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飲食店経営者の約8割が「食べログの口コミを気にする」。184店舗にアンケート調査を実施

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Photo by iStock.com/Antonio_Diaz

飲食店経営者にアンケートを実施している「飲食店リサーチ」。今回テーマとしたのは、店の評判を左右する「口コミ」。

ご存じの通り、グルメサイトなどに掲載されている口コミ情報は、客が店を決める上で重要な役割を担っている。MMD研究所が2015年に実施した「グルメサイト・アプリに関する利用実態調査」によると、口コミを参考に店選びをしている人は全体の約7割(頻繁にある11.7%、時々ある57.8%)。口コミが「飲食店の集客」にいかに影響しているのかがよくわかる数字だ。

では、飲食店側は口コミに対してどのような考えを持っているのだろうか。詳しく回答を見ていこう。

■調査概要
調査対象:飲食店.COM会員(飲食店経営者・運営者)
回答数:184名
調査期間:2017年6月19日~2017年6月25日
調査方法:インターネット調査
アンケート結果はこちら

口コミチェックは「月に1回以上」が78%

まず尋ねたのが、自店舗の口コミを知りたいかどうかという質問。Web上にある自店舗への口コミを「知りたい」と回答した人は84.2%、一方で「知りたくない」は15.8%。ほとんどの飲食店が客の口コミを意識していることがわかる。

口コミを調査する頻度については、4割を超える人が「月に1回(43%)」と回答。次いで「週に1回(21%)」、「毎日(14%)」と続き、「調べない」と回答した人は22%であった。

約8割の経営者が「食べログ」を使って口コミを調査

口コミを調べる際に利用している媒体についても質問(複数回答有)した。最も回答が多かったのは、「食べログ(78.8%)」。次いで、「Facebook(33.7%)」「Retty(28.8%)」「Instagram(23.9%)」「Twitter(20.1%)」と続く。また、少数ではあるが、「ブログ(8.2%)」、「2ちゃんねる(2.2%)」という回答も見られた。

やはり口コミに関しては「食べログ」が圧倒的な存在感を見せる。FacebookやInstagram、TwitterといったSNSを口コミ調査に利用しているのは、現代ならではの傾向と言えだろう。

また、今回のアンケートでは、多くの人が複数の媒体を使って調査していることもわかった。ひとつの媒体だけを利用しているという人よりも、「食べログ+Facebook」といったように複数の媒体を組み合わせて利用している人が多い。飲食店経営者の多くは、様々な媒体から情報を得ようとしているようだ。

「エゴサーチ」で自分のお店の口コミを探す

では、口コミを確認している飲食店経営者たちはどのようにして口コミの調査をしているのだろう。アンケートの回答とともに見ていこう。

「検索エンジンで店舗名を検索して引っかかったものを見る」
「インターネットでエゴサーチ」
「自分の店が載っているサイトにアクセスして調べる」

最も目立ったのが、検索エンジンなどを使って自店舗の店名を入力する「エゴサーチ」という回答。加えてTwitterやInstagram といったSNS上で、店名を検索することで口コミを調べている店も多く見受けられた。また食べログやトリップアドバイザーなどの口コミサイトで自店舗の評判を見ているという声も多かった。トリップアドバイザーなどは、口コミがあった際に通知が受け取れるようになっているので、こういった機能を活用することで、より効率的に口コミが把握できるだろう。

Photo by iStock.com/beer5020

必要な口コミを見極める力が大切

最後に口コミへの対処法、口コミを参考にした店舗改善など、口コミに関する取り込みについて尋ねたので紹介をしたい。

「Facebookの口コミを確認した時点で返信コメントを必ず入れます。また会議のネタとしても活用しています」
「良い意見も、悪い意見も真摯に受け止め、返信できるものはなるべく全件返信するようにしている」

アンケートの中には、口コミへの返信を積極的にしているという店舗も見られた。ここで気を付けたいのが、お店を褒める内容にだけ返信をしないということだ。マイナス面が提示されている口コミにこそしっかりと返信することで、悪い部分を改善しようと取り組んでいる姿を客側にアピールすることでき、イメージアップにも繋がる。

「いい口コミは担当したスタッフに伝えモチベーションアップに繋げ、悪い内容の口コミは必要であればスタッフ全員で共有し再発防止に努めています」

改善点を指摘する口コミを参考にするというのはよく聞く話だが、こちらの店舗では、良い口コミも利用している。良い口コミは、スタッフのやる気に繋がるので、積極的に活用をしていきたいものだ。

「店舗の口コミに関しては、同様の意見が多いもののみ参考にしています。サンプル数が少ない場合、そもそもターゲット層ではなかったり、利用動機やシーンが特殊なものだったりする場合が多く、その口コミを真に受けていちいち設計を変えていくと、お店としての軸がぶれていくと考えるからです。スタッフ含め必要以上に気にせず、店舗改善に活かせるものに関しては真摯に受け止めるようにしております」

口コミがお店を改善するのに役立つとはいえ、全ての意見を鵜呑みにするというのは避けるべきだろう。もちろん、改善に役立つ口コミは利用すべきだが、なかにはお店のコンセプトとずれた意見などもある。口コミを参考にして店舗改善に取り組むときは、お店にとって良い意見かどうかを見極める力も必要になってくる。

今回の調査では、各店舗の口コミ調査方法や取り組みについて紹介した。口コミは上手に利用すれば、店の売り上げアップに繋がる有用な情報のひとつである。店のために本当に必要な口コミはどれかということを見極め、効果的に利用してほしい。

「飲食店リサーチ」について
飲食店リサーチ」では、飲食店を経営する皆さまに、店舗運営に関する様々なアンケートを行っています。 アンケート結果は、飲食店の皆さまに店舗経営のヒントとして活用していただけるよう、レポート記事として公開されたり、 皆さまが利用する業務用商品やサービスなどの開発に役立つデータとなります。

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サトウカオル

ライター: サトウカオル

グルメ、ライフスタイル、ITとさまざまなジャンルの執筆を経験。現在は、ポップカルチャー系のウェブサイトでグルメ関連の記事を執筆中。趣味は、料理とネットサーフィン。ネットで気になった料理を自分流にアレンジして食べるのが最近のマイブーム。