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『吉野家』など外食各社の「食品ロス対策」加速。グルメサイトや地方自治体が協力するケースも

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Photo by iStock.com/kokkai

食べ残しや賞味期限切れを理由に食料が廃棄されることを意味する「食品ロス」。この食品ロスは世界的な課題とされており、国連が発表した「持続可能な開発のための2030アジェンダ(SDGs)」にも、食品ロスの削減が盛り込まれている。

この流れを受け、日本でも多くの企業が食品ロス削減に向けて取り組みをスタートさせている。ダイエーの親会社である「イオン」は、2025年までに2015年度比で食品廃棄物を半減することを目標に。また、兵庫県に本社を置くスーパーの「ヤマダストアー」は、今年、恵方巻の大量廃棄問題に一石を投じるチラシを発行。恵方巻の大量廃棄をなくすため、昨年実績での販売にとどめることを明言しSNSを中心に話題となった。

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外食大手に広まる「食品ロス削減」の取り組み

日本では食品ロスが年間621万トン発生している。そのうち、およそ5分の1にあたる120万トンが外食業界で廃棄されるもの。業界全体で食品ロスへの意識を高め、取り組まなければならない状態といえるなか、大手外食チェーンを中心にその動きが広がっている。

飲食店で初めてエコマーク認定を受けた『吉野家』は、牛丼などのごはんの量を見直したほか、規格外の肉を肥料へとリサイクルする取り組みを行っている。また、運営する7つの飲食店がエコマークの認定を受けている株式会社名鉄レストランは、規格外食材を扱うことで食品ロス削減につなげている。さらに同社の『恵那峡名鉄レストラン』では、地元の小学校へ残菜を提供。たい肥化の授業に活用してもらっているようだ。

地元自治体と飲食店が一緒になって食品ロスに取り組む例もある。最近では、グルメ情報サイト「ホットペッパー」と横浜市が共同で、食べきれない料理を持ち帰ることができる「シェアバッグ」を、市内の飲食店およそ100店舗に無料で配布することを発表。2月22日から実施される。

また過剰に作り過ぎた食品を無駄にしたくない店舗側と、安く食べたい一般ユーザーをWebでつなぐ「フードシェアリングサービス」も登場。食品ロスの削減をビジネス化した面白い取り組みだといえるだろう。

こうして少しずつ食品ロス削減への取り組みが広がる今、自分たちの店で出来ることは何か、改めて考えてみるいい機会になるのではないだろうか。

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戸田千文

ライター: 戸田千文

広島・東京を中心に活動するフリーランスの編集・ライター。これまでにグルメ冊子や観光ガイドブック、町おこし情報誌などの編集・執筆を担当。地方の魅力を首都圏に発信する仕事をするのが夢。おいしい地酒を求め、常にアンテナを張り巡らせ中。