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外食業界は「定額制」が話題。飲食店の“参加型”サブスクリプションサービスを比較!

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Photo by iStock.com/daruma46

継続課金型のビジネスモデルのことを指す「サブスクリプションモデル」。音楽や動画配信業界では今や定番のスタイルだが、近年は出版や自動車、ファッションなどさまざまな業界で導入されている。

この流れはもちろん飲食業界にも。昨年11月には、『野郎ラーメン』がサブスクリプションモデルを使ったサービス「1日一杯野郎ラーメン生活」をリリース。月額8,600円(税抜)で1日一杯ラーメンが食べられると話題を集めた。

サブスクリプションモデルのシステムがうまくいけば、季節に左右されることなく毎月安定した収益を得ることが可能になる。とはいえ、うまく利用者を集めることができなかったらそのメリットを享受することは難しい。そのため導入に二の足を踏むオーナーもいるのではないだろうか。

一方で、同じサブスクリプションモデルでも、色んな店の味を楽しめるサービスも登場してきている。客側の視点で考えると、同じ定額制でも、1店舗でしか使えないサービスより、色んな店舗で使えるサービスの方がお得と感じるだろう。そうしたニーズに応えるために、複数店舗が参加するサブスクリプションサービスが次々と登場しているのだ。

飲食店がこうしたサービスに参加するためには、売上に応じてサービス提供会社へ支払いが必要な場合もあるが、すでにシステムが出来上がっているため、一定以上の利用者数が見込め、新規客の獲得につなげることができる。さらには、自社で仕組みを考えることが必要ないため、手軽に始めることができるのも魅力だ。

では、具体的にどんなサービスがあるのだろうか。詳しく紹介しよう。

Photo by iStock.com/MOKUDEN_photos

話題のサブスクリプションサービスを紹介

■FOOD PASSPORT(フードパスポート)
近年、問題となっている「食品ロス」削減につながるのではと注目されているサービスの一つ。つい仕入れ過ぎてしまったり、余らせてしまったりした過剰食材をおまかせメニューで提供することができる。消費者は1日1食、利用することができるが、利用には1回ごとにワンドリンクオーダーが義務付けられている。2018年10月にリリースされたばかりだが、関西圏を中心に200店舗以上が加盟している。

利用者月額利用料……2,980円
飲食店月額利用料……無料
飲食店収益……FOOD PASSPORTが得た売上(月額料金)の30%を加盟飲食店に分配(分配額は来店人数に応じて変動)
公式サイト……FOOD PASSPORT

■Reduce GO(リデュースゴー)
「FOOD PASSPORT」同様、飲食店で余ってしまった食品を提供するサービス。消費者は1日2回まで利用できる。こちらの対象エリアは東京都が中心で、およそ135店舗が加盟。また、イートインではなくテイクアウト専門のため、ベーカリーなどが加盟することも可能だ。

利用者月額利用料……1,980円
飲食店月額利用料……無料
飲食店収益……提供日数に応じて算出(Reduce GOが得た売上(月額料金)×59%÷全店舗の当月の総受渡し日数×自店舗の当月の受渡し日数)
公式サイト……Reduce GO

■GUBIT(グビット)
2018年7月からスタートしたサービスで、消費者は月額980円で1日1杯、加盟店のアルコールドリンクが楽しめる。飲食店の利用頻度が高く、お酒を飲む習慣がある人に効率的にアプローチできる。現在は首都圏のみのサービスだが、今後は関西や名古屋、福岡エリアにも拡大予定だ。

利用者月額利用料……980円
飲食店月額利用料……無料
飲食店収益……提供ドリンク数に応じたインセンティブがあり
公式サイト……GUBIT

Photo by iStock.com/Satoshi-K

■Foobe(フービー)
「GUBIT」同様、月額980円で1日1杯のアルコールドリンクが飲めるサービスだが、異なるのは「バー」に特化している点。「バーには入りづらい」と感じる若い世代のバーに対する敷居を下げることで、新規客の獲得につなげていくことができる。現在は東京都を中心に展開中。

利用者月額利用料……980円
飲食店月額利用料……無料
公式サイト……Foobe

■POTLUCK(ポットラック)
消費者は利用額に応じて、月に数回、加盟店のランチをテイクアウトできるサービス。ランチは事前予約制で、当日午前10時にはすべての予約が確定する。ネット決済のため、店頭では商品を受け渡すだけ。ランチの忙しい時間でも支払いなどのやり取りがないのはありがたい。予約が確定した時点で料金の支払いが済んでいるので、もし商品を取りに来なかった場合でも料金の支払いは行われる。渋谷、恵比寿、代官山、表参道エリアからサービスをスタートし、今後も拡大予定。

利用者月額利用料……6チケットプラン4080円~
飲食店月額利用料……無料
飲食店収益…販売数に応じた売上金額(掲載メニュー単価×販売数-手数料)
公式サイト……POTLUCK

今後、ますます発展していくことが予想されるサブスクリプションサービス。自店舗でサービスを検討するのもいいが、上で紹介したような他社サービスを用いるのも一つの手だ。うまく導入できれば、新規客の獲得やさらなる収入源を得ることにもつながる。サービスを比較し、自店舗の売上をサポートしてくれるものがあれば、導入を検討してみてはいかがだろうか。

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戸田千文

ライター: 戸田千文

広島・東京を中心に活動するフリーランスの編集・ライター。これまでにグルメ冊子や観光ガイドブック、町おこし情報誌などの編集・執筆を担当。地方の魅力を首都圏に発信する仕事をするのが夢。おいしい地酒を求め、常にアンテナを張り巡らせ中。