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『松屋』が4月3日から「牛めし」を値上げ。牛丼チェーン各社の価格は今後どう動く!?

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『松屋』恵比寿西店

3月20日、大手牛丼チェーンである『松屋』が約4年ぶりに商品の値上げを発表した。価格の手ごろさが売りであるが、原材料や人件費の高騰から、値上げに踏み切ることになったようだ。他の牛丼チェーン店はどうだろうか? 気になる値上げ状況を比較し、牛丼業界の価格の行方を追った。

松屋、すき家、吉野家。三大牛丼チェーン店は値上げに踏み切るか?

材料費や人件費の高騰を背景に、値上げに踏み切る飲食企業が増えている。しかし、牛丼業界は安さを売りにしているゆえに、なかなか値上げをしづらい状況下にある。

そんな中、『松屋』は4月3日より「牛焼肉定食」「カルビ焼肉定食」「キムカル丼」などの一部の商品を、それぞれ10~20円値上げすると発表した。定番商品の「牛めし(並盛)」は30円の値上げ、首都圏を中心に販売されている「プレミアム牛めし(並盛)」は380円のままとしている。ほかにも、一部の店舗で販売されているメニューでは、30~50円ほどの値上げもあるなど、消費者にとっても見過ごせないところといえるだろう。

こうして値上げに踏み込んだのは『松屋』だけではない。『松屋』と同じく人気を誇る牛丼チェーン『すき家』は、『松屋』よりも一足早く値上げを実行している。昨年(2017)11月、牛丼の並盛以外を値上げしたことは話題となった。中盛、大盛は10円、特盛、メガ盛は50円の値上げをしている。さらにトッピングも10円、セットも20~40円値上げをしており、メニュー全体にわたって価格の改変がなされた。

一方で現時点では「値上げをしない」と宣言しているのが『吉野家』だ。『吉野家』は2014年に商品の値上げを実行しているが、その際に売り上げが下がってしまったことや、客足が遠のく不安もあるために、これ以上の値上げには踏み込まないとしている。

Photo by iStock.com/BankPhoto

牛丼を売りとする『なか卯』『東京チカラめし』も値上げの傾向に

上記の牛丼チェーン店とともに、牛丼や丼ものメニューを手軽に販売し、人気を集めているのが『なか卯』、『東京チカラめし』だ。この2店もまた、値上げに踏み切っている。

親子丼や牛丼などで親しまれる『なか卯』は、『すき家』も展開するゼンショーホールディングスの経営下であることから、『すき家』の値上げ発表の頃に「牛丼」や「牛皿」の値上げをした。さらに、首都圏を中心に展開する『東京チカラめし』は2015年に値上げをしており、「焼き牛丼」を含むメニューが50~60円価格が上昇したため、購入層に大きな衝撃を与えたようだ。

消費者とどう向き合っていくのかが大きな鍵に

食材費や人件費の影響から、値上げをせざるをえない状況になることは仕方がないといえる。しかし、どの店舗も値上げするだけで終わらず、メニューのバリエーションを増やしたり、セットメニューを充実させたりと、工夫を凝らしている。

数年前に先に値上げをした『吉野家』では一部店舗でデリバリーをするなど、サービスの充実にも注力しており、客足を遠のかせないように工夫していることがわかる。手ごろさが売りの牛丼業界だからこそ、値上げをしても客足が離れないよう、各社が消費者とどう向き合っていくかが、今後の売り上げを左右するのかもしれない。

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竹野愛理

ライター: 竹野愛理

食と文学を愛するライター。飲食店取材、食に関するコラム、書評を執筆のほか、食関連のメディアや書籍にて編集者としても従事。趣味は読書と散歩。本を片手に旅行したり食べ歩きをしたりすることが好き。