飲食店出店に欠かせない「仕入れ業者選び」。失敗しないポイントは？

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開業希望者に向けて、これまで「コンセプトづくり」、「メニュー開発方法」をご紹介してきたが、今回は「仕入れ業者の決め方」についてポイントを紹介する。

まずは必要なものをカテゴライズ

仕入れ業者を決める前に、まずしなければならないことは、開業にあたって必要なものを把握することだ。このとき、以下の3つのカテゴリーを設定するとより具体的なイメージが湧きやすい。

1、食材
まずは決定したメニューに必要な食材を考えよう。食材だけでなく調味料やドリンクの類も忘れずに。また、単純に食材を書き出すだけでなく、品質や銘柄、ブランド、産地など、より具体的に検討しておくと後の業者選びがスムーズだ。

2、備品
次に、調理用の備品、店舗の衛生にかかわる器具等をリストアップしよう。カトラリーや調味器具など、テーブルに置かれるものは、その店の印象にも大きく影響するので、店舗イメージを明確にして慎重に決定したい。

3、サービス
この場合のサービスとは、食材や備品のようなモノ以外に、運営にあたって必要なコトだと考えよう。接客に関連することとして、店内のBGMやメニュー等のデザイン制作、決済の選択肢としてクレジットカードを導入する場合にはその手続きなど。また、従業員に対して制服を用意するならその準備や、店舗の定期清掃を専門業者に依頼するかどうかなど細かな部分まで考えよう。

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取引業者はこうやって探そう

必要なモノのリストアップが済んだら、項目ごとに取引業者を探そう。仕入れ業者のマッチングサービスを利用するなどインターネットを使って探してみるのも良いだろう。その他、すでに開業している店舗から情報を得たり、先に決定している業者があれば別ジャンルのものについて相談してみるのも良いかもしれない。

また、メインメニューなどに必要な食材で、産地やブランドなど譲れないポイントがあるようなら、生産者と直接契約を交わすことで、より確かな食材を仕入れることができる場合もある。しかし、生産者とのコミュニケーションや、供給の安定性、価格面などリスクがあることも視野に入れておこう。

取引業者を決めるための条件とは？

実際に取引業者を決定する際には、取引条件を決定しその条件に合う業者を選定しよう。決めておきたい取引条件は、以下の6項目だ。

1、品質
仕入れる商品のクオリティはとても重要なことなので、安定して高いクオリティーの商品を提供できる業者を選ぼう。

2、単価と単位
商品の単価と、その商品を発注する際の最小ロット(単位)を決定しよう。

3、納期
商品を発注してから納品されるまでのタームを決めておこう。

4、納品方法
納品の方法や、送料等の条件を決めておこう。

5、支払方法
締め日はいつで、どのように支払うのか。また振込み等の場合手数料はどちらが負担するのかなど後々トラブルを招かないように細かく決定しよう。

6、トラブルの対応方法
商品の欠品や、納期が遅れる際の対応、不良品の処理（返品条件や返品の際の送料負担はどちらがするのかなど）を決めよう。

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カテゴリー別におさえておきたい業者選びのポイントとは？

以上のような事務的な条件とともに大切なのは「信頼度」だ。開業する店舗のコンセプトを理解し、協力してくれるパートナー足りうるかどうかを見極め、選定する必要がある。

例えば、不測の事態が起こったときにフレキシブルに対応してもらえるかどうか、開業する店舗の業種に対する経験や知識がどの程度あるか、担当者とのコミュニケーションがスムーズか、発注した商品以外への提案や応用力があるかどうか、などポイントはさまざまあるだろう。特に、食材の業者選びでは、上記のようなポイントが重要になってくる。

また、備品の業者選びの際には、使用頻度の高い消耗品類をいかに低価格で仕入れられるかもポイントだ。ロット数や単価から無駄のない仕入れができる業者を選択したい。そしてサービスに関する業者選びは、工事や審査が必要なものもあるので、早めの選定が必要になる。早い段階から店舗イメージを膨らませ、必要な業者を探しておこう。いずれにも共通して言えるのは、なるべく多くの業者リストアップと情報収集だ。積極的にコミュニケーションをとり、相見積もりを多めにとるなどして精査したい。

信頼できる業者選びにはまず自身が信頼されるオーナーになることが大切だ。長く取引できるビジネスパートナーに出会うために、しっかりと時間をかけて作業を進めよう。

■参考
翔泳社『自分でパパッとできる はじめての飲食店開業＆経営』