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住みたい街ランキングNo.1を独走する「吉祥寺」。飲食店出店の必須条件とは?

2018年3月2日

Photo by Toomore Chiang「吉祥寺」
「吉祥寺」は東京23区外で屈指の人気タウンです。郊外でありながらJR中央線で新宿まで17分、京王井の頭線で渋谷に16分という良好なアクセスと賑わう繁華街、そして緑豊かな井の頭公園を擁し、SUUMOの「関東住みたい街ランキング」では調査開始依頼ほぼ首位を独走(2016年のみ2位)。今回は、多くの人の支持を集める吉祥寺の街の魅力と飲食店事情、出店のポイントについて考えます。

吉祥寺を愛して住み続ける人達が賑わいを支える

池袋・新宿などとは違う吉祥寺の特徴は、繁華街でありながら多くの人が住んでいる場所であるということです。吉祥寺がある武蔵野市は戦前からの自治会・町内会の制度を復活させなかった自主独立の意識が高い地域。既存の枠組みと別に自ら立ち上がった多数のコミュニティーが存在し、古くから住んでいる人たちとともに、吉祥寺を気に入って住み始める単身者やファミリーが「地元愛」で街を盛り上げています。子育てママネットワークのほか、在住者が中心となって発信する吉祥寺ファンページにその片鱗を伺うことができます。武蔵野八幡宮の例大祭である「吉祥寺秋祭り」や1999年より開催の「吉祥寺アニメワンダーランド」が開催される秋季は地域が主体となって大いに盛り上がります。

お洒落な雑貨店やカフェも“昔ながらの商店街”の一部

吉祥寺では商店街が元気です。吉祥寺サンロード、ダイヤ街、中道通商店会はいずれも吉祥寺駅北口に位置する商店街で、地元で古くから続く惣菜店や和菓子店と大手チェーン店のショップ、そして吉祥寺らしさを発信する雑貨店やカフェなどが共存共栄しています。ハモニカ横丁には昭和から営業する焼鳥店やビアホール、定食屋と新しめのビストロや立ち呑み店が入り混じって並んでいますが、どの店も入りやすいオープンな雰囲気。いずれの商店街でも従来からの店と新店が一体となって商店街を盛り上げ、定期的なイベントやセールなどを開催しています。

駅にはアトレ、キラリナ、北口には東急百貨店、パルコ、コピス、南口にマルイなど、最近の再開発もあって商業施設はいっそう充実。お洒落な店だけでなく『ロヂャース』『マーブル』『ドン・キホーテ』などの安売り店も豊富なことが、「住みやすさ」につながっています。

ショッピングのあとは駅南の井の頭公園へ

2017年に100周年を迎えた井の頭恩賜公園は、4千万㎡以上と非常に広大で、ボート遊びで有名な「井の頭池」、「スポーツランド」というミニ遊園地、動物園と植物園から成る「井の頭自然文化園」、遊具やスポーツ施設のある運動公園などがあり、隣接する「三鷹の森」には「ジブリ美術館」があります。週末には野外ステージイベントや大道芸も出てシーズンを問わず賑やかですが、桜の季節にはさらに多くの人が訪れます。

美しい自然の景観と人の交流の拠点という二つの豊かさを人々に提供している井の頭公園は、吉祥寺を「住みたい街ナンバーワン」にしている大きな要素といえるでしょう。

Photo by iStock.com/smalldaruma

周辺地域からの集客力も抜群

街の外からもさまざまな人がこの街を訪れます。井の頭公園に遊びに来る若いカップルやファミリー、中央線沿線の高校や大学に通う学生たち、カフェに集う子連れママ、雑貨店めぐりをする女子、観光客。東京都心と多摩地区のちょうど中間に位置しているため、同窓会などの開催場所となることも多いです。

人が人を呼び、最新の店舗も増えて吉祥寺の魅力は増しているようです。武蔵野市が平成25年に出した産業振興基礎調査報告書によると、昭和59年度から数回実施した「吉祥寺の魅力度」アンケートの回答で「魅力を強く感じる」と積極的に評価する回答が最新の24年度で44.4%と最も高くなっています。他に以下のような興味深い報告もありました。

・吉祥寺来街者の属性として「女性」「20代」「武蔵野市在住者」が最も多い
・最近は60代以上の割合も増加
・来街目的は「買い物」が最も多いが、最近は「食事」「井の頭公園・ジブリ美術館のついで」という割合が増加傾向

老舗も新しいカフェも、庶民的で親しみやすい飲食店が多い

格安で飲めるハモニカ横丁の『てっちゃん』『万両』『ささの葉』や、創業昭和3年で吉祥寺に3店舗を構える『いせや』など、吉祥寺では昭和から続く居酒屋が愛され続けています。また、『喫茶ロゼ』『多奈加亭』などのレトロな喫茶店、『まざあ・ぐうす』『カヤシマ』などの洋食店も健在です。『チャイブレイク』や『シヴァ・カフェ』『モンタナ』などのカフェや、ビストロ『TALK BACK』『オーケストラ』は常に行列ができる人気店。お洒落な店だけでなく、コスパのいい居酒屋や立ち呑み店も多数あり、週末は早い時間から賑わいます。

これらの老舗から新店まで多くの店に共通するのは、「価格が抑え目」ということです。吉祥寺にはお洒落なイメージもあるので、高級志向のレストランも多いのではと思いきや、本格フレンチレストランや寿司店でも平均単価が1万円未満程度という店が多数を占めます。多数の店舗が味と価格で切磋琢磨しているので、ただ安いだけでなくコスパも優れていなければ生き残れません。吉祥寺で飲食店を出店するなら「単価抑え目」「コスパ良し」が必須条件といえそうです。そのかわり、常に集客が見込めるので、モーニング営業や昼夜通し営業で回転数を上げることができます。

店舗の家賃は高めだが、駅から離れると坪1万円台も

人気エリアなので家賃相場は高く、好立地の店舗では坪5万円を超えることも。しかし駅から10分以上離れた場所や古い建物などを含めてじっくり探すと坪1万円台という店舗も見つかります。吉祥寺は広い範囲にわたって舗道が整備されて街並みが美しく、多くの人が住宅街に点在する雑貨店やカフェ巡りなどを楽しんでいて、隣駅の三鷹や井の頭公園まで人の流れが続いているので、個人での飲食店出店は十分可能性があります。

ただし、出店は可能でも問題はその後です。このエリアでは比較的頻繁に物件の情報が出ますが、それは「店の入れ替わりが激しい」ことの表れでもあります。「お店のコンセプト」と「味」と「価格」、どれも妥協することなく準備したうえで、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

■吉祥寺エリアの立地情報
吉祥寺駅の店舗賃料相場情報(直近1年間)・・・平均坪単価25,914円
吉祥寺駅の平均賃料相場年別推移(2015~2018年)…上昇傾向
吉祥寺駅の店舗面積相場情報(直近1年間)…28.07坪
業態の割合…居酒屋・ダイニングバーが最も多く、次いで洋食、カフェと続きます。

吉祥寺駅の店舗物件一覧

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