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『L’AS』オーナーシェフ・兼子大輔インタビュー【仕事人FILE 第1回 】

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瞬く間にスターダムへ上りつめたトップシェフの想いとは?

2012年にオープンし、瞬く間に東京中の美食家たちを虜にした『L'AS』。ベースは正統派フレンチ。贅沢な食材を大胆に用いたコース料理は、それだけで十分過ぎるほど心を満たしてくれるのだが、驚くべきはその価格である。全9~10品のコースが、5,000円で楽しめるのだ。オーナーシェフ・兼子大輔氏は語る。

「これだけ多くのフランス料理店が存在する今、美味しいものを作るだけではお客様を獲得できない。コストを抑えるための戦略、多くのお客様を捌くためのシステム、そして驚きを与えるための表現力…。これらの要素を含んだ総合的な技術力こそが、今の料理人に求められていると感じています」。

美味しいだけではダメ。時代が求めるフレンチとは?

兼子氏といえば、東京『コート・ドール』やパリ『サンドラス』といった数々の名店で腕を磨いてきた、まさにフレンチの申し子とも言える人物。しかし、クラシカルなフランス料理で勝負できる実力を持ちながらも、『L'AS』では「5,000円のおまかせコース」という低価格なコースを主役に据える。その理由とは一体?

「フランス料理には敷居の高さというか、ある種の堅苦しさがあります。この堅苦しさは僕も嫌いではないのですが、もっとリーズナブルに、そして気軽にフランス料理を楽しみたいという方がいることも事実。そのニーズに応えてあげることが、『L'AS』の成功に繋がるという自信があったんです」。

効率化を考え、メニューは「おまかせコース」の一本のみに。カトラリーは各テーブルの引き出しに収納し、スタッフが運ぶ手間を省いた。さらに、スムーズな導線を確保するために厨房はオープンキッチンを採用。兼子氏自らが料理を運ぶこともあるという。

「こうした効率化はメニュー作りにおいても行っています。たとえばご好評をいただいている『フォアグラのクリスピーサンド』は、袋を開けて手で食べるという、これまでのフランス料理にはない驚きをお客様に与えますが、それと同時に、袋のままテーブルに運べるという利便性も備えています。お客様も私たちもハッピーになれる、まさに一石二鳥のメニューと言えますね」。

foie-gras crispy sand

ハーゲンダッツを想像させるキャッチーな見た目、そしてわざわざ袋に包んだ遊び心ある演出、さらに期待を裏切らないフォアグラの芳醇な味わい……。驚きと利便性を兼ね備えたこの一品は、『L'AS』を象徴するスペシャリテとして、3週間に一度変わるコースメニューの中に常にその名を連ねている。

自分にしかできないことを貫く勇気

ゲストの記憶に残るキャッチーな演出、そして5,000円のコースを実現させるための無駄のないシステム……。『L'AS』はこれらの戦略を積み重ねることによって、レストランとしてより高みに昇っているようにも見えるが、戦略を支える土台、つまりフレンチシェフとしての類まれな実力があってこそ、この飛躍を可能としている。

「料理人としての在り方や考え方は、『ラ・ベカス』、そして『コート・ドール』で。現在取り入れている最新の技術は、パリの『サンドラス』で身に着けたものです。これまで正統派フランス料理を大きな覚悟を持って学んできましたが、身に着けた文化や技術をしっかりと継承しながら、僕は僕にしかできないことを追及していきたい。その想いを形にしたのが『L'AS』なのです」。

『L'AS』で魅せる変幻自在の技。そこには兼子氏が追及する自分らしさが宿っていると同時に、フランス料理の神髄がしっかりと刻まれている。

<関連記事>『L’AS』の兼子大輔シェフに聞く、キャリア形成までの道のり(求人@飲食店.COM「しょくヨミ!!」の記事へ)

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L'AS オーナーシェフ  兼子大輔
1979年生まれ、広島県出身。大阪『ラ・ベカス』で6年間修行を積んだのち上京。三田『コート・ドール』で経験を重ねる。06年に渡仏し、パリ『サンドラス』などで腕を磨く。帰国後は麻布十番『カラペティ バトゥバ!』のシェフとして2年間活躍し、その後、2012年にオーナーシェフとして『L’AS』をオープン。2014年にはイギリス『FOUR MAGAZINE』主催の「‘ライジングスター賞」を受賞。さらに「RED U-35」 でゴールドエッグを受賞する。

L'AS main dining

『L’AS』
住所/東京都港区南青山 4-16-3 南青山コトリビル1F
電話番号/080-3310-4058
営業時間/12:00~L.O.1:00PM(土日祝のみ)/17:30~L.O.22:30(月~土)、17:30~L.O.22:00PM(日曜祝日)
定休日/火曜を中心に月8回程度
席数/40
http://www.las-minamiaoyama.com/

Editting&Text/Hirokazu Tomiyama

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