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「立地」が不利でも飲食店は戦える! 地元の名酒場『かどや』が繁盛する理由

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女将さん(写真左)は、いつもニコニコ

最寄り駅より遠い、そして住宅街の中にあるのに、やけに繁盛しているお店を見かけることはないだろうか? それも一見すると普通の店。なのに、常にお客で賑わい、時には行列すらできる。そんな「悪立地なのに繁盛する店」の秘密を今回は探っていく。

訪れたのは東京都墨田区に佇む居酒屋『かどや』。曳船駅・押上駅・浅草駅から各々徒歩10分位という立地ながら、10数年、確固たる人気を誇る繁盛店だ。この店を仕切る女将さんに話を聞いた。

「安くて美味しい」が一番の武器

まずは、この立地に店を構えようとしたきっかけから聞いた。

「家賃が安かったからです(笑)。いや、12年前に東向島からここに移転してきたんですけど、前の店も家賃が安いことが一番の理由で、駅から少し離れたところで経営していました。で、当時は路地の“角”にあるお店だったので『かどや』という店名に。それを引き継いでいるという、ただそれだけの理由ですね(笑)」

女将さんはあっけらかんと笑う。では、前身の店も含め、“駅から遠い”ことに関して、集客の見込みに対する不安はなかったのだろうか?

「うちの主人は高級料亭やチェーン店など、様々な和食店で修行してきました。だから、料理の腕には絶対の自信があるんです。飲食店は料理の“美味しさ”がちゃんとあれば、人は来ると思うんですよね」

店内はテーブル20席、カウンター10席

とてもシンプルな答えである。さらに女将は続ける。

「家賃の安さも踏まえて、トータル的にメニューのコスパも抑えられるわけです。結果、“安くて美味しい”というお店になりますよね。そうなると、駅から遠いなんてのは、関係なくなってくるんですよ」

なるほど、わかりやすい理屈である。このブレないコンセプトを維持していることが、『かどや』の最大の強みなのであろう。そして、メニューの多さでも知られる『かどや』。人気の秘訣もそこにもあるのではないだろうか。

「それもあるかもしれませんね。うちは例えば鶏肉だったら、水炊きや唐揚げにしたり、定番メニューのハムカツは、要望があればハムカツサンドにしたりと、ひとつの食材を無駄なく利用しています。だから、食材のロスはほぼないですね」

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山崎光尚

ライター: 山崎光尚

小学館の雑誌を中心に活動するフリーライター。食以外の得意分野は、音楽・漫画・お笑い・映画など。ヴィレッジヴァンガード公式フリーペーパー『VV magazine』では、毎月、様々な分野で活躍する有名人を直撃取材中。