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繁盛店のFacebook活用術から「SNS集客のコツ」を学ぶ。絶対外せない4ポイントとは?

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SNSが単なるコミュニティに留まらずニュースソースとして大きな影響力を持ち始めた現在。飲食業界においてもTwitterやInstagram、Facebookなど、ソーシャルメディアを利用した情報発信はもはや無視できないところまできている。特に小規模な個人店は、SNSをうまく利用することによって費用を最小限に抑えながら広報とマーケティングの両立を成功させることも可能だ。

すでに店舗用のFacebookページを開設している飲食店も多いと思うが、今回は「いいね」の多い飲食店のFacebookページから、改めて活用のコツを探ってみたい。

どんな投稿にもひと手間かけることが集客力UPにつながる!

飲食店のFacebookページで一番ポピュラーな投稿というと、料理写真やお店の情報の投稿ではないだろうか。例えば、定休日や営業時間の変更など、お店の最新情報をマメにアップしている店舗も多いはずだ。こういった投稿は、集客目的というよりはインフォメーション的な役割が大きいが、逆転の発想が集客への効果を生むこともある。

パクチー料理専門店『パクチーハウス東京』のFacebookページでは、団体予約の急なキャンセル等で空席が生まれた場合にも情報を投稿し、予約の際の電話番号も記載している。投稿を見て「行きたい」と思ったときに、スムーズに予約できるようなちょっとした配慮がされているのがポイントだ。

また、最も大切な投稿のひとつである料理写真も、「食べてみたい!」と思わせるいわゆる“シズル感”のある写真が、「いいね」や「シェア」を増やすひとつのポイントとなる。アヒージョや煮込み料理などは、グツグツとした音が食欲を刺激するので、動画を使ってみるのもおすすめだ。前述の『パクチーハウス東京』では、仕込み過程の写真を掲載することでライブ感を演出するなど、バラエティーある投稿も魅力となっている。こうした投稿は提供する料理の信頼度アップにも一役買っているようだ。

営業に固執せず、読んで楽しめる投稿を交える

メディアへの掲載情報や有名人の来店など、引きの強そうな投稿ももちろん魅力的ではあるが、直接的な集客を目的としない投稿がFacebookページとしての洗練さを増す場合もある。『京都祇園 天ぷら八坂圓堂』は、土地柄を活かした歳時記や、旬の食材の豆知識、店内のしつらえの写真や従業員の着物の衣替えについてなど、読みものとして満足度の高い投稿で評判だ。

毎回の投稿が楽しみなページを作ることができると、定期的にチェックしたいという気持ちになるのでページへのいいねも増える。そこに、料理の写真やお得な情報を盛り込むことができれば無理なく集客につなげることができるのではないだろうか。例えば、食材にこだわっている店舗であれば食材調達リポートの投稿、地酒やワインなどにこだわっている店舗なら酒蔵やワイナリーの訪問リポート、プロが使用する調理器具のおすすめなど、店舗の個性に合わせて投稿を工夫してみると良いだろう。

また、先ほど紹介した『パクチーハウス東京』はパクチーに関する情報を店舗の営利にかかわらず積極的にシェアしている。自店の情報発信だけでなく、積極的に他のニュースソースも利用し活気あるページ作りを目指してみよう。

親近感がわく投稿でフォロワーとの距離を縮める

「あつらえ」や「まかない」といった独自のシステムでメディア等でも注目されている『未来食堂』のFacebookページでは、実際に店舗で提供しているおいしいご飯の炊き方を余すところなく公開している。この食堂では、“50分お店を手伝うとまかない1食サービス”というユニークなシステムがあるほど店舗と客との距離感が近いが、Facebookページでも一人一人の食生活がより豊かになるような親しみやすい内容になっている。

また、金沢の『キングストングリル』では、新作メニューの試食会というイベントを立ち上げ、Facebook上で呼びかけている。こちらのイベントは無料ということもありかなりの人気ぶりだが、試食会を開くまでは難しくとも、試作メニューをFacebook限定で公開するなど、ページフォロワーへの特別感を高めたり、投稿へのリアクションから客の嗜好をうかがい知るなどマーケティングとしての効果も期待できそうだ。

コメントへのリアクションと投稿の時間帯も大切

『たまな食堂 南青山店』では、日替わりのメイン料理が写真とともにFacebookページへ投稿されている。その投稿の時間帯は、午前11時半前後。今日のランチが気になりはじめる時間帯に合わせた投稿は、目にもお腹にも効果大だ。特に飲食店は投稿のタイミングがリアクションに直結するので、せっかくの投稿がスルーされてしまわないよう時間帯を見極めて投稿したい。

また、フォロワーからのコメントへのリアクションは、全てに返信とまではいかなくとも、「いいね」など何らかのリアクションができると良さそうだ。個人店であれば客との距離を縮める良いきっかけになるほか、リアクションの多い投稿は、タイムラインへの表示やシェア数の増加にもつながるので可能な限り丁寧に対応したい。

いかがだろうか。まず大切なのはきちんと稼働しているページであると認識してもらうことだ。自発的な投稿はもちろん、来店客が投稿した店舗に対する感想、関連ニュースのシェアなどを行えば、より賑やかなFacebookページを演出できる。毎日、新しい情報を提供していくのはなかなか難しいことだが、ある程度の更新性は確保しておいた方がいいだろう。

以前、弊社が行った調査では61.8%もの飲食店がFacebookページの運用を行っていることがわかった。SNSの中でも強い影響力を誇り、かつ無料で始められるだけに、“これを利用しない手はない”と考える飲食店が多いのだろう。しかしすべての店舗で集客効果が得られているとは限らない。フォロワーがどんな情報を求めているのか、そしてどんな投稿をすれば来店に繋がるのか……。試行錯誤を重ねながら、自店舗に合った運用方法を見つけてほしい。

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イシイミヤ

ライター: イシイミヤ

フリーライター。ファッション誌やカルチャー系のウェブサイトでライフスタイルに関わる記事を執筆。現在はフードカルチャーに焦点を絞り、その最旬事情から老舗の妙味まで多岐にわたり執筆中。週3でアンテナショップに通い、全国の郷土菓子と未知の食材の収集を日課にしている。ビールとコーヒーのトレンドに詳しい。