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平成を彩った「外食グルメ」を総ざらい! 赤身肉、クラフトビール、パンケーキ etc...

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画像素材:PIXTA

いよいよ4月30日で「平成」も最後の日となる。ふり返れば、飲食業界においても様々なブームや人気メニューがあった。新しい「令和」の時代に入る前に、「平成」を彩った人気メニュー10種類を総ざらいしよう。

■新たなジャンルを確立。女性にも人気の「つけ麺」
当初、一部のラーメン店だけで提供されていたつけ麺だが、2000年頃から徐々に人気が高まり、現在は数多くのつけ麺専門店が登場するまでになった。豚骨・鶏ガラなどの動物系スープや、煮干・鰹節系を使った魚介系のスープなど店舗によってこだわりが違うため、好みの味を探して店を渡り歩く熱心なファンも多い。また、オシャレな内装の店内で洋風にアレンジされたつけ麺を提供する店も現れ、女性客にも受け入れられるようになった。平成は、ラーメン店のサブメニューではなく、「つけ麺」という新たなジャンルを確立した時代だったと言えるだろう。

■カフェオレから「カフェラテ」の時代に
1990年以降に巻き起こった空前のカフェブームは、多くの人が日常的にカフェを利用する“文化”として定着した。カフェブーム当初から知られていた「カフェオレ」は、人気カフェの代表格である『スターバックス』や『タリーズコーヒー』の影響で「カフェラテ」の呼び名がポピュラーに。Sサイズ、Mサイズではなく、「ショート」「トール」と言った呼び方も、平成時代の大きな変化と言えるだろう。

■カフェメニューの定番になった「パンケーキ」
2008年に『Eggs ‘n Things』や『bills』が原宿に出店して以来、未だ衰えを知らないパンケーキブーム。カフェには必ずパンケーキがあると言っていいほど、定番メニューとして定着した。パンケーキ専門店はもちろん、個人経営のカフェでもパンケーキを主力とする店が増えている。その人気の秘訣はなんと言っても見た目。分厚いパンケーキに生クリームやフルーツが可愛らしく彩られたルックスは、「SNS映え」が求められる現代のグルメシーンにおいて欠かせない存在になった。また、スイーツとしてだけでなく、朝食やランチとしても幅広く活用できるところもポイントが高い。

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■「クラフトビール」の呼び名で再ブームに
若者のビール離れなどから苦戦が続くビール業界だが、クラフトビールの市場拡大には今後も期待が高まっている。以前にも「地ビールブーム」があり、一度は下火になったかと思われたが、「クラフトビール」という新たな呼び名で再びブームに。フルーティーな香りで飲みやすいように工夫したり、その土地ならではという特別感を売りにしたりして、ビールが苦手な若者も手に取りやすくなっている。地方活性化にも良い影響を与えているようだ。

■ファストフードではない?「グルメバーガー」
ファストフードの代表として、「安く手軽に」食べられてきたハンバーガーだが、平成の時代では1個1,000円前後の「グルメバーガー」が登場。ファストフードとしてのハンバーガーとは全く異なるコンセプトで開発され、カフェやレストランでも提供されている。また、グルメバーガーをメイン商品として販売する専門店も数多く現れ、新しい料理ジャンルを確立した。野菜をふんだんに使ったヘルシー系ハンバーガーや、フォアグラなどの高級食材を使用した高級バーガーなど、新しいグルメバーガーが次々に開発されており、今後も進化を続けていくだろう。

■こだわりいっぱいのグルメな「かき氷」
海の家や遊園地で食べるカジュアルなかき氷ではなく、氷やシロップにこだわったかき氷専門店も激増した。価格も1,000円前後となっており、かき氷としては高く感じるが、通年で集客できるメニューにまで成長。海外からやってきた華やかなかき氷や、口どけがふわふわで食べやすいかき氷、頭にキーンとこないように工夫されたかき氷など、様々な切り口の店が登場した。SNS映えすることもあり、人気店は長蛇の列となることもある。

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■バルの定番メニュー「アヒージョ」
スペインの手軽な小皿料理であるアヒージョは、スペインバルのブームと共に広く知られるようになった。しっかりした味付けと手軽な食べやすさが売りで、ワインのおつまみとして提供する店が多い。アヒージョで使用されるオリーブオイルは健康食品としても人気が高く、美容効果も期待できる。エビやマッシュルームなどの定番具材だけでなく、砂肝やたけのこなどの変わり種も取り入れ、日本独自の発展を遂げた料理となっている。

■健康・安全を意識した「オーガニック野菜」
有機栽培で育てられたオーガニック野菜も平成に大きな注目を集めた。健康志向の高まりから野菜を積極的に食べようとする人が増え、野菜料理そのものの人気も高まった。レストランやバルでは、イタリアの郷土料理であるバーニャカウダが人気に。また、野菜を主食として楽しむサラダ専門店や、野菜たっぷりのスープ専門店なども登場し、主食=米という概念も覆されたと言えるだろう。

■「激辛料理」は令和に向けてまだまだ進化中
昭和にはあまり馴染みのなかった激辛料理だが、平成の時代では一大ブームを巻き起こし、メディアでも頻繁に取り上げられるようになった。タイ料理専門店やベトナム料理専門店も定着し、このブームを機に辛い物好きになった人も多いほど。なかでもトムヤムクンやタイ風カレー、チーズタッカルビなどは日本でも認知度が高く、定番料理となったメニューである。近年はただ辛いだけの料理ではなく、火鍋のように山椒や花椒を大量に使った「痺れ料理ブーム」にまで発展。外食業界の中ではなくてはならないジャンルになった。

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■「肉ブーム」もすっかり定着
異性に対して積極的にアピールする「肉食系女子」という言葉も流行ったが、実際に肉料理を食べること自体もブームに。以前は「太る」「不健康」などとマイナスイメージが強かった肉だが、現在は「赤み肉はヘルシー」というイメージが広がり、老若男女問わず肉を食べることが習慣付いている。特に注目を集めたのは、熟成肉の専門店や、「いきなりステーキ」などの安くて早いステーキ店。他にも、肉バルのようにオシャレな空間で肉料理を楽しむ店も定番となった。

以上、平成30年の歴史の中から、人気となったメニューを紹介した。こだわり志向や健康志向、写真映えするものなどが目立ったのではないだろうか。最初は珍しいと思われたものも、次第に定番となり、平成の文化として定着していった。「令和」にはどのようなものが出てくるのか、今から楽しみである。

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大槻洋次郎

ライター: 大槻洋次郎

父親が喫茶店を営む家庭に生まれ、31才の時にカフェで独立開業。個人経営のこだわりカフェの先駆者的存在となった。現在は大手カフェスクールや展示会での講師活動、飲食店の開業支援などを行なっている。現場目線の初心者でもわかりやすいノウハウに定評がある。メディア出演も多数。得意料理はパスタ。