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2018年の飲食業界をふり返る。人手不足や生産性向上などの課題に取り組んだ変革の一年

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Photo by iStock.com/aon168

2018年も残りわずかとなった。そこで今回は2018年の飲食業界を一気に振り返ってみたい。

キャッシュレス会計の浸透

2018年を境に一気に広まったのがキャッシュレス会計だ。クレジットカードだけでなく、SuicaやPASMOなどの交通系ICカード、QuickPay、iDなどのスマホ決済を導入する飲食店が増加。利用手数料が安く、入金サイクルも早い決済サービスが登場したことで、個人店のキャッシュレス会計の導入も加速した。

ロイヤルホールディングスの完全キャッシュレス店舗『GATHERING TABLE PANTRY』は開業して約1年が経過。接客オペレーションや店長業務の圧縮が可能となり、キャッシュレス会計が飲食店運営の効率化にどれだけ効果を発揮するか、業界全体の注目が集まっている。

また、QRコード決済・PayPayのキャンペーンの盛り上がりも記憶に新しい。LINE Pay、Origami Payなどの各社もポイント還元や大手飲食店との連携でキャンペーンを展開。2019年もQRコード決済市場はまだまだ加熱しそうだ。

サブスクリプションを導入している自由が丘のカフェ『アルファベータコーヒークラブ』

サブスクリプション(定額制)モデルの登場

支払い方法だけでなく、飲食店の「料金システム」にも非常に大きな変化があった1年だった。例えば、「1か月8,000円で食べ放題」のラーメン店、「1か月4,000円でコーヒー飲み放題」のカフェなど、月額定額制の飲食店も目立つようになった。定額制の導入は、原価率上昇の懸念はあるものの、売上の底上げとファン拡大に繋がるため、今後は「定番化」していくことも十分に考えられる。

また、サブスクリプションアプリも続々と登場した。「定額制乾杯アプリ」のGUBITは、月額980円を支払うことでGUBITに加盟している飲食店で毎日1杯ドリンクを飲むことができるというサービス。飲食店側はドリンク1杯の原価を「負担」することにはなるが、高額な広告費を毎月支払うよりもリスクが低い。費用対効果の高い集客ツールとしても期待が高まっている。

動画を用いた集客に成功している『吉祥寺SUN Tama Bar』

「インスタ映え」から「動画映え」メニューまで

2017年の流行語となった「インスタ映え」は、2018年もその権力は衰えず、タピオカドリンクなど、プラカップを手持ちで撮影できるような商品が人気に。インスタ映えするメニューの開発は、もはや飲食店繁盛の重要課題と言っても過言ではないだろう。

そして2018年は「インスタ映え」の進化系として、「動画映え」もキーワードになった。『吉祥寺SUN Tama Bar』が提供している「炎のパンケーキ」は、写真よりも動画でシェアしたくなるメニューだ。写真映えだけでなく、動きや見た目の変化が楽しめるメニューは今後も人気を集めそうだ。

Photo by iStock.com/egadolfo

業種や業態の境界線が曖昧に

イートインスペースが定着し、飲食店最大のライバルと言われるようになったコンビニ。おしゃれな飲食スペースを設置し、料理の盛り付けまでしてくれるバルのようなコンビニまで登場した。一方、飲食店側もそれに「対抗」し、ファーストフード形式の居酒屋などが登場。ハンバーガーショップのように料理を受け取り、食後は返却台に食器を片付けるというものだ。

こうして見ると、2018年は業種や業態の壁を超えたハイブリッド業態が目立つようになった1年だと言えるだろう。もちろん、今後も飲食店以外の店が「飲食店化」してくる可能性は十分にある。他業種のリサーチもしっかりとした上で、店の在り方を決定することが重要な鍵となりそうだ。

Photo by iStock.com/martin-dm

店内禁煙がスタンダードに

『串カツ田中』が全店舗を禁煙化したことも大きな話題のひとつだ。「居酒屋でタバコが吸えないなんて」「禁煙とすることで客数が減るのでは」という声も聞こえてきそうだが、女性客や家族連れを取り込むことができれば売上拡大につながる。2020年の東京オリンピック開催、受動喫煙防止法の施行を前に対応を検討しておくべきだろう。

Photo by iStock.com/BrianAJackson

無断キャンセル問題も解決に向かうか?

昨年から引き続き、いわゆるドタキャン問題も飲食店経営者の頭を悩ませた。キャンセルでロスとなった食材を安くシェアするサービスや、被害費用の請求代行をする弁護士サービスなど、多くの「ドタキャン対策」サービスが出てきたが、まだ根本的に解決したとは言い切れない。

そこで今年は、経産省が『No show(飲食店における無断キャンセル)対策レポート』を発表。例えば、コース料理の予約で無断キャンセルが入った場合はコース代金の全額、席のみの場合でも平均客単価の5〜7割を請求できるなど、まだ法的効力はないものの、ひとつの指針を示した。これまで明確なキャンセル規定がなかった飲食業界にとっては大きな一歩となりそうだ。

Photo by iStock.com/Tg-pint

飲食業界の大きな悩み「人手不足」「人件費高騰」

今年も最低賃金がアップ。東京都は時給が985円、大阪府は936円と過去最高に。人材不足も重なり、飲食店にとっては苦しい1年だった。前述のキャッシュレス会計やファーストフード型居酒屋なども、人件費削減のための対策のひとつ。今後もセルフレジや、AIによる売上予測やシフト作成など、テクノロジーの力を用いた業務効率化が活発化していきそうだ。

とは言っても、やはり飲食店は人ありき。長時間営業や“カスハラ”など、過酷なイメージがつきまとうが、労働環境を整備して、働きたくなる店にしていく必要があるだろう。短時間勤務社員の採用や、評価システムの構築など、まだまだ改善策はあるはずだ。2019年に入管法の改正がされれば、外国人労働者も増える見込みが高い。マニュアル整備や研修制度の充実も経営の大きなポイントになりそうだ。

今年は飲食店の構造自体が大きく変わりはじめた1年だった。原価高騰、人材不足などの問題を乗り越えるために、飲食店自体が大きな進化を遂げる必要があったということだろう。2019年も過去の常識にとらわれず、勇気を持って成長を続けて行って欲しい。

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大槻洋次郎

About 大槻洋次郎

父親が喫茶店を営む家庭に生まれ、31才の時にカフェで独立開業。個人経営のこだわりカフェの先駆者的存在となった。現在は大手カフェスクールや展示会での講師活動、飲食店の開業支援などを行なっている。現場目線の初心者でもわかりやすいノウハウに定評がある。メディア出演も多数。得意料理はパスタ。