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あの食材も新鮮なまま手に入る!? 食材輸送の最新技術に注目!

食材の冷凍や保存技術、また輸送手段の発展はまさに日進月歩。おかげで、かつては手に入らなかった遠隔地の生鮮食材をレストランで提供できるようになりました。プロ用の食材カタログを開いてみても、世界中のありとあらゆる食材が並んでいます。こういった食材は、どのような技術に支えられて、私たちの手に届くのでしょうか。今回は、輸送技術の歩みと最新の輸送技術についてご紹介します。

Photo by iStock.com/Lcc54613

食材輸送の歩み

第二次世界大戦後、海外から食に関する様々な技術が、相次いで日本に到来。その中には、食材を輸送しやすくするため、食材自体に加工を施す技術が数多くありました。1965年には低温での流通システム「コールドチェーン」が政府主導で導入を開始。これにより、青果物を予冷し、遠くまで輸送することが可能となりました。

1980年代には海上輸送における冷凍・チルド技術が発展し、畜肉や青果を船で輸入することも増えました。当時はコンテナなどのハード面だけではなく、食品の劣化を防止する加工・冷凍技術、それに使われる無菌包装資材など様々な技術が登場。現在の優れた輸送技術の基盤が、この時期には既に出来上がっていたと言えます。また同時期、冷凍食品市場も大きく拡大したため、国内での輸送体制はさらなる発展を見せました。

2000年代に入ると、「孤食」世帯が増えるにつれ、スーパーやコンビニで売られる惣菜が大幅に増加。これに対応できるよう、よりキメの細やかな温湿度設定ができるコンテナや倉庫が急ピッチで開発されました。

現代の主な食材輸送手段

現在、食材の輸送に主に使われているのはトラックです。先にも述べた通り「コールドチェーン」システムが大きく発展したため、トラックで食材を新鮮なまま遠隔地に運ぶことが可能になりました。中継地等で食材を保管する際に使われる「低温倉庫」も広く導入されています。

また、かつてより空路を使った食材輸送も行われてきました。メリットは、陸路輸送よりもスピーディーであること。高額なコストを売価で吸収できるような、高級食材の輸送に向いています。

海上輸送については、陸路と同じく、冷蔵・冷凍コンテナの技術発展に支えられてきました。コンテナの種類も、リーファー・コンテナ、寒温冷蔵コンテナ、除湿コンテナなど様々な種類が登場。現在、世界で稼働している舶用冷凍・冷蔵コンテナは、約150万台に迫り、2008年時点の約2倍に膨れ上がっています。

最新の輸送技術

ここで、近年開発・導入されている最新の技術をご紹介していきます。

1、活きたままのイカが届く! 「活きてるまんま」
佐賀県唐津の名産品、呼子のイカ。新鮮さを売りにするケンサキイカの活け造りを求め、日本全国から観光客が押し寄せます。イカという食材は、鮮度が命。釣り上げた直後は向こう側が透けて見えるくらい透明ですが、温度の変化に弱く、どんどんと鮮度が落ちてしまうほどデリケート。そのため鮮度抜群の活け造りを提供するには、釣り船が飲食店の所有する「海上生け簀(いけす)」にイカを納品し、お客様に提供する直前まで海の中に入れておく必要がありました。

しかし最近、このケンサキイカを、生きた状態のまま全国各地に輸送するという画期的な方法が実現。「活きてるまんま」と名付けられたこの商品は、ケンサキイカを袋詰めにし、人工海水と酸素を入れて密封することにより、イカを24時間も生かすことに成功。呼子でしか食べられなかった新鮮な活け造りを、全国の飲食店で提供することを可能にしました。

2、空路より安く低温輸送ができる? 「氷感SO庫」
これまでコールドチェーンには主にトラックや空路が使われ、鉄道は常温輸送が主でしたが、その常識を覆す画期的なコンテナ「氷感SO庫」が登場。冷凍機と電気技術により、生鮮食品などの鮮度を長時間維持することができるコンテナです。実用化に向けた実験では痛みやすい野菜の代表「アスパラガス」を北海道から東京まで運ぶことに見事成功しました。

温度は細かく設定可能で、マイナス10度から摂氏10度まで対応。北海道から九州まで、一貫して鉄道輸送が可能なため、空路に比べてコストや手間の面でメリットがあると言われています。利用希望者は1日単位などでコンテナを借りられるので、複数業者で混載するなど、様々なニーズの掘り起こしができそうです。

3、作りたて品質を常に提供! 「CAS冷凍」
急速冷凍技術の発展はめざましい限りですが、生の魚介を多く扱う日本のフード業界において、大きく注目されているのが「CAS冷凍」です。「CAS」とは、「Cells・Alive・System」の略。水分子をコントロールし、限りなく生に近い状態で冷凍・解凍することが可能。お刺身のキメや食感まで再現することのできる、画期的な冷凍方法として、話題を呼んでいます。従来の冷凍では鮮度劣化の早かった「マグロ」や「サンマ」も、品質を維持したまま、必要な時に必要な分だけ提供できるため、飲食店は積極的に取り入れたいですね。

いかがでしょうか。日頃使っている食材が、素晴らしい技術により支えられていることがお分かりいただけたかと思います。今後もさらなる技術革新により、仕入れられる食材の幅は広がるはず。これまで鮮度の問題で仕入れられなかった食材も、すべて手に入る時代がいつかくるかもしれません。

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