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食べログ、ぐるなびだけじゃない! ニッチな顧客を呼び込む、個性派「集客サービス」5選

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Photo by iStock.com/rez-art

ニールセン株式会社が2015年に発表したデータによると、飲食店情報を調べられるグルメサービスの利用者数TOP3は「食べログ」と「ぐるなび」、「ホットペッパー」。スマートフォン利用者全体の41%が、3サイトのいずれかを利用しているとのことだが、時を同じくして、個性的な検索アプリやWebサービスがぐっと増加した印象もある。スマートフォン所有率の増加(2017年時点で国民の約7割)、SNSの浸透などにより、ただ検索するだけではなく、ユニークな方法でより自分の趣味趣向に合った飲食店を探す消費者が増えているようだ。

今回は注目を集めている話題の最新アプリ・Webサービスを紹介。ぜひ参考にしていただきたい。

チャットのように気軽に飲食店を探せる「ペコッター」

実際に「ペコッター」を利用した際のキャプチャ

株式会社ブライトテーブルが2015年から提供しているチャット方式のグルメQ&Aアプリ「ペコッター」。ユーザーは名前、性別、年代、住んでいるエリア(主に利用する地域)を登録後、条件、シュチュエーションを選び、「ふわっとした」希望を書き込むと、公式キャラクターのはらぺこ君や、ペコッターのユーザーから平均3分以内にレスがつき、自分に合った飲食店を探すことができる。回答率は100パーセント。気に入った飲食店が見つかれば、その画面から予約が可能だ(運営スタッフが代行して飲食店側に電話を掛けているそう)。ちなみに、すべて無料で利用することができる。

筆者も試しにアプリを利用してみたところ、なるほどこれは便利だ。公式キャラクター・はらぺこ君、メガペコ君、ユーザーから10分以内に3件の有益な回答を得られた(数時間後には合計5件の回答)。各回答にリンクが張られているのも分かりやすい。

やりとりによって「ペコ」という仮想通貨がもらえ、30ペコで15円分のアマゾンギフト券に交換できる。現在は飲食店が店舗情報を登録できるようなシステムはないようだが、こういったアプリがあるということを頭に入れておくといいかもしれない。

飲食店を予約することで途上国の支援ができる「テーブルクロス」

「テーブルクロス」のキャプチャ

テーブルクロス」は、株式会社テーブルクロスが2015年から提供している途上国の子どもに給食を届けることができる社会貢献型無料アプリ。集まった給食費は「国連WFP」などをはじめとした10の提携支援パートナーに送られ、現地の子どもたちへ給食が運ばれる。

ユーザーはアプリから条件を絞って検索、もしくはコンシェルジュに電話して相談。気に入った店にアプリ内から電話かメールで予約の申し込みをすると、1食分の寄付となる。また、サイト内から利用できるクーポンを閲覧することも可能だ。

飲食店側は初期費用や月額固定の掲載費用は掛からない。1名の予約につき広告料として180円を支払う仕組みとなっており、その金額の中から1人分の給食費が送られる。例えば予約100人の場合、広告料は18000円。飲食店としては金銭面の負担が少なく、客側としては気軽にチャリティに参加できるというのがメリットだろう。現在掲載されている飲食店は、全国で1万店舗を超えているとのこと。アクティブユーザー数も徐々に伸びているようで、チェックしたい媒体のひとつと言えるだろう。

・料金形態…1人の予約につき広告料180円
掲載についての問い合わせ先

インバウンド集客の強化が見込める「SAVOR JAPAN」

「SAVOR JAPAN」のキャプチャ

株式会社 USENが運営する料理人の顔の見えるグルメサイト「ヒトサラ」が、2015年にリリースした訪日外国人に特化したグルメサイト「SAVOR JAPAN」。4か国語(英語・中国語・台湾語・韓国語)に対応し、日本の食に関するマナーや文化を訴求している。

飲食店の情報を単に英語表記で紹介することではなく、ヒトサラがこだわりをもって紹介している「料理人名鑑」ページの一部を訪日外国人向けに再編・翻訳。Wi-Fiスポットや英語メニューの有無、料理に対する個別リクエストの受付(ハラールやベジタリアンなど)などを検索機能につけている。インバウンド集客の強化が見込めること以外にも、外国語での問い合わせへの対応、予約対応を行ってくれるのも嬉しい。

掲載料金については一見高めの設定に感じるかもしれないが、「ヒトサラ」の店舗ページをもとにした翻訳料金/ページ制作料金/サイト運営費用がこの料金に含まれているとのこと。しっかりとした作りのサイトで、かつ手厚いサポートを受けられるので、金額以上の恩恵が得られるかもしれない。英語向けのサイトを持っていない飲食店にとっても、メリットは大きいのではないだろうか。

・料金形態…英語版 初期費用:30,000円、月額費用:5,000円/アジア版 初期費用:90,000円、月額費用:5,000円
掲載についての問い合わせ先

インスタグラムと連動したグルメアプリ「Quippy」

「Quippy」のキャプチャ

株式会社Rich Tableが2016年から提供しているインスタグラム連動グルメアプリ「Quippy」。世界で最大規模の写真共有SNSであるインスタグラムの公式APIを用いて、自分の現在地を中心に、徒歩圏内の飲食店に紐付けられているインスタグラム内の写真投稿を即座に集める。気に入った飲食店の地図を見たり、問い合わせをすることが可能。写真ベースであるため、条件などを入力せずにすぐに検索することができる。また、店舗の説明を読まずとも、自分の趣味嗜好に合った飲食店を一目で探すことができることもユーザー側のメリットと捉えられるだろう。

筆者も試しに検索してみたところ、オシャレな目線で加工された写真がズラりと出てきた。食事の美味しさの約8割は視覚で決まるという説もあるが、インスタグラム独特の写真の美しさや親近感で、その飲食店にすぐにアクセスしたい気持ちにさせられた。

ペコッターと同様、システム上、飲食店側の登録、登録料などはない模様。ユーザーの撮る写真やマッチンング次第ではあるが、宣伝効果を得られるのではないだろうか。

禁煙飲食店を網羅的に紹介する「禁煙スタイル」

「禁煙スタイル」のキャプチャ

EJプランニング株式会社が2005年から提供している「禁煙スタイル」は、禁煙空間で食事やお酒が楽しめる飲食店を探せる“口コミ参加型”グルメ情報サイト。

現在、受動喫煙防止策を罰則付きに強化する健康増進法改正案がどう進むのかが飲食店としては気になるところだが、「禁煙スタイル」では禁煙営業へのポリシーを持っている禁煙飲食店を積極的にPR。喫煙者・非喫煙者を問わずタバコの煙が苦手な人、料理や飲み物の味と香りを楽しみたい人のために役立つサイトとなっている。

2017年4月30日時点での登録飲食店数は47,705件。老舗サイトではあるが、更新の手は止まっておらず最新の情報が掲載されている。また、経営者からの情報掲載も可能。オーナー・関係者は「禁煙飲食店オーナーの会」への入会することで、無料で自らの飲食店をアピールすることができる。禁煙を推進している飲食店はチェックしてみるといいだろう。

・料金形態…無料
・掲載するには「禁煙飲食店オーナーの会」への登録が必要

今回の記事ではユニークなグルメ検索アプリ、Webサービスを5つ紹介したが、いかがだっただろうか。上記以外にも、多種多様なサービスが日進月歩で登場している。登録の経費や手間が気になる場合もあるだろうが、自店舗の趣向に合った媒体を見つけることで、より多くの集客が見込める可能性は高い。ぜひチェックしていただきたい。

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逆井マリ

ライター: 逆井マリ

フリーライター。音楽、アニメ、ゲーム、グルメ、カルチャー媒体などに取材記事を執筆。現在の仕事に就く前に、創作居酒屋、イタリアン料理店での業務経験あり。写真は大好きなアイスランドで撮影したもの。