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月8日以上休める飲食店はわずか28%。飲食業界の「働き方改革」、その実態

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※写真はイメージ。Photo by iStock.com/Yagi-Studio

今や国全体の課題となっている「働き方改革」。ここ数年、飲食業界も急速に働き方改革が推し進められており、大手外食チェーンを中心に労働環境を改善する動きが出てきている。一方で、個人経営店や中小規模店では、「変えたくても変えられない」というジレンマを抱えているケースも少なくない。そこで、飲食店専門の求人情報サイト「求人@飲食店.COM」では、直近1年以内に飲食店の正社員として勤務した経験がある人たちに、職場の満足度や働き方改革に関するアンケート調査を実施。飲食店の働き方改革の実態を探った。

■調査概要
調査期間:2018年3月22日~2018年3月30日
調査対象:求人@飲食店.COMの登録ユーザー(正社員希望者・匿名回答)
調査方法:インターネット調査
有効回答人数:245名

休日数「月4~5日」が35%、「十分休めている」と感じるのは「月8日以上」

飲食業界の「働き方改革」の中で大きな課題として挙げられるのが休日数だ。飲食業界は週休2日制の一般企業に比べて休日数が少ないイメージが強く、これが人材が集まらない要因にもなっている。実際はどうだろうか? 1か月あたりの休日数について尋ねたところ、最も多かった回答は「月4~5日」で35%だった。続いて多かったのは「月8日以上」で28%。この結果から、飲食業界の休日数は二極化しているといえそうだ。

月8日以上の休みがある飲食店は全体の28%

さらに、休日数に関する現状と勤務先の取り組み状況について質問したところ、35%が「既に十分な休みがとれている」と回答。「十分な休みをとれていない」と回答したのは65%で、そのうち24%は「勤務先において休日数の増加に向けて取り組み中」であると回答している。

約4割の飲食店は十分な休みがなく、また改善への取り組みも実施していない様子

また「既に十分な休みがとれている」と回答した35%に、「十分な休みをとれていないが、休日数の増加にむけて取り組み中」と回答した24%を合わせた約6割は、勤務先では既に休日数改善に向けて取り組みを行った、もしくは休日数の増加に向けて取り組んでいることを実感しており、時勢から見るに今後もこの割合は増えていくと思われる。

ここで、現状の休日数に対する満足度をみてみよう。「月4~5日休み」のうち93%が「十分な休みをとれていない」と回答。「月6~7日休み」になると、その割合は74%に。一方、「月8日以上休み」になると、83%が「既に十分な休みがとれている」と数字が逆転することから、従業員が「十分な休み」と感じる休日数は月8日以上であることが分かる。

従業員が「十分な休み」と感じる休日数は月8日以上

「月6~7日休み」と回答した半数が「働き方改革」を意識

アンケート調査の結果、従業員は実際の休日数が少ないほど、会社に対して「問題意識や取り組みもない」と感じているようだ。しかし、「月6~7日休み」の半数近くが「十分な休みはとれていないが、休日数の増加に向けて取り組み中」であると回答しており、休日数の増加に期待していることがうかがえる。

また、雇用側に問題意識がありながら、従業員に伝わっていないケースも考えられる。休日数の増加に向けての動きは、従業員のモチベーションアップにもつながるはず。取り組み中の飲食店は、現在の状況について従業員に丁寧に説明する必要がありそうだ。

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戸田千文

ライター: 戸田千文

広島・東京を中心に活動するフリーランスの編集・ライター。これまでにグルメ冊子や観光ガイドブック、町おこし情報誌などの編集・執筆を担当。地方の魅力を首都圏に発信する仕事をするのが夢。おいしい地酒を求め、常にアンテナを張り巡らせ中。