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堀江貴文氏の新著『グルメ多動力』が発売、ホリエモン流「飲食店成功の秘訣」を語る

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新著『グルメ多動力』が話題の堀江貴文氏。写真は「FOODIT TOKYO 2017」での講演の様子

実業家の堀江貴文氏(45)が2017年12月20日に新著『グルメ多動力』(ぴあ株式会社、本体1,300円)を出版した。2016年10月の『なんでお店が儲からないのかを僕が解決する』以来の飲食産業に関する書籍だ。前著から1年で外食産業を取り巻く状況も変化しており、今回の出版は最先端のグルメの総括と、未来への提言を綴るという位置付けがなされている。新著の紹介をするとともに、堀江氏の理論を考察する。

堀江貴文氏の新著『グルメ多動力』※筆者私物を撮影

1年で変わる飲食の世界、ドタキャンは「動けば対策ある」

堀江氏が著した飲食関係の書籍はこれまでに3冊あり、今回が4冊目。

・『ホリエモンの想定外のうまい店』(ライブドアパブリッシング/2005年7月)
・『ばかウマ』(小学館/2014年11月)
・『なんでお店が儲からないのかを僕が解決する』(ぴあ/2016年10月)

グルメの世界では知られた存在ではあっても、飲食業の店舗展開の経験はない堀江氏に対しては厳しい声があったのは事実。しかし和牛ディーラーの浜田寿人氏とユニット「WAGYUMAFIA」を結成し、和牛を世界へ広める活動をしているだけに、4冊目の今回はこれまで以上に飲食店の立場が考えられた内容となっている。この点、著書の冒頭でも「『WAGYUMAFIA』の活動が多くなってきたこともあって、より飲食の世界の厳しさや未来が見えるようになってきた」と記されていることからも明らかであろう。

さらに時代の先端を行く同氏らしく内容も「今」にこだわるものとなった。「最先端のグルメの総括」と(はじめに)で書かれているように、昨今の事情について堀江氏ならではの分析や提案が盛り込まれている。

第1章は「ドタキャン」「食べログ」「人材確保」問題という、ホットな話題の現在について語っている。

著書で真っ先に扱っているのが、飲食店にとって最も痛いと言ってもいい「ドタキャン」対策。『なんでお店が儲からないのかを僕が解決する』でも大きく扱われたが、本著でも最新の取り組みが紹介されている点に注目したい。「(ドタキャンを)ただ憂うのではなく、動けば対策がある時代に入っている」(同書)と積極的な解決に乗り出すことを推奨。小さな店ではSNSの活用で対策ができるという提案は興味深い。

食べログについては、2017年に週刊文春での報道に端を発した有名レビュアー「うどんが主食」氏の問題について言及。この点について堀江氏独自の見解で事件の影響などを論じている。

Photo by iStock.com/ymgerman

堀江氏分析の「インスタ映え」、2つの重要なキーワード

第2章では、2017年に流行語にもなった「インスタ映え」を中心に、SNSを活用したビジネスに触れている。「インスタ映え」については、その正確な定義をするとともに、それによって「客が無料の宣伝、拡散」をすること、そして飲食店サイドから見たブームの効果に話が及ぶ。こうした客サイドのブームをうまく飲食店経営に取り込むことを提案しているあたりが実業家の視点と言えるのかもしれない。そして「インスタ映え」について「断面」「オブジェクト化」という重要なキーワードを2つ挙げている。

第3章は「2017~18年、飲食を取り巻くモノ、ヒト、コト」と題して、ホットな話題を集めた。「予約ループ」「クラウドファンディング」「糖質制限」「クラフトジン」「モンゴル牛」「シーシャ」など。それぞれについて堀江氏の経験やそれに基づく見解が記されており、最新の動向を見極めるには参考になるだろう。

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松田 隆

ライター: 松田 隆

青山学院大学大学院法務研究科卒業。ジャーナリスト。スポーツ新聞社に29年余在籍後にフリーランスに。「GPS捜査に関する最高裁大法廷判決の影響」、「台東区のハラール認証取得支援と政教分離問題」等(弁護士ドットコム)のほか、月刊『Voice』(PHP研究所)など雑誌媒体でも執筆。ニュース&オピニオンサイト「令和電子瓦版」を主宰:https://reiwa-kawaraban.com/