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最近話題の「フードテック」って何? ゲノム編集、分子調理法など最新技術を解説

食とテクノロジーが融合した新しい産業分野である「フードテック」。
代替食の開発やロボットの接客など、食にまつわる様々な新技術が話題となっており、飲食業界にも大きな影響を与えています。
具体的にいったいどんなものなのか、今回はフードテックがもたらした話題の技術を3つ、ご紹介します。

Photo by iStock.com/FotoK0T

品種を改良し、より良い食品を作る「遺伝子組み換え」

「遺伝子組み換え」とは、生物や植物の細胞から有用な性質の遺伝子を取り出し、別の生物や植物の遺伝子に組み込んで新しい性質を持たせる手法です。例えば味は良いけれど乾燥に弱く育ちにくい野菜があるとすれば、乾燥に強くなる遺伝子を組み込むことで、味が良くて育ちやすい野菜を作ることができます。

遺伝子組み換えは昔から行われてきた手法でもあり、「掛け合わせ」はその代表的な例。これまでは主に、害虫や農薬に強いものを作り出すために活用されていましたが、最近では「特定の成分の含有量を高める」「乾燥・塩害に強くする」などといった面でも活用されています。

日本では様々な食品に「遺伝子組み換えでない」という表示があるように、遺伝子組み換えにマイナスイメージを持つ人が少なくありません。しかし、国では遺伝子組み換え食品の安全性やアレルギーに関連する研究を多く行っています。そして、安全性が確認されていない遺伝子組換え食品が輸入されていないか、遺伝子組換え食品の輸入時の届出が正しく行われているかをチェックするため、検疫所において輸入時検査も行っています。

遺伝子を編集する「ゲノム編集」

ゲノム編集とは、ゲノムと呼ばれる遺伝情報を改変する技術のこと。特定の遺伝子を切り取ったり、別の遺伝子を入れたりするため、遺伝子組み換え技術に似ている部分もありますが、従来の遺伝子組み換え技術に比べ、遺伝子を操作できる精度が高いといわれています。

例えば、世界初のクロマグロ完全養殖で知られる近畿大学水産研究所では、ゲノム編集によって「マッスルマダイ」を作りました。これは筋肉の増えすぎを抑える遺伝子を働かなくさせ、限界まで筋肉量を増やしたマダイのこと。筋肉が成長することで身の部分が多く育つといわれています。生産コストを抑えて食べられる部分を増やしたいという養殖業者の願いを形にするため、研究が進められました。

マダイは白身魚の代表であり高級魚でもあるため、国内では常に人気があり、多く消費されています。また、海外では刺し身など日本食への関心が高まっており、需要は今後拡大すると予測されています。一方、農林水産省の統計によると、年間漁獲量は天然が約1.5万トン・養殖が約6万トンで、ほぼ横ばいです。「マッスルマダイ」は食べられる部分が従来の1.2倍に増えると見込まれており、実用化されれば高級魚がより身近になると期待されています。

現在タイ以外にも、イネ、トマト、大豆、牛、鶏などで研究が進められていますが、安全性に疑問を持つ声もあり、国ではゲノム編集した動植物の規制の検討が進められています。マッスルマダイのような食材が私たちの口に入るまでには、まだまだ時間がかかりそうです。

Photo by iStock.com/Kondor83

あらゆる技術を集結させた「分子調理法」

食材を分子単位で分析し、研究することから名付けられた「分子調理法(分子ガストロノミー)」。物理学、化学、生物学、工学といった知識を調理のプロセスに取り込み、これまでにない新しい料理を創り出す技術です。

例えば、米スタンフォード大学の教授が設立したインポッシブル・フーズ社は、植物で肉や卵、チーズなどの動物性の食品を再現。さらに植物性の材料だけを使用し、見た目も感触も味も本物そっくりなハンバーガーを作り出したことでも話題となりました。米食品医薬品局(FDA)にも「何も懸案はない」といわれるほど認められています。同社は「2035年までに獣肉を置き換える」ことを目標としており、近い将来、世界中に広がっていく可能性も期待されています。

資源枯渇の打開策としてフードテックが期待されている

このような食品の開発を進める企業の根底には、「資源の過度な利用と環境への悪影響を減らしたい」という思いが込められています。特に食肉に関しては、その生産量と消費量は2050年までに70~80%の増加することが見込まれています。今ある資源に頼っていては枯渇する恐れがあるため、世界的に食肉の代替物の需要は急速に高まっています。一方で米国の代替食の中には、製品を食べたあとに原因不明の体調不良が急増し、販売と出荷のすべてを停止した例もあり、まだまだ確実なものであるとは言い切れません。

フードテックは日々進化し、今後も私たちが想像さえしないような新技術や新製品を生み出すかもしれません。しかしその一方で、そうして作られた食品を外食産業や食卓に取り入れるとなると、まだまだ不安や疑問も残っています。フードテックが作る未来が一体どうなっていくのか、注目しておきたいところです。


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