飲食店を開業する際の売上計画の立て方。物件賃料は売上の7～10％が理想！
2017年8月7日
Photo by iStock.com／superjoseph
先日、飲食店.COMはサイト上に登録された飲食店舗物件の「駅別賃料相場ランキング」と「造作譲渡額の動向」を発表しました。2017年4月～6月の首都圏エリアにおける駅別賃料相場ランキング上位は、1位日比谷、2位原宿、3位有楽町という結果に。全体的に賃料相場は上昇傾向にあり、特に新宿西口は前回の21位から大幅に順位と賃料相場を上げています。
■2017年4月～2017年6月の駅別賃料相場ランキング
1位 日比谷 35,860円 ［↑圏外 －（－%）］
2位 原宿 34,523円 ［↑7位 +4,839円（+16.3%）］
3位 有楽町 34,025円 ［→3位 +1,903円（+5.9%）］
4位 明治神宮前 33,380円 ［→4位 +2,177円（+7.0％）］
5位 新宿西口 31,645円 ［↑21位 ＋5,058円（＋19.0%）］
6位 東銀座 31,321円 ［↑19位 ＋4,217円（＋15.6%）］
7位 銀座 31,148円 ［↓5位 +260円（+0.8%）］
8位 表参道 31,066円 ［↓7位 ＋401円（＋1.3%）］
9位 外苑前 30,820円 ［↑37位 ＋3,671（＋25.5%）］
10位 田町 30,427円 ［↑12位 ＋2,091（＋7.3%）］
※［］内の数値は前期の順位と増減額（増加率）
「物件賃料」と「売上」の関係性
上記データを見る限り、都心の店舗物件の賃料相場は相変わらず高いまま。新規出店者にとって、都心で飲食店をオープンするにはかなりのリスクが伴うのが実状です。都心で飲食店経営を成功させるためには、高い賃料にも耐えうる売上を作る必要があると言えます。毎月の賃料を安心して払い続けるために、まずは売上目標を設定して達成しなければいけません。一般的に賃料や共益費は、売上全体の7～10％以下に押さえるのが理想だと言われています。つまり現在の賃料の約10～14倍が店舗の適正売上となります。
比較的小さな店舗では売上に占める賃料は7％前後が理想で、家賃が50万円ほどの比較的大きな店舗であれば、目安となる家賃比率は10％程度がベストだと考えられているようです。
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低調・通常・好調の3パターンの売上を想定しておく
賃料に対する売上目標を設定する際に注意したいのが、飲食店の売上には波があることを忘れてはいけないということ。時間帯や曜日によって売上が変わるのはもちろん、季節要因や周辺のライバル店の動向、ブームの有無等で売上が変動する可能性があります。おすすめの方法は、「低調時売上」「通常時売上」「好調時売上」の3パターンの売上を想定して、低調時売上でも資金繰りができる計画を立てておくこと。
低調時売上は開業直後や売上が思うようにあがらない時期の数字、通常時売上は通常営業をしていれば間違いなくクリアできるであろう現実的な数字、そして好調時売上は「売上目標」のようなニュアンスで高めの数字に設定しておくと良いでしょう。
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店舗の座席数や客単価なども視野に入れて計算を
さらに正確に売上を設定しておきたいなら、店舗の座席数や客単価なども考慮して、以下のような計算式で算出することもできます。売上＝席数×満席率×客席稼働回数×客単価
席数は店舗内に存在する座席の数、満席率は満席時にどれだけ席が埋まっているのかを表す数値です。例えば店内に全部で30席あっても、実際には4名テーブルに2名が座っているなどの関係で、15席しか埋まらなければ満席率は50％となります。
客席稼働回数は「店舗営業時間÷平均滞留時間」で算出。客単価は店舗のあるエリアや客層、店のテイスト等によって異なります。まずメニューを作ってみて、メインターゲットとなりそうな客層を想定して、合計金額をシミュレーションしてみましょう。
さて今回は飲食店を出店する際の売上計画の立て方についてご紹介しました。都心の店舗物件は依然として賃料が高い傾向にあります。出店を検討する場合は、賃料の高さを考慮しつつ、しっかりとした計画を練りたいものですね。
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