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飲食店の予約キャンセル対策。ドタキャン客の電話番号をブラックリスト化したサービスも

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Photo by iStock.com/BrianAJackson

飲食店の悩みのタネのひとつである、予約のドタキャン問題。特に一人あたりの単価が高い店や団体で予約を受けた店にとっては、そのダメージは大きなもの。それなのに店としてできる自衛策といえば、キャンセルポリシーの案内や予約日の数日前に確認の電話連絡を入れることくらい。実際にドタキャンにあってしまっても、訴えることもできず泣き寝入りするしかないのが実情だ。

共有するブラックリスト。その実用性は?

そんななか、今話題を集めているのが「予約キャンセルデータベース」というサイト。突然のドタキャンや無断キャンセルをした予約客の電話番号を登録でき、そして手元にある電話番号が登録されているかどうかを検索することができる。検索をかけたとき、複数のお店から登録された電話番号なら、過去に問題のあるキャンセルをした回数が多いということだ。これはいわば複数のお店で共有するブラックリスト。しかしデータベースに登録できるのは、電話番号のみで、番号の持ち主を特定するような個人情報は登録されない。

「予約キャンセルデータベース」トップページのキャプチャ画像

実際に予約キャンセルデータベースの実用性を考えてみよう。電話番号がこのサイトに登録されているかどうかを調べるとなると、1件ずつ検索をかけないといけないため手間がかかる。そのため特に繁忙期などは、すべての予約客について調べるのは難しいだろう。一方で無断キャンセルをされたときのダメージが大きい団体の予約など、対象を絞って事前にチェックを入れてみるのは有効だと考えられる。予約キャンセルデータベースに登録されている番号からの予約であれば、予約された数日前から確認の電話を入れるなど連絡を取り、またキャンセル料金についても説明を入れるなど、特別な対策が取りやすくなる。あまりに登録数が多い番号は、予約を受けないという自衛策も取れるだろう。

個人情報保護の観点からはグレーゾーン

予約キャンセルデータベースは、サービス利用者が増え、ドタキャン客の電話番号が網羅的に登録されるようになれば飲食店にとって有用なサービスとなり得る。しかし一方で、電話番号の登録が個人情報保護法違反や名誉棄損につながるのではないかという声もある。現状、電話番号だけでは個人を特定できる情報には当たらず問題ないとされるが、顧客の電話番号の扱いについては当然慎重さが求められる。サイト運営者は「法律上は問題ない」としているものの、サービスの利用についてはよく検討する必要がありそうだ。

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戸田千文

ライター: 戸田千文

広島・東京を中心に活動するフリーランスの編集・ライター。これまでにグルメ冊子や観光ガイドブック、町おこし情報誌などの編集・執筆を担当。地方の魅力を首都圏に発信する仕事をするのが夢。おいしい地酒を求め、常にアンテナを張り巡らせ中。