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繁盛店の内装は何が違う? 人気4店舗の事例から店舗デザインの極意を学ぶ

『falo』の店内。カウンターの中央には炭火台が鎮座する(Foodist Media 2016年11月の記事より)
飲食店の店舗デザインを検討する際、考えなくてはいけない部分は無数にあります。内装のコンセプト、客席のレイアウト、従業員の動線……。もちろんすべてを経営者一人で決めるわけではなく、デザイナーという心強い味方と一緒に検討を重ねていきますが、ときには意見が割れることだってあるでしょう。

店舗デザインを検討していく上で最も大切なのは最初のコンセプト決めです。店の核となる部分なので十分に時間をかけて検討する必要がありますが、初めての出店となると、何を検討すべきか迷いが生じることもあるでしょう。そこでここでは、人気店が出店の際に、何を思い、それをいかに店舗デザインに活かしたのかを『Foodist Media』の過去の取材店舗の中からご紹介していきます。
『L'AS』のオープンキッチン(Foodist Media 2016年11月の記事より)

効率化を意識した『L'AS』のオープンキッチン

青山のフレンチ店『L'AS』。数々の名店で修行を重ねてきた兼子大輔シェフが腕をふるう人気店ですが、この店の魅力といえば、5,000円で9~10品のコース料理が味わえてしまうところ。価格の安さを思わせない贅沢な料理の数々は、オープン以来、多くの美食家たちを虜にしてきました。

そんな『L'AS』の店内は、この5,000円のコース料理を実現すべく大変な効率化がされています。まず特筆すべきは潔いほどのオープンキッチン。厨房とホールを遮るものは何もなく、スタッフの行き来がとてもラクであると同時に、客側も調理をする臨場感をダイレクトに楽しむことができます。またテーブルにも工夫が施されており、客が使うカトラリーをテーブルの引き出しに収納し、客自らセッティングしてもらうことでスタッフの省力化を図っているのです。兼子シェフは『Foodist Media』の取材に対して、以下のようなコメントを残しています。

「まず、スタッフの動きを極力減らす努力をしています。店内をオープンキッチンにしているのはそのためで、キッチンからお客様の状況を常に把握できますから、“次の料理をお願いします”というスタッフ間のやり取りをなくすことができる。また、カトラリーを各テーブルに収納しているのも、セッティングの手間を減らすことを目的にしています。ホールスタッフがテーブルや厨房を行き来するのは、一回一回は大した手間ではないんですけど、仮に一晩で100名のお客様、そして9皿のコース料理を提供するとなると何百回と往復することになる。これを減らせば、ほかの部分に力を入れられると考えたんです」

スタッフの動きを抑えて、いかに効率的に運営するか……。その追及があの潔いほどのオープンキッチンにつながっているというわけですね。

『アガリコ餃子楼』の入口(Foodist Media2017年5月の記事より)

『アガリコ餃子楼』の“丸見え”戦略

続いては北千住の『アガリコ餃子楼』。坪面積わずか3.7坪ながら月商340万円をたたき出す繁盛店です。

『アガリコ餃子楼』の内装の特徴といえば、店の入口をフルオープンにしているところ。狭小店だから入りやすい店づくりにするのは当然ですが、『アガリコ餃子楼』の戦略はもう一段上にあります。店内は3.7坪ですから、10人ほど人が入ればあっという間に賑わいが出る広さ。この賑わいを店の前を通りかかった人に見せることで、「狭いけれどいつも賑わっている店」という印象を与えているのです。それは「いつか行ってみたい」という気持ちに繋がり、つまり賑わいの演出が新規客の獲得にも役立つという好循環を生んでいるのです。

『スプリングバレーブルワリー』の醸造設備(Foodist Media2015年7月の記事より)

『スプリングバレーブルワリー』の「体験」を与える店づくり

最近、飲食業界でよく言われているのが、お客様に「体験」を与えよう……ということ。食事を楽しんでいただくのと同時に、その店舗でしか味わえない「体験」を提供して店のファンになってもらう。いかにオリジナリティーあふれる「体験」を提供できるのかが、競争を勝ち抜くポイントとして語られることが多くなりました。

この「体験」を上手に表現しているのが代官山のクラフトビール専門店『スプリングバレーブルワリー』。今やクラフトビールを提供する飲食店は数多く存在しますが、同店のように店内で醸造し、しかもその様子を客に楽しんでいただく店舗は多くはありません。美味しいビールが味わえるのと同時に、それがどのように造られているのかも見学できる。その臨場感が『スプリングバレーブルワリー』の大きな魅力となっています。

もちろんこのような設備を店内に設けるには大変な資金が必要です。しかし、何か特別なメニューを“売り”に店づくりを行う場合は、こうした演出を店内に施すのも手です。たとえば代官山の『falo(ファロ)』は「炭火イタリアン」をテーマに店づくりを行い、その目玉として店の中央に炭火台を設置。調理の様子を客に楽しんでもらうことで、特別な「体験」を提供しています。

さて今回は人気の4店から、店舗デザインを検討する際のヒントを探りました。共通しているのはコンセプトを練り上げ、そして自店舗の武器を明確にして店づくりを行っていること。これから出店を考えている方はぜひ参考にしてみてください。

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