一石二鳥の忘年会対策。「宴会客」を「リピーター」にするための仕掛けとは?
もうすぐ忘年会シーズン。飲食店にとっては最も忙しい季節の到来だ。
忘年会で来店するお客様の中には新規客も多く含まれる。この新規客をリピーターにすることができれば、翌年の大きな強みになるだろう。そこでここでは今から準備出来るリピーター対策を詳しく紹介する。
予約を受ける時からリピート戦略は始まっている
忘年会は、幹事が店の選定と出席者確認、会計を取りまとめる。その際、コース金額に2,980円などの端数があると、会計時に小銭の管理をしなくてはならず、幹事の負担を増やしてしまう。
そこで、コース料金を「ポッキリ」にしてしまう方法がある。忘年会の費用は、どこも会社が払ってくれるわけではない。場合によってはワリカンをする所もある。またプライベートでの忘年会であれば、当然ワリカンが多いだろう。
幹事にしてみると、コース料理が「2980円」となると、“おつりはどうしよう”、“チラシには2980円とあるのだから、3000円と言って集めるわけにはいかない”などと気を遣わなければならない。それが「3000円(税込)」と明記されていれば、幹事の会計は格段と楽になるというわけだ。また、予約の電話は店長、もしくは店長クラスのスタッフが受けた方が良い。一貫して店長が受けることで、予約状況を正確に把握できるというわけだ。
こうして料金面、また予約面で幹事に安心感を与えておけば、それが店への好印象へと繋がる。さらに来店してからの時間を気持ち良く過ごすことができれば、来店前からの好印象と相まって、名刺交換やアンケート記入といった店からのアプローチにも協力的になってくれるはずだ。
そして大切なことは、予約を受け付ける際、追加注文の有無を聞いておくことだ。忘年会が始まると、酔いが回り始めた頃にコース以外の注文をする人が現れる。これをそのまま受けてしまうと、コース料金以外の料金が発生してしまい、幹事が困る事態となる。せっかく気持ち良く過ごしているところに、会計で水を差す真似をしないためにも、追加注文があった場合の対応を確認しておくことと良いだろう。
新規見込み客の名刺を集めたリスト作り
新規客をいかに次に繋げるか。まず有効なのがSNSの活用だろう。初めて来店するお客様にもわかりやすい場所に、FacebookページやTwitterなどのSNS情報を貼る。女性客が多いなら、Instagramも有効だ。メニューの写真や忘年会の様子を撮ってInstagramに投稿してもらうことで、一品サービス、もしくは次回利用可能なクーポン券を配る。こうした参加型キャンペーンを行うと有効だ。
積極的に顧客リストを集めたいなら、名刺をいただいてしまう方法がある。忘年会は、会社帰りに行われることが多く、名刺を持っている可能性が高い。アンケートより手軽でお願いしやすく、お客様も気軽に応じてくれることが多いので、お帰りの際に、名刺とランチ割引券・ドリンク無料券とを交換しよう。一般的に新規客が再来店する確率は40%と言われており、2回目の来店から3回目にかけては80%、そして4回目以降は90%まで上昇する。新規客をリピーターにしていくには2回目の来店をいかに勝ち取るかが鍵なので、魅力ある特典を用意したい。
名刺をいただくメリットは、ターゲティングを明確に出来ることだ。業種や部署、さらに男女の割合が把握できるので、より明確なアプローチが可能となる。男性が多い職場なら飲み放題やボリュームのあるコースをアピールしたDMの送付、女性が多い企業ならデザート無料やヘルシーメニューをアピールしたDMを送付するなど、より精度を上げたアプローチができるのだ。ちなみに名刺をいただく際は、DMやイベント情報を送る旨を必ず伝えよう。
リピート客の獲得は、忘年会のコースメニュー、コース料金を決める時から始まっている。できることをいち早く行い、リピート率を高めていくことが大切だ。また、忘年会を予約した企業や団体の業種や男女の割合、そして選んだコース内容や料金、さらにSNSへの投稿内容から、何が集客に繋がっているのかを解析し、“気づき”を戦略に反映させることが、次の来店を促す、効果的なきっかけになるだろう。