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外食産業を席巻するグローバルダイニング卒業生が集結。「FOODIT TOKYO 2017」で“GD魂”語る

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グローバルダイニングの卒業生である3名の経営者が集った

9月21日、東京ミッドタウン・ホール(東京都港区六本木)で外食の未来を考えるカンファレンス「FOODIT TOKYO 2017」が開催され、「グローバルダイニング卒業生たちの奇跡」と題した座談会を実施。外食産業に多くの人材を輩出している株式会社グローバルダイニング(本社:東京都港区、代表取締役社長:長谷川耕造)のOBで現在、独立して飲食企業を営む3人の社長が集結し、“母校”で培った魂、ノウハウなどを大いに語った。

最も重視するのは「売り上げ」、土台がないと残らない

座談会に参加したのは以下の3人の社長。いずれも繁盛店を運営し、今、伸び盛りの会社の経営者ばかりである。

株式会社Big Belly 大林芳彰氏(グローバルダイニング在籍:1999年-2011年)
株式会社プレジャーカンパニー 望月大輔氏(2000年-2010年)
株式会社ジリオン 吉田裕司氏(1999年から3年半か4年)
※在籍年、年数は当人の話より

まず、進行役の川端 隆氏(株式会社外食産業新聞社 代表取締役)がグローバルダイニングの卒業生たちが概して数字に強いことに触れ、それぞれの社長に経営上、重視する数字は何かを聞いた。

「売り上げを一番重視している。土台がないと、人件費や原価を精査しても残る金額が少ないので」(望月氏)
「グローバルダイニングで働いた人はみんな、分母、つまり売り上げを重視している」(大林氏)

飲食店の経営は様々な数値に目を配る必要があるが、最も大切な指標は売り上げであるという考えで両者は共通している。吉田氏も基本的には同じ。「ベースの考え方は(前の2人と)一緒。ただ、顧客満足度を点数化して定点観測すること、従業員が店に対してロイヤリティー(忠誠心)を持って働いているかという、この2つの軸を売り上げ以外で見ている。長期的に見ると、一時的に売り上げが上がっただけでは意味がないから」。その上で「顧客の再来店比率、新規の客がどの程度の確率で顧客化するなどのデータをとっている」と付け加えた。

株式会社ジリオン 吉田裕司氏

「メンタルが強い人ばかり」(望月氏)、「プロの飲食人の集団」(吉田氏)

続いてグローバルダイニングの厳しさと、それによってもたらされたものについて語ってもらった。大林氏は「僕はご飯の炊き方も分からなくて、水の量を間違えたり火が点いてなかったりなんてことがあった。そういったことを毎日の朝礼で言われるのが、メンタル的に辛かった。当初はそれで相当、痩せた。ただ、昨日の失敗を今日繰り返すなというのを日々やっていたので、それが現在につながっているとは思う」と振り返った。

望月氏も「今は長谷川社長も大分、優しくなったと聞いているが、僕らがいた頃は精神力が強くないとやれなかった。グローバルダイニングを卒業して成功しているのはメンタルが強い人ばかり。そういう人でなければ生き残れなかった」と厳しさを強調する。

望月氏の話を受け、吉田氏は単純に上からの締め付けが厳しいということではなく、従業員間に甘えを許さないムードのようなものがあったことを特徴として挙げた。「当時のコンセプトはイケてるか、イケてないか。アルバイトを含めてイケてるスタッフが多かった。プロの飲食人の集団で、会社が求めているミッションのようなものを実現できないと、アルバイトでもその場にいられなかった。それで辞めていくのは負けた人だという思いで接していた。僕たちは会社に何かをもらうのではなくて、すごくイケてる店を作りたい、イケてるサービスをしたいという思いで働いていた。自分たちが何かを作るということにコミットした人の集団だったと思う。だからこそ独立しても続けていける。それを教えてくれたのが、グローバルダイニング」。

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松田 隆

ライター: 松田 隆

青山学院大学大学院法務研究科卒業。ジャーナリスト。スポーツ新聞社に29年余在籍後にフリーランスに。「GPS捜査に関する最高裁大法廷判決の影響」、「台東区のハラール認証取得支援と政教分離問題」等(弁護士ドットコム)のほか、月刊『Voice』(PHP研究所)など雑誌媒体でも執筆。ニュース&オピニオンサイト「令和電子瓦版」を主宰:https://reiwa-kawaraban.com/