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人気トマト直売所の代表は25歳。大卒で就農・独立し、開業するまでの道のりを取材!

2018年5月14日

自分がやりたい農業とは何か?大学卒業までにイメージを明確にした

代表の小川さんが農業について考えるきっかけとなったのは、高校生のころ。実家を手伝っていたとき、遠いところから実家のトマトを買いに来てくれる人がいたそうだ。「小川さんのところのトマトを食べたら、他では食べられないよ」。その言葉に驚きや嬉しさを感じるとともに、農業という仕事に大いに興味を引かれたという。そのときから、自分の将来の仕事として農業を考えるようになった。

家業を継ぐのではなくあえて独立を考えた理由は、自分のやりたいスタイルとは違うのではと感じたからだ。「農業以外のアルバイトでも百貨店の食品フロア、フレンチレストランなどを選んで情報収集し、大学でも関連する知識を学びながら模索しました。結果として、実家と同じ『トマト』に絞ることに。単価が高いこと、前菜からデザートまで用途が幅広いこと、生産者の個性を表現しやすいことなどが理由です」。同じトマトに絞りつつも、独立を念頭に置いて農業を学んだ。

卒業直前に農地探しをスタート。すぐに理想的な場所が見つかった

2016年3月、大学卒業する春休みから、周囲の人に声をかけ土地探しを始めた。

「後継者がいなくて農地を手離す人が多いと聞いていたので、そういう土地が見つかるのではないかと考えていました。条件に合う物件が見つかるまでじっくり探すことになるだろうと思っていたのですが、すぐに情報が寄せられ、その中で理想通りの場所に出会いました」

決めた場所は実家と同じ町内にある、元イチゴ農家のハウスだった。何より魅力に感じたのは、近くにコンビニと地域の観光スポット「房総のむら」があったこと。トマト直売所に人を呼び込むためには願ってもない立地だった。見つけたのは5月、7月には契約を交わし、小川さんの起業チャレンジがはじまった。

予算は少なかったが、ダメ元でマッチングサービスに登録

直販に力を入れていたので、トマト直売所は事業のコンセプトを表現するデザイン・内装にしたかった。しかし内装工事のための予算は100万円と少なく、知り合いの内装業者には「ちょっとその予算では難しい」と言われた。それでもダメ元で登録してみたのが、店舗デザイン.comのマッチングサービスだった。

すると5件ほど返信がきた。そのなかで心に響くものがあった1社「OFFRECO」の山下さんと会うことに。山下氏は簡単なデザインスケッチを示しながら、低予算で内装工事をする具体的な方法を説明してくれた。話していくうちに、小川さんの頭の中で直売所の実像をはっきりと描くことができたという。

「その後、直売所は山下さんに協力していただきながら少しずつ追加工事を重ねています。山下さんには店名ロゴのデザインやWebサイト制作でも相談し、専門家を紹介していただいたりしていて、今や事業に欠かせないパートナーです!」

スケジュール&業社選定

【2016年3月】農地探しを開始
【2016年5月】現在の場所を見つける
【2016年7月】売買契約
【2016年10月】店舗デザイン.COMのマッチングサービスに登録 【2016年11月】『NOLAND』事業スタート
【2017年11月】直売所を新装オープン

売り上げ目標を達成し事業を拡大中だが、農業ならではの苦労も

トマトの販売は毎年11月~翌7月頃。熟してから収穫する赤い実はしっかり固くヘタの緑が鮮やかで、濃厚な香り・甘味・旨味がある。ただし特別な付加価値をつけたブランドもののトマトとは一線を画す。

「毎日たくさん食べていただきたい、安くておいしいトマトです」と小川さん。販売しているのは普通のトマトと赤・黄・橙の三種のミニトマトで、大容量の1袋が500円と直売所ならではのお手頃価格だ。ミニトマトはギフトにも喜ばれているそうで、今まで順調に売上目標を達成してきた。

入念に準備を行い、一見何事もなく進んできたようにも見えるが、農家ならではの苦労ももちろんある。

「同じ栄町でトマトを育てていても、実家は水田、NOLANDは山地にあるため環境が大きく違います。苗の病気に悩まされたり、思い通りの収量が得られなかったりしますが、まだ3年目になったばかりなので、経験を積んでいくしかありません。最近では近隣の先輩農家にも教えていただいています」

今後もよい商品を作るために、改善や経験を積んでいく志を語ってくれた。

開業する人へのメッセージ

最後に開業する方へ向けてのメッセージを伺った。

「やろうと決めてから周りの人に自分のプランを語っているうちに、共感し、協力してくれる人が出てきてくれ、今の場所も見つかりました。木材の一部やペンキは知り合いからのいただきもので、工事費が随分助かりました。“有言実行”をおすすめしたいです!」

笑顔で話してくれた小川さんからは、充実ぶりがうかがえる。「今までやってきて率直な感想は 『楽しい』 です。4月からのこの時期は一番忙しく、ハウスの中は暑くて体力的にも大変なのですが…。でも、『楽しい』しかないです!」

『NOLAND』という名前には、農業を楽しむテーマパークにしたいという想いが込められている。今後は農業体験ができる観光農園のような展開も考えているという。「楽しさ」がもっと多くの人に伝わる、『NOLAND』の今後に期待したい。

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