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飲食店の予約キャンセル問題。171店舗が実践する対策方法を一挙公開!

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Photo by iStock.com/peterscode

「当日のドタキャン」「ノーショウ」など予約キャンセルによるトラブルは、お店の利益へと直結する大きな問題だ。しかし、客の予定に左右される部分が大きいことから、なかなか対策が出来ていないという店舗も多いのではないだろうか?

そこで今回は、飲食店経営者を対象として「予約キャンセルを防ぐ方法」をテーマにアンケートを実施。その回答から、予約キャンセルに有効的な対応策を考えていく。

■調査概要
調査対象:飲食店.COM会員(飲食店経営者・運営者)
回答数:171名
調査期間:2017年2月14日~2017年2月20日
調査方法:インターネット調査
※本調査にご協力いただいた飲食店のうち52%が、1店舗のみを経営する個人店です。こうした事情が今回の回答結果にも影響していると推測されます。
アンケート結果はこちら

ネット予約をしている店舗は約6割

まず聞いたのは、予約の受付方法について。最も多かったのが、電話に加え、ネットでも予約を受け付けているという回答。ネット予約サービスの普及に伴い、従来の電話予約に加えて、ネット予約を実施する店舗が増えつつあるようだ。

予約管理は、7割超がアナログで実施

続いて、予約の管理方法について聞いた。ネット予約の普及が進む反面、予約の管理方法は、ノートなど紙の予約台帳で行っていると回答した人が75.4%。アナログな手法で対応している店舗はまだまだ多い。アンケート回答者の多くが、個人店経営者ということもあり、個人店では未だIT化が進んでいないようだ。

次いで、Webの予約台帳サービスが26.9%、ExcelなどのPCソフトが11.7%と続く。PCで予約管理をしている店舗は、全体の4割にも満たないという結果だ。

※複数回答可

話題の予約台帳サービス、トレタが28.9%と人気

予約台帳サービスを利用していると答えた人が実際に利用しているサービスはどんなものなのだろうか、見ていこう。

最近、ドタキャン見舞金制度を発表し話題となった「トレタ」は、28.9%とアンケート回答者の中で最も利用率が高い。続いて回答が多かった「Ebica」は20%。『串かつ田中』が全店で導入している人気の高いサービスだ。

「トレタ」「Ebica」が有料サービスである一方、無料で利用できる予約台帳サービスを利用している経営者も多い。15.6%が利用をしている「レストランボード」は、リクルートライフスタイルが提供する無料予約台帳サービスだ。iPadさえあれば、すぐにでも利用できるという手軽さが魅力となっている。

その他、「ヨヤクノート」「Table Solution」「OpenTable」など経営者によって利用しているサービスは様々である。無料や有料といった金額差はもちろん、他サービスとの連携など使える機能が異なるので、自分の店舗にあったものを見極めたいものだ。

Photo by iStock.com/DGLimages

他人事ではない! 予約キャンセルで起こった困った話

当日の無断キャンセルに振り回されてしまう店舗は多い。ここでは、アンケートの中から実際に起こった予約キャンセルエピソードをいくつかピックアップしていく。

「幹事がキャンセルしたにもかかわらず、それがきちんとメンバーに伝わっておらず大半のメンバーがご来店。すでに別のお客様用に用意したコース料理に箸を付けてしまう、という事がありました」

「連絡無しのノーショウ、後に連絡しても『キャンセルの電話をした』とウソをつかれる」

「年末、当日に30名の予約客が来なくて幹事にも連絡付かず。食材は翌日のコースに流用したが、刺身は使えずロスが大量に発生した」

「12月などの繁忙期、ちょうどクリスマスメニュー期間中で、価格は通常価格よりはるかに高い設定。しかも最も予約が殺到する日、数ヶ月前から貸切パーティーの仮予約が入っており、3週間前に確認の連絡をするが一向に連絡が取れず、再三のTELでようやく連絡がついた日が3日前……、キャンセルでした。今までほかのお客様の予約を断り続け(約40組80名×客単価12000円)、この時点からの挽回は難しく結果3組6名……」

当日の予約キャンセルは、食材のロスや新規顧客の来店機会の損失など、飲食店にとって大きな痛手となる。なかでもクリスマスや年末など予約客が殺到する時期は、ほかの予約客を断ることにも繋がり、困ることが多いと挙げた店舗が見られた。なかには「事前にキャンセルの連絡をしたと」話す客とトラブルに発展する店舗もある。こういったトラブルを無くすためにも、事前に予約キャンセルを防ぐ対策を打っておく必要があると言えるだろう。

Photo by iStock.com/Ridofranz

対策を行って、予約キャンセルを未然に防ごう

最後に、各店舗が実際に行っている予約キャンセル対策について見ていこう。予約キャンセルに困っているという店舗はぜひ参考にしてほしい。

■連絡先の確認
「非通知電話は着信拒否し、ナンバーディスプレイで番号を確認」
「会社名と会社の電話番号を聞く」

予約キャンセルの基本対策ともいえる、連絡先の確認。非通知電話などはあらかじめ着信拒否設定にし、必ず相手の電話番号を確認できるようにする。連絡先を聞かれれば、相手もキャンセルを気軽にしにくくなるだろう。会社の忘年会や歓迎会であれば、予約者の名前や電話番号はもちろんのこと、会社名なども併せて聞くとさらに効果的だ。

■事前に予約の確認をする
「6名以上の予約には前々日に予約確認の電話を入れる」
「予約を受け付けた日から、ご予約の日までにこちらから何度か電話する」

キャンセル防止対策として行っている店舗が多いのが、電話での予約確認。「○月×日19時からの予約になっておりますが、予約内容に変更はないでしょうか?」など3日前から前日にかけて電話をすれば、当日の無断ドタキャン防止に繋がる。団体客や1ヶ月以上前に予約をしたお客など不安に思う予約を中心に確認していこう。

■キャンセルポリシーを提示
「キャンセルポリシーを必ずご説明」
「ウェブ予約ではキャンセルポリシーをしっかりと提示しています」

ウェブサイトへのキャンセルポリシーの掲示はもちろん、電話予約でも「当日キャンセルの場合は、キャンセル料が発生します」「キャンセルおよび予約内容の変更は、前日までにご連絡ください」などアナウンスを徹底したい。

■当日キャンセルが出たときの対策も必要
万が一、当日キャンセルが出た場合に備えた対応も必要だろう。今回のアンケートの中には、遅刻の場合は予約自体をすぐにキャンセルし、他の客が入店できるようにするなどキャンセルによるロスを少しでも減らそうと工夫をしている店舗もある。

「10分以上遅れる場合、連絡無ければ自動キャンセルを伝えている」

このように、予約に来ないお客をずっと待っているのではなく、すぐに他の客を入れることで発生しうる損失を最小限に抑えることができる。予約キャンセルの対策には、キャンセルそのものが起きない防止策とキャンセルが起こった場合の対応、両方を考えていく必要がありそうだ。

飲食店経営者の多くが苦慮している予約キャンセル問題。連絡先の確認や事前の予約確認といったアプローチも大切であるが、最近では、SNSを使った空席案内や予約台帳システムを使った予約キャンセル防止策などIT面での対応策も増えつつある。有用な対応を参考に、ITとアナログの両面から対策を取って行ってほしい。

「飲食店リサーチ」について
飲食店リサーチ」では、飲食店を経営する皆さまに、店舗運営に関する様々なアンケートを行っています。 アンケート結果は、飲食店の皆さまに店舗経営のヒントとして活用していただけるよう、レポート記事として公開されたり、 皆さまが利用する業務用商品やサービスなどの開発に役立つデータとなります。

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サトウカオル

ライター: サトウカオル

グルメ、ライフスタイル、ITとさまざまなジャンルの執筆を経験。現在は、ポップカルチャー系のウェブサイトでグルメ関連の記事を執筆中。趣味は、料理とネットサーフィン。ネットで気になった料理を自分流にアレンジして食べるのが最近のマイブーム。