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栃木で4年飲食店を経営した後、夢を実現するため池袋へ進出! 開業までの道のりを取材

2019年3月19日

2017年頃から店のイメージを固め、東京進出を計画

栃木県宇都宮市で独立開業し、小さなダイニングバーを2店舗経営していた英さんは、数年経つうちに、やってみたい店の明確なイメージを思い描くようになっていた。しかし、宇都宮市では人口も少なく、可能性は限定されている。そこで「思い切り尖った業態の店を実現するため」東京への進出を考えるようになった。

東京といっても広いが、的を絞ったのは池袋。多くの人が集まる池袋には「アニメ」「アート」「サブカル」など各分野のニッチな店が多数存在し、ネットを使って全国から集客をしている。そこで2017年夏頃から、池袋の店舗物件探しなど具体化のための準備を始めたそうだ。

ネットで知り合った趣味の仲間が出店をサポートしてくれた

英さんはオンラインゲーム好きで、ネット上で知り合った「ゲーム仲間」と親しくなることがしばしばあり、その中には東京の友人もいたという。東京出店にあたっては、その中でも二人のゲーム仲間が出店の話に共感しサポートしてくれた。一人は店のコンセプト作りや池袋への出店を進言してくれ、もう一人は不動産業で店舗物件の情報を集めてくれたそうだ。

「自分から一歩踏み込んで『こんな店をやりたい』と伝えました。そこからコミュニケーションを重ねて親しくなり、リアルな事業パートナーとして協力を得ることができました」

融資のタイミングもあり、時間がかかった物件探し

最初に気に入った空き店舗は、池袋東口側で地下1階だった。賃貸契約のための融資を申し込んで準備を進めたが、審査が下りるまでに予想以上に時間がかかり、審査が下りる直前にその物件には他の借り手がついてしまった。

しかしその4日後、今度は西口地下の物件が見つかり、すでに審査済みだったので契約することができた。ここまで、最初に物件探しを始めてから、14か月近くかかったそうだ。

物件を探している間は、店のイメージを実現してくれるデザイン会社を探すことにも尽力した。英さんは「店舗デザイン.COM」のマッチングサービスに登録し、そこに掲載されていた作品実績やプロフィールを見て、「アンティーク」「ヨーロピアン」などのテーマを得意とし、「モルタル造形」の技術を持っている「ブランキューブ」という会社が目に止まった。すぐに会って自分のプランを伝えたところ、話は順調に進んだという。

このように事業の協力者やデザイン会社など、英さんは自分の事業に必要なパートナーとなりそうな人にスピーディーに自分からアプローチをしていった。この積極性は店舗出店を考える人が見習うべき点の一つかもしれない。

スケジュール

【2017年8月】東京の物件探しをスタート
       デザイン会社を探すため、店舗デザイン.COMのマッチングサービスに登録
       デザイン会社「ブランキューブ」と商談を開始
【2018年9月】現在の物件を見つけて契約
【2018年10月】内装工事開始
【2018年12月】竣工
【2019年1月8日】オープン

デザイナーにお任せした内装は、期待通りの仕上がりに

『飛空艇酒場 バッカニア』は、その店名のとおり、空を漂う海賊船の中をイメージして造られた。板とレンガの壁で囲まれた部屋にアンティークの家具が並び、海賊を想起させる小物各種が飾られている。ここまでは「海賊船」「カリビアン」などのテーマで造られた他の店と共通するところもあるが、目を引く珍しい演出は “窓”。雲が浮かぶ青空の鮮やかな映像がゆっくりと流れていく。池袋西口からすぐのビルの地下2階とは思えない、テーマパークのアトラクション内のような空間となっている。

「店のテーマを伝えて、あとはブランキューブさんにお任せしていました。他にはないデザインや演出が多くそれなりにお金もかかりましたが、イメージ通りで満足しています」

実は現場が地下2階のため「木材は使用できない」などいくつかの制約があり、一見木製に見える板壁や柱など内装の多くは「モルタル造形」で造られた。デザインコンセプトだけでなく「ブランキューブ」の得意技がここで大いに力を発揮したようだ。

店は日中16時までは撮影やイベントのためのスタジオとして提供し、17時~24時は飲食店として営業。夕方以降は非日常空間で肉料理や30種以上のラム酒などを楽しむ気軽なダイニングバーとなる。

ポテンシャルがありそうな「スタジオ需要」を呼び込む情報発信をしていきたい

オープンして1か月。まだ本格的なPRをしていないので客数は少しずつ伸びている状況だが、英さんは思ったより多様なスタジオ需要があることに気づき始め、ニーズがある顧客に確実に情報を届けることが重要だと感じているそうだ。

「ゲームファン、ファンタジー好き、コスプレイヤー、スチームパンクに代表されるファッション好きなど、すこしずつジャンルが違う人たちにニーズがあることがわかってきました。細分化された集団にうまく情報を届けることが大事だと感じています」

開業する人へのメッセージ

最後に開業する人へ向けてのメッセージをきいた。

「宇都宮の店に比べたら東京・池袋への出店は大きな投資が必要でしたが、自分が本当に好きで、ぜひやりたいと思う分野だからこそチャレンジしました。出店では常にリスクが伴いますが、自分のやりたいことを明確にして始めること、いったん始めたらしばらくの間、試行錯誤をしながら粘り強く続けてみることが大事だと感じています」

池袋には英さんの店同様、ニッチな市場を狙った尖ったコンセプトの店が多いが、個人で出店している例は少ないかもしれない。しかしこだわり満載の『飛空艇酒場 バッカニア』はニッチなニーズを着実に拾っていくだろう。今後どんなお客を集めていくのか楽しみだ。

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