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飲食店を開業する際に必要な保健所・消防署の検査。具体的には何を行うの?

Photo by iStock.com/Wavebreakmedia
飲食店の開業には、保健所や消防署から営業許可を得る必要がありますが、開業後もまた、こうした行政機関からのチェック・検査を受けることがあります。ここでは飲食店に対して行われる行政チェック・検査の種類を詳しくご紹介。いつチェックが行われてもいいように、対応策をしっかりと頭に入れておきましょう。

オープン前にある検査 -保健所編-

飲食店の開業にあたり、必ず必要となる保健所のチェック。食べ物を提供するために必要な、最低限の衛生環境・清潔さを確認するための検査です。主な検査項目や、流れは次の通りです。

■主な検査項目
・2槽シンクが設置してあるか
・従業員用とお客様用の手洗いがそれぞれ設置してあるか
・調理場と客席がドアなどで区切られているか
・冷蔵庫に温度計が設置してあるか
・戸のついた食器棚があるか
・調理場の床は防水性のある材質か
・給湯器があるか

■検査までの流れ
保健所からの営業許可を得るための検査は、主に次のような流れで行われます。
1.保健所への書類提出
2.保健所職員の現地調査
3.営業許可証の交付

書類を提出してから現地調査までの期間は長いと1週間以上かかることも。再検査になれば開店予定日にも影響しますから、早めに調査を受けられるよう対策を練りましょう。

■必要な準備
開店前の保健所検査をスムーズに通すためには、内装作りの段階からしっかりと検査を考えた計画を立てることが大切です。当サイトが店舗デザイナーを対象に行ったアンケート調査では、プロの意見として以下のようなコメントがあがっていました。

「後から指摘を受けると、場合によってはオープン日に許可が間に合わないなどの問題が起こる可能性もあります。そんな問題を防ぐためにも、平面プランが決まったら事前に保健所へ協議に行くコトをお薦めします」(岩本勝也+エンバディデザイン・藤岡和真氏)

「細かい指摘事項は、営業される地域の保健所に事前相談するのが確実だと思います」(株式会社プロット・佐藤つばさ氏)

保健所の検査は、対応してくれる職員・地域ごとに細かい部分が異なるため、A市では大丈夫だったのにB市では通らないということもじつはよくあること。図面段階から、事前に保健所に相談・確認をしておくとスムーズです。

オープン前にある検査 -消防署編-

飲食店の開業には、保健所以外に消防署からも検査を受ける必要があります。まずは概要を見ていきましょう。

■主な検査項目
飲食店では、消防設備として次の設備があるかどうかがチェックされます。
・消火設備
・警報設備
・避難設備
・消防活動用設備

また、消防署に開業を申し出る際には防火管理者の選任や消防計画、テナントに入るビル全体の共同防火管理届け出などが必要になります。

■検査までの流れ
消防署に防火対象設備使用開始届を提出し、検査が実施されます。

■必要な準備
消防署の検査では、避難経路や避難口が確保されているかどうかも大切なポイントになります。大幅なレイアウト変更などにならないように、設計段階から消防の条件がクリアできているかをしっかりとチェックしておきましょう。

Photo by iStock.com/RossHelen

オープン後にある検査 -保健所編-

行政によるチェックは、開業後も行われることがあります。

■一斉監視事業
保健所では定期的に衛生環境をチェックするための「一斉監視事業」を実施しています。時期としては食中毒が発生しやすい夏などに実施されることが多いです。届け出時にクリアしていた条件をキープできていればそれほど心配する必要はありません。

■臨時検査
飲食店で特に注意したいのが、保健所が行う臨時検査です。食中毒などの事故が発生した場合はもちろんのこと、近隣住民や客からのクレームなども臨時検査が行われるきっかけになり得ます。臨時検査は抜き打ちで行われることも大いにありえるので、調理場などの改装を勝手に行わないようにしておきましょう。

オープン後にある検査 -消防署編-

消防署検査では、防災にまつわる設備が適切に維持できているかを確認します。主に次のような検査があります。

■6ヶ月に1回の「機器点検」
消防用のスプリンクラーなどの設備がきちんと電源に繋がれ動作する環境なのか、消防設備が適切な位置にあるかどうかをチェックするのが「機器点検」です。消防設備士または消防設備点検資格者がチェックして、その内容を消防署に提出する必要があります。消防設備点検資格者などは飲食店経営者でも取得できます。

■1年に1回「総合点検」
消防設備の総合点検は、実際に設備を動かしてきちんと作動するかどうかを確認するものです。

さて、今回は飲食店の開業・運営にまつわる行政検査について紹介しました。店舗内装を手掛ける設計事務所やデザイナーなら、地域の保健所の事情もよく知っているもの。開業後の検査で困らないように、注意を払うべきポイントを教えてもらいながら、万全の体制で開業に臨みたいものですね。

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