夏のメニュー戦略を43店舗にリサーチ。いま仕入れるべき目玉食材はコレだ！

Photo by ume-y「鶏肉のフォー Pho Ga」

夏の集客に最適な食材って！？

梅雨が明ければいよいよ夏本番。多くの飲食店が、真夏に向けて着々と準備を進めていることだろう。

夏は開放的な気分が味わえる一方で、暑さが原因で食欲が落ちてしまうこともある。飲食店はこうした消費者の傾向を考慮したうえで、夏メニューを提供していきたいところだ。

たとえば夏に弱い業態といえば鍋料理店が挙げられるが、ほとんどの店舗で夏対策を練っているはずだ。ある店舗は“夏バテ防止”を謳った「激辛鍋」で、ある店舗は“ヘルシー”を謳った「野菜鍋」で集客を図る、といった具合に。

では、ほかの店舗ではどのような対策が練られているのだろうか。弊社では飲食店を対象に「この夏、使ってみたい食材は？」というテーマでアンケート調査を実施。そこで得られた結果から、さまざまな店舗の夏メニュー対策について紹介していきたい。

■調査概要
調査対象：飲食店.COM会員（飲食店経営者・運営者）
回答数：43名
調査期間：2016年6月13日～2016年6月19日
調査方法：インターネット調査
アンケート結果はこちら

Photo by Hideto KOBAYASHI「DSC05101.JPG」

まずは基本の“キ”。夏らしい食材で季節感を表現！

■オクラなどの旬の食材で“夏らしさ”を演出する
回答の中で多く見られたのが、「旬な食材を提供して、夏らしさを演出したい」という意見。具体的な食材としてはオクラやキュウリ、枝豆といった夏野菜、さらにアユやハモといった夏魚など。これら旬の食材は味が抜群なのはもちろんのこと、市場に大量に出回っているので価格が安いのも特徴だ。季節感が演出でき、かつ美味しい、しかも安いとくれば使わない手はないだろう。

■食欲が落ちる夏は“涼感”のある食材で勝負
暑さで食欲が落ちてしまう夏は、料理でも“涼感”の演出が欠かせない。王道は、水や氷を用いたメニュー。今回のアンケートでも「夏対策としてフローズン系のスイーツを提供したい」という声がいくつか挙がっていた。フローズンヨーグルトなどの直球メニューもいいだろうし、最近はフローズンスモアのような変わり種メニューも人気だ。集客の目玉になる可能性もあるので、ぜひ取り入れたいところ。

Photo by Dominic Lockyer「Mixed Case of Rosé Wines from Hatch Mansfield.」

「健康」や「トレンド」をキーワードに集客を図る

■疲労回復メニューが集客の鍵に！？
“健康”を売りにしたメニューで集客を図るのも手だ。たとえばアンケートの中では、トマトやナスといった食材で健康をアピールしようという店舗が見られた。トマトにはビタミンAとビタミンCが豊富に含まれており、紫外線や熱によってダメージを受けた体を回復させる効果が期待できる。またナスにはカリウムが豊富に含まれていることから体を冷やす効果が得られるのだとか。Facebookページなどで「夏の疲れを癒すメニューをご用意しています」などの投稿を行えば、お客様の来店を増やすきっかけになるだろう。

■夏らしい食材で糖質制限メニューに取り組む
ここ数年、糖質制限を行う方が増えつつあるが、そうした傾向に応えるために蒟蒻を多めに仕入れる店舗もあるようだ。蒟蒻の原料である蒟蒻芋は冬が旬なので、本来は夏の食材ではないかもしれないが、そのさっぱりとした味わいは夏には最適だといえる。ほかにもパスタの代用品として、比較的糖質が少ないフォーを仕入れる店舗もあった。

■トレンドを意識した食材で集客を図る
最近のトレンドの影響か、「パクチーを仕入れたい」という声も多数見られた。ただ夏の食材を取り入れるだけでなく、トレンド感もしっかりと意識する。そんな飲食店が多いようだ。ほかにも、消費量がうなぎ上りの「ロゼワイン」、風味豊かな味わいが魅力のフルーツ魚「みかん鯛」など、話題の食材を積極的に取り入れようとする店舗が多数見られた。

Photo by Sotaro OMURA「うなぎ飯」

集客力のある高級食材を大胆に用いる！

■夏にピッタリな高級食材で売上を伸ばす
夏の高級食材といえばウナギ。本来は冬が旬であるはずのウナギだが、土用の丑の日（今年は7月30日）の影響ですっかり夏の食材として定着。ウナギは“少し高くても食べてみたい”と思わせる魅力がある食材だ。そんなウナギを上手に売り出せば、売上に大きく貢献してくれるはずだ。事実、今回のアンケートでも「客単価をあげるためにウナギを仕入れたい」という声が見られた。ウナギ以外にもサマートリュフなどの夏らしい高級食材はまだまだある。自店舗の料理に合う高級食材をバランスよく取り入れてみよう。

夏に旬を迎える食材はさまざまとあるが、ただそれを仕入れればいいというわけではない。「疲労回復を“売り”にしたい」、また「客単価を上げたい」などの明確な戦略があれば、より集客や利益に結びつきやすいだろう。売上を伸ばしにくい8月を乗り切るためにも、こうした工夫を積極的に行っていきたいところだ。

「飲食店リサーチ」について
「飲食店リサーチ」では、飲食店を経営する皆さまに、店舗運営に関する様々なアンケートを行っています。 アンケート結果は、飲食店の皆さまに店舗経営のヒントとして活用していただけるよう、レポート記事として公開されたり、 皆さまが利用する業務用商品やサービスなどの開発に役立つデータとなります。