流行のゴーストレストランは自宅で開業できる？必要な設備や資格、開業方法を紹介

コロナ禍で飲食業界にはさまざまな変化が起きています。海外で火がつき日本でも増加中の「ゴーストレストラン」もそのひとつ。今回は、ゴーストレストランとは何か、必要な設備や開業の注意点などについて解説します。

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増加中のゴーストレストラン。開業に必要な資格や準備は？

ゴーストレストランとは、客席のある実店舗のないデリバリー専門のレストランのことです。コロナ禍で急拡大した「ウーバーイーツ」「出前館」などのデリバリーサービスとともにこの業態が増えました。

ゴーストレストラン開業のために必要なのは、一般の飲食店経営と同じく「食品衛生責任者」の資格の取得、デリバリー代行サービスへの登録、デリバリー代行アプリを使用するためのWi-Fi環境、そして調理スペースなどです。少人数で経営でき、場合によっては一人でも運営が可能。フロアスタッフの人件費はもちろん、アルバイト募集の経費や手間もかかりません。多くの飲食店を悩ませる人手不足とも無縁です。そのため、一般的な飲食店を開業する場合に比べるとかなり手軽にスタートできるといえるでしょう。

自宅での開業は可能？

調理できるスペースがあるなら、店舗ではなく自宅キッチンで簡単に開業できるのでは？と思う人もいるかもしれません。しかし、ゴーストレストランといえども、飲食店として必要な設備を整え、食品衛生法に基づく営業許可を受ける必要があります。必要な設備とは、以下のようなものです。

・専用の作業場に十分な広さがあり、区切られている（自宅とは別）
・壁や天井が清掃しやすい材質（床から1mの壁は耐水仕様）
・床は水洗いできる素材で適度な勾配と排水溝を備える
・十分に明るい照明
・温度計のある冷蔵・冷凍庫、扉つきの食器棚
・2槽に分かれたシンクと給湯設備
・専用の手洗い設備
・シャッター付換気扇、網戸付の窓
・独立したトイレと手洗い設備、店舗用のゴミ箱
※上記の規定の詳細は都道府県が定めています。飲食店の営業許可は都道府県所管なので、自治体の保健所で確認してください。

こうした設備は一般的な住宅にはありません。自宅で飲食店の許可を得るためには飲食店の条件を満たすよう、リフォーム工事が必要です。自宅の一部を改装してゴーストレストランにするための工事費用は、地域事情や規模により、最低で50万円程度から数百万円程度となります。店舗を借りる場合に必要な保証金やその後の賃料が不要であるため、自宅での開業はコストを抑えて開業できますが、設備をそろえることを考えると現実的ではないと感じるオーナーさんもいるようです。

ゴーストレストランでおすすめの物件は？

一般的な飲食店を開業するときは、数百万円～1000万円程度の資金が必要です。しかしゴーストレストランでは、自宅をリフォームする以外にも、以下のような物件を選ぶことで、費用を抑えることができます。

■シェアレストランや間借り物件を活用する

最近増えているシェアレストランは、一週間のうち何日かを数名の飲食店主でシェアする業態。間借りは現在営業中の飲食店の店休日の設備を借りて営業する方法です。物件の費用を抑えられるこのようなスタイルをゴーストレストランと組み合わせ、初期投資をおさえて飲食店業をスタートすることができます。

■居抜き店舗や「厨房のみ物件」で開業する

厨房設備がある居抜きの店舗を内外装の工事不要で活用できることは大きな強み。店舗物件を選ぶときに、「立地」のみに焦点を当てて選ぶことができます。企業のセントラルキッチンの厨房のみ物件が条件に合えばさらに好都合です。

■一等地以外の家賃が安い物件を見つける

一般的に、飲食店を開業する場合は、人通りが多い場所や駅近が人気で「一等地」といわれます。しかし、デリバリーがメインのゴーストレストランの場合、必ずしも一等地でなくても大丈夫。立地条件を気にすることなく物件が探せるため、家賃を抑えることができます。

ゴーストレストラン開業時の注意点は？

人気のゴーストレストランですが、注意点もあります。実店舗がないために信頼度に欠けるという点です。実際にはほとんどの店舗が正式な許可を得て健全に経営されていますが、一部店舗によるデリバリーで不備があった際に「ゴーストレストランは避けるべき」という噂が広がることもあり、店の運営では信頼度をアップさせる必要があります。具体的には、広告宣伝をする際に住所や店主名を明示し、SNSで具体的な発信を定期的に行うといった方法で安心感をもってもらうことが有効です。店舗の外観写真を投稿するのもいいでしょう。

注意点はあるものの、将来的にもメリットが多いゴーストレストラン業態。飲食店経営者を目指すなら、選択肢として理解をしておく必要がありそうです。

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