『一蘭』が値上げ、ラーメン一杯890円に。今年度は飲食企業の約30%が値上げを計画中
飲食企業のメニュー価格の引き上げが相次いでいる。これは日本経済新聞社が行った「2016年度飲食業調査」によって明らかになったもので、同調査によると、2017年度中に価格の引き上げを計画している飲食企業は約3割にのぼるという。
大きな原因となっているのは人件費の上昇だ。深刻な人手不足により、2016年度は約9割の飲食企業が時給の引き上げを実施。そこに追い打ちをかけるように、小麦や米、肉などの食材価格も上昇。やむを得ず値上げに踏み切る飲食企業が後を絶たないようだ。
あの人気ラーメン店も値上げへ
豚骨ラーメン専門店の『一蘭』は、4月末から大都市にある19店舗でラーメンの価格を100円値上げした。その結果、790円であった「とんこつラーメン」は890円に。ラーメンファンからも、この値上げは大きな話題となっている。
『一蘭』といえば、替玉プレートをテーブルのボタン上に乗せるだけで替玉注文ができる「替玉注文システム」が好評を博している。その替玉の価格は現在190円。つまり替玉を注文するだけで、1回あたりの食事代が1,000円を超える。「小売物価統計調査年報」によると、東京都の「中華そば」の小売価格は一杯平均565円。いかに美味いと評判の『一蘭』であっても、平均価格と比べると高すぎる感は否めない。『一蘭』は価格変更に際して、小麦などの原材料の高騰、そして人件費・賃料の上昇の影響によるものと説明をしている。
価格が高騰している食材は、なにも小麦、米、肉の3種だけではない。乳製品、食用油、カツオ節なども値上げが実施されており、すでに影響を受けている飲食店も多いことだろう。また人件費に関しても、人手不足の状況が改善しない限り費用の上昇を抑えることはなかなか難しい。メニュー価格引き上げの動きは、今後も盛んになっていくことが予想される。