住みたい街ランキング常連＆人口増で躍進中の街・武蔵小杉。飲食店出店のポイントは？
2018年8月27日
Photo by Hiroki ONO「DSC_4213 武蔵小杉」
2010年の横須賀線武蔵小杉駅開業を機に人気がブレイク
渋谷から始まる東急東横線はもともと、お洒落な街が多い憧れの路線です。多摩川手前の「田園調布」「多摩川」駅周辺までは東京都大田区の高級住宅街。多摩川を越えると川崎市に入り、「新丸子」「武蔵小杉」「元住吉」と続く3駅は少しのんびりした庶民的な雰囲気がありました。ところが、この10年で武蔵小杉が大変貌を遂げることに。以前の武蔵小杉駅は東横線とJR南武線が交差する駅でした。しかし近年の通勤路線の拡充が進むなかで、2010年に横須賀線武蔵小杉駅が開業。湘南新宿ラインも同駅に停車するようになりました。これにより、武蔵小杉は東京へ18分、新宿へ20分で直結となり、まさに「どこへ行くにも便利な街」となったのです。
同時に、武蔵小杉駅周辺の工場や企業の跡地の再開発も急速に進みました。現在までにタワーマンションが11棟建ち、タワーマンション群とともに大型商業施設「グランツリー」「ららテラス」「東急スクエア」も新規開業。さらに今後も2022年に日本医科大学キャンパスの再開発などで、多くのマンションが供給される予定があります。
大規模に開発が進んだことで、街の雰囲気は一変。タワーマンションが林立する駅の南側エリアは、街路や公共緑地も整備され近代都市のような雰囲気に。短い期間で開発が進んだので、突如新しい街が出現したようにも感じられます。真新しいその景観は、2016年公開の「シン・ゴジラ」でもロケ地として採用されました。同じ多摩川沿いの二子玉川と比較してみると、似た雰囲気を持ちながら物件価格はやや安く、都心へのアクセスは抜群ですから、人気急上昇もうなずけます。
もうひとつの武蔵小杉の顔は、昔ながらの商店街
一方旧市街は、かつての街のシンボル、法政大学の名前を関した「法政通り商店街」や「サライ通り商店街」、「駅前商店街」などが活気に溢れています。武蔵小杉はかつて多くの工場が集まっていた場所で、工場勤務の人やその家族向けの商店街が縦横に広がり、昭和から営業してきた個人店などが今も健闘しています。新興住民の方々は古くからの飲食店をあまり利用していないこともありますが、それでも武蔵小杉が便利になったことにより、旧市街に住み始める人や、沿線から武蔵小杉に遊びに来る人も増えていて、エリア全体の経済を押し上げているという現状があります。また、お祭りなどを通して旧市街と新興住宅街との交流を促進しようとする地域の人たちの努力も続けられています。
Photo by Tzuhsun Hsu「武蔵小杉駅」
居住者も来街者も増加中なので、個人店出店は有望
武蔵小杉は単身者・ファミリーなど新規に在住する人も来街者も増加中です。また、南部線沿線には富士通・NECなど大きな企業の拠点があり、平日夕方の需要も見込めます。個人が飲食店を出店する候補地としては、かなり有望といえるでしょう。また、旧市街には武蔵小杉の人気店が多くあります。法政通りの「ラーメン丸仙」「けん（ラーメン）」、南西エリアにある「Restaurant μ（中華）」「粥菜坊」、武蔵小杉で複数の人気店を経営する「ナチュラ（イタリアン、和食）」、新丸子方面の「コスギカレー」など。どのお店もリーズナブルでおいしく、庶民的でありつつも清潔感があり、女性に人気がある店が多いのが特徴といえます。
女性好みのお洒落な店はSC内にたくさんありますが、それ以外の店はあまり増えていないようなので、男性サラリーマンが好みそうなボリュームがある店、安くて宴会などに利用しやすい居酒屋などに需要がありそうです。また、街で人気の飲食店の顔ぶれを見ると、中華やエスニックなど食のバリエーションが豊富なので、こだわりと個性で勝負する専門店の出店にも向いている土地柄と思われます。
まだまだこれから変化し続けていきそうな武蔵小杉。今も成長中で、新旧さまざまな人が往来しているため、出店を検討してみる価値は大いにありそうです。
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