繁盛店を目指すパン屋の物件選び。狭小店舗でも、郊外でもポイントを押さえて人気店に
2022年3月22日
画像素材：PIXTA
人気のパン店はどんな場所に出店している？
まず、今注目されているパン屋はどういったものがあるのでしょうか。個人店として、ぜひ知っておきたいのが次の２店舗。いずれも全国からの集客に成功している繁盛店です。■『Zopf（ツオップ）』（千葉県松戸市）
「パン好きの聖地」として知られる同店は、最寄り駅から徒歩30分の住宅街に位置します。わずか8坪の店内で300種類ものパンを販売。入店できる人数に制限があるため、いつも外に長い行列ができます。■「Fusubon（フスボン）」（東京都渋谷区）
おいしく食べられる低糖質パンの専門店。代官山の奥まった場所にある店舗はわずか3坪ですが、コロナ禍にInstagramをメインとする情報発信で人気となり、ネット販売で大きく売上を伸ばしました。狭小店舗でも、郊外でも開業できるのがパン屋の強み
上の例でもわかるように、パン店は通常不利とされる店舗でも出店可能であることが強みです。まず、例に出した２店舗のように狭小物件や郊外の物件でも出店が可能なこと。パン屋は、売場面積や店の間口が小さくても出店が可能です。とはいえ、一般的には、パン店の厨房設備に約10坪はほしいところ。1階を店舗・上の階を厨房とするなど工夫できる物件もあるかもしれません。また、パンは毎日のように購入するものなので、必ずしも便利な場所でなくても出店できます。住宅地やロードサイドなど、郊外の物件でも周辺地域から集客が可能な場合は候補となります。さらに、個人の創意工夫で成功できる業態であることも強み。種類豊富なパンのなかで自分の得意分野を選んでレシピを考案し、商品を展開できることが魅力です。また主食のひとつであるパンは、景気が悪いときでも一定の需要が見込めます。
パン屋業態の弱みは？
ただし、気を付けるべきパン屋業態の弱みもあります。まず、パン専門店はライバルが多い業態です。仮にライバルの少ない立地に出店して繁盛したとしても新しい店舗に客を奪われてしまう可能性もあるので、常に差別化できるパン作りに努める必要があります。また重労働なのでスタッフ確保が大変ということも。「パン屋で働きたい」という人は多いのですが、働いてみると重労働で拘束時間も長いため定着せず悩むオーナーは多いです。そして、原材料価格の影響を受けやすいというデメリットもあります。2022年３月には、ロシアによるウクライナ侵攻が影響し、小麦粉の価格が世界的に上昇。ほかにもバターや砂糖など、原材料価格高騰による値上げが経営にとって痛手となっています。
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パン屋開業にあたり、初期費用をおさえつつ適切な物件を選ぶには？
店舗の規模にもよりますが、ミキサーやオーブン、発酵室など厨房設備に大きな投資が必要なパン屋。開業のために準備すべき総費用は1000万円～3000万円程度となります。まとまった資金が必要だからこそ、物件にかかる費用は極力抑えたいところ。失敗しないためにも、次のポイントをしっかり抑えながら、物件を選んでみましょう。■路面店など、人通りが多く立ち寄りやすい場所
ほかの飲食店と同じように駅の近くや繁華街が挙げられますが、パン屋は住宅街でもOK。まず路面店の確保はしたいところです。交差点からよく見える店舗、隣に繁盛店がある立地などが有望。車利用が予想される場所では、駐車場スペースも必要となります。■北向きまたは東向き
日射しの影響を受ける立地では方角も考慮する必要があります。商品の劣化が最も少ないのは北向きの店舗、次いで東向きです。■対面販売か、セルフ方式かにより広さが変わる
対面販売の場合3坪程度の売り場スペースでも可能です。一方、お客さまが自由に選ぶセルフ方式では、少なくとも10坪程度のスペースの確保が必要でしょう。販売したいパンのアイテム数が少なければ対面でもよいですが、多ければセルフが適しています。■パン店の居抜き物件は掘り出し物
あまり多くはないですが、開業したいエリアでパン店の設備を備えた居抜き物件があれば初期費用が抑えられます。ぜひ検討したい物件です。パン屋開業では、注意点をクリアすることにより個人経営でも成功の可能性を広げることできます。「自分が世に出したいパンはこれ」というイメージが描けたら、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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