の需要があり、むしろリモートワークが進めば需要増が期待できます。

■テイクアウト、デリバリーの需要がある

コロナ禍で営業が制限されてもテイクアウトやデリバリーがうまくいった飲食店は持ちこたえることができています。特にデリバリーは配達網が進化してマーケットが拡大中で、住宅地への出店を後押しする要素となっています。

■地域密着で多様な展開が考えられる

店が地域に定着していけば常連客同士のつながりが増え、地域コミュニティの場として機能するようになります。イベントの開催、多ジャンルの店とのコラボなどの多様な展開で地域に貢献しつつ事業基盤を強くしていけます。
画像素材:PIXTA
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プライベートな飲食店需要の普遍性に着目

コロナ禍で飲食店需要は変化しました。まず、ビジネス需要の激減。接待やビジネス会食が減少し、会社で開催する大規模な忘年会や歓送迎会もなくなることに。状況が改善すれば一定の需要は復活すると思われますが、同レベルまで戻ることは期待できません。

一方、コロナ禍でもプライベートな飲食には一定の需要があります。ひとつは「普段づかい」。単身者や少人数世帯の毎日の食事、週末のファミリーの外食などが減ることはありません。もうひとつは、家族の行事や記念日などの「ハレの日需要」。全体の外食機会が減っている分、特別な機会には少し贅沢にレストランの食事を楽しみたいという傾向はいっそう高まっています。今後も手堅いプライベート需要にターゲットを絞り、住宅地への出店を検討することは十分可能といえます。

住宅地出店のポイントは、明確なターゲット設定と立地の選択

最後に出店のポイントを確認していきます。冒頭で紹介した2つの飲食店、「エストポルトーネ」は「普段づかい」、「すし 岩澤」は「ハレの日需要」と位置付けることができます。どちらを目指すのか明確にする必要があります。普段づかいの店なら、出店地域に在住のファミリー、単身者、シニア層などを対象にメニューや価格帯を設定し、週に2度3度と訪れたい店づくりをします。ハレの日に訪れたい高級店を考えるなら、席数を絞った小規模店が成功しやすいでしょう。

物件探しでは、駅から離れているがオフィスも多少ある「在住・在勤どちらも狙えるエリア」や、「飲食店が少ないが一定の人の流れがあり、潜在需要を掘り起こせるエリア」など、住宅地を細かくみていけば特徴は様々です。飲食店が並ぶ繁華街と違い、自分の店の特徴を踏まえた顧客を呼び込むイメージを明確にして、物件を選ぶ必要があります。出店後はプロモーションも大切です。集客のためSNSによる発信は不可欠。差別化できるメニューやサービスをアピールして足を運んでくれる人を増やしましょう。地域密着店ではチラシの配布も有効です。

以上のように、プライベートの需要に応えられる住宅地の飲食店はコロナ禍の今、そして今後にわたり有望だといえます。立地を吟味して綿密にプランを立て、チャレンジしてみましょう。

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