「未就学児を入店禁止にしたい」の声に賛否。問われるのは店の寛容さか、それとも親のモラルか！？
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注文しない未就学児入店禁止、その是非
2017年8月28日、Q＆Aサイト「発言小町」に「注文しない未就学児を入店禁止にしたい」と題した投稿が載り、ネットユーザーを中心に話題を呼んだ。
今回の騒動について改めて説明すると、投稿主は40歳の女性で、ターミナル駅近くの繁華街で飲食店を経営。単身者を中心に「リーズナブルで美味しい」と評判の店のようだ。しかし、ここ数年は周辺に大きなマンションが増えたことで家族連れが増加。「多少迷惑だと思うようになりました」と、以下の不満を漏らした。
・通路も人が（やっと）通れるくらいの狭い店なのに、ベビーカーを広げたまま入る客が多い。荷物しか積んでいないベビーカーを通路に勝手に置いて席に座る。畳むようにお願いしたら、すごい顔でにらまれる。
・大人1人、子供2人で来店。4人がけのテーブル席に座って、注文は大人一人分だけ。子供用の取り皿を2つ当然のように要求。うちはそんな用意をしていないので、茶碗を出したら、にらまれる。
・家族４人で来店。子供は小学生くらいなのに、セットメニュー2人分だけ注文。
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飲食店のホンネも真っ二つに。「業態や方針によるのでは」
投稿者は、未就学児の入店、ベビーカーでの入店を禁止することを検討していると明かし、「子連れには向かない店が子連れの入店をお断りしたら、そんなに不快でしょうか？」と質問を結んだところ、賛否両論の白熱した意見が飛び交った。店主に同情するコメントも数多く寄せられていたが、実際、今回の件について飲食店で働く方はどう感じているのだろう？ 東京都渋谷区でハンバーガー店を営むAさんに尋ねてみたところ「この話題がそんなに騒動になっていたとは」と目を丸くする。
「うちに来店するお子様連れの方は、常識のある方たちが多いです。お子様連れで来ていただけるのはむしろ嬉しいですけどね。ベビーカーは基本お客様が畳んでくれていますが、店内が混雑していない場合や赤ちゃんが寝てしまっている時などは『そのまま席につけていいですよ』とお声がけしています。フードに関してはお子様1人だと食べきれないこともありますし、ご要望に応じて1個分をカットして出しています。ドリンクやサイドメニューを頼んでくれる方も多いのであまり気になりません。お子様連れの方を迷惑だと感じたことは一度もないですね」
もちろん、この問題は業態によって事情が変わってくる点も見逃せない。その点については、以下のように話してくれた。
「業態や方針によると思いますが、うちはハンバーガー店なので老若男女が食べる食事を提供している店で“お客さんを選ぶ”っていうのは、何か違うような気がしますね。そこまで気になるのであれば『混雑時はベビーカーの入店はご配慮お願いします』みたいなことを書いておけばいいんじゃないかなと思います」
一方、東京都新宿区のレストランで働くBさんは「親のモラルの問題も大きいのでは」と投稿主に同情する。
「お子様連れで来ていただくのは構わないのですが、非常識な態度を取られると困りますね。例えば、ベビーカーで来て申し訳なさそうにしていたらこちらも親切にしたくなりますが、混雑時に『ベビーカーのスペースを空けて！』と大きな態度を取られたら“なんなんだ？”ってなってしまいますし……。なかにはお子さんを放っておかれる方もいらっしゃいますが、料理を運んでいるスタッフにぶつかってしまったら危ないので、絶対に目を離さないで欲しいです。
また、乳幼児以外はやはり1人1オーダーは絶対して欲しいです。個人的には“未就学児禁止”にまでしなくていいと思うし、未就学児入店禁止の張り紙をすると景観的にもイマイチかなと思ってしまいます。ただ個人店の人気カフェは、お子様を断っている店も多いですよ。それは忙しいときに離乳食などの対応ができないからだと私は思っています。難しい問題だとは思いますけど、結局は親のモラルの問題な気がしますね」
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アメリカで5歳児入店禁止にした高級レストラン。周囲の反応は？
未就学児の入店禁止問題については、何も日本に限ったことではなく海外でも定期的に議論されている。例えば米ノースカロライナ州ムーアズビルにあるイタリアンレストランで、今年1月から「5歳未満の子供はお断り」という新たなルールを発表したところ、批判はあったもののそれ以上に称賛の声があがり、予約が殺到するようになったそうだ。やはり子供連れの客の態度が問題となり、複数の客からクレームが相次いでいたという。
「入店禁止」とハッキリ申し立てることは経営側としては勇気のいることだが、外食の機会が多い筆者のママ友数人に聞いてみたところ「ルールを先に提示してくれたら分かりやすい」といった返事が大多数であった。Aさんの言う通り業態や方針によって意見は異なるだろうが、今回の投稿主と同じような悩みを抱えている経営者は、双方にとってストレスの少ない解決方法をまずは探ってみてはいかがだろうか。
