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2018-11-14 09:18:17.0

飲食店の新卒採用、初任給・離職率のホントの話。飲食業界で進む「働き方改革」の実態!

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新卒で就職活動中の方、飲食業界は昨今、休日増加や待遇改善、ユニークな研修の導入、新たな技術を取り入れた業務改善など、魅力的な取り組みが進められていることをご存知でしょうか。新卒で仕事を選ぶ場合、現在の状況を考えるのはもちろんですが、「この先どうなるか」を見通しながら仕事を選ぶことも大切です。今回は、飲食業界の初任給、離職率などの新卒事情、待遇改善や飲食業界の動向についてご紹介。新卒で飲食業界の勤務を検討されている方は参考にしてください。

飲食業界の新卒事情、初任給が安いって本当!?

率直に言って、飲食業界の初任給や離職率は、ほかの業種と比べ良いとはいえません。まずは厚生労働省が行った『平成28年賃金構造基本統計調査(初任給)』の概要から、飲食業界の初任給事情をみていきましょう(全16産業のうち、飲食業は「宿泊業、飲食サービス業」に分類されます)。

調査は男女合計・男性・女性の3項目と、さらに大学卒・高校卒の2項目、全6分割で行われています。最も人口の多い「男女合計×大学卒」で全16産業中15位、「男女合計×高校卒」で12位という結果で、そのほかのデータをみても、いずれも下位に位置していることがわかります。

ここで、飲食業界における賃金の実態を見ていきましょう。 求人@飲食店.COM(2016年5月)の調査によると、正社員の月給で最も多いのは27~30万円で約30%を占めており、キャリアがあるほど月給が高くなるという相関関係が見られました。飲食業界は、経験豊富なベテランが実力に見合った給与を得ることができる業界だといえます。

新卒で飲食業界へ入ると、基本的にホールや調理の現場からスタートします。その後、店長や料理長へ昇格、また多店舗を展開する会社では、SV、統括、本部というキャリアパスがあり、立場に応じて収入もアップしていくことがわかります。

では、離職率はどうでしょうか。厚生労働省の調査『 新規学卒就職者の離職状況(平成26年3月卒業者の状況)』によると、「宿泊業、飲食サービス業」の離職率は全産業で最も高く、大学卒で50.2%、高校卒で64.4%という結果が出ています。しかし、数字だけみて「続かない」業界と判断するのは少々短慮です。飲食業界は他産業と異なり、経験値を上げるためにさまざまなお店で修行するという特徴があります。 求人@飲食店.COM(2017年2月)の調査によると、20代の転職理由1位は「技術力向上のため」。これはいわばポジティブな転職です。もちろん、中には職場環境に馴染めないという理由もあるとは思いますが、「離職率が高い=ブラック」と決めつけるのは早計でしょう。

飲食業界に広がる「働き方改革」

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初任給が低くて離職率も高い……そう聞くと飲食業界への就職をためらいそうになるかもしれません。しかし、TVや雑誌など各メディアではこぞって魅力的な飲食店を紹介していますし、FacebookやInstagramでも色とりどりの料理やオシャレな空間を多くの人がシェアしています。飲食店が世の中に与える影響が大きいことはあらゆる面で否定できず、飲食業界は決してなくならないのです。

にもかかわらず、「働く」という視点ではどうも魅力に欠けるのが飲食業界の実態。人口減少や少子高齢化も合間って人手不足が続く飲食業界では、ITの力を使って業務の効率化を図ったり、勤務時間を見直す・休日数を増やすといった待遇面の改善を図ったりと、選ばれる業界になるために多くの企業が働き方改革を実行しています。

求人@飲食店.COM(2018年3月)の調査によると、6割の人が休日数の増加にむけた取り組みを実感しています。また、2018年11月時点の求人@飲食店.COMでは、全求人の約5割が月8日以上休みで求人募集をしており、今後も飲食業界では社員の休日数増加が進むと考えられます。

ここで、休日を増やすユニークな取り組み例を紹介します。onakasuita株式会社が運営する展開する『おはしkitchen』と『煮炊きやおわん』では、飲食店では珍しい土日祝日を定休日としています。また、モチベーションが上がる時短の取り組み例として、京都の国産牛ステーキ丼店『佰食屋』の「100食売り切ったら営業終了」としています。この店では、フレックスタイム制や短時間勤務制度といった制度も充実。そのほか、シフトを柔軟にする、営業時間を短縮するなど、飲食業界でも「働き方改革」が進んでいます。

IT化で現場の負担を軽くする

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飲食業界で現場の負担を軽くするとして期待されているのが、「業務のIT化」です。タブレットを使って料理の注文をとる、IT技術を用いたレジを使って売上と発注業務などを一元化する、キャッシュレスでレジ業務をスムーズにするなど、新しい技術が導入されつつあります。

IT化を進める最先端の例として、ロイヤルホールディングスが運営する研究開発店舗『GATHERING TABLE PANTRY 馬喰町店』の試みをご紹介します。完全キャッシュレス、掃除ロボットの導入、最新の調理機器による自社セントラルキッチン食材の活用、さらにワンシフト(8時間勤務)を軸とした営業時間…などなど、さまざまな業務の効率化が図られています。

キャッシュレス導入の効果として、レジ締め、報告書作成など営業後の業務がスムーズになり、これまで40分もかかっていた業務が数分に短縮されたという報告もあります。注目すべきは、現金があることによって生じるストレスが解消されたこと。このように、IT化によって職場の環境もよりよくなっていくでしょう。

飲食業界のこれから

飲食業界では今後ますますIT技術が導入され、業務の効率化が図られるようになります。それにともない、働く人の待遇もさらに改善していくことでしょう。そして、技術によって自動化された余裕を人でしかできない「おもてなし」に注ぐことで、飲食店の付加価値を高めていく……。飲食店に求められることは、「美味しい料理」や「食べる喜び」の提供であることに変わりありません。

飲食業界で今後求められるのは「変わりゆく時代に柔軟性を持って対応できる人」。そして、飲食店の原点にある「料理が好きな人」「人に喜んでもらえることを幸せに感じる人」であるといえるでしょう。これから飲食業界の主役となるのは、今まさに飲食業界で就職活動をする方々です。

今回は、飲食業界の新卒事情について、現状と将来の展望をご紹介しました。「飲食業界」とひと口でくくれないほど、飲食店には個性があります。ぜひ、働きがいのある職場を見つけてください。

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