飲食店の食材に関するこだわりを分析! 健康志向や産直など集客に繋がる食材選びとは

2019年4月16日

画像素材:PIXTA
飲食店の核となる食材選び。品質や価格、産地など、様々な観点からこだわりを持って仕入れを行っている店も多いことだろう。そこで今回は、これまで飲食店.COMが実施してきたアンケートのなかから、飲食店の食材のこだわりにまつわるデータを分析。食材選びのポイントや仕入れ先との付き合い方など、飲食店経営者のリアルな声をお届けする。

集客への影響も! 需要が高まりつつある健康志向メニュー


健康をテーマにした料理の特集がメディアで組まれるなど、食に対する健康志向が高まりつつある昨今。外食業界でも、健康的なメニューの注目度が上がってきている。そこで、飲食店に“健康を売りにしたメニュー”を提供しているかどうか尋ねたところ、「提供していない(57.5%)」「提供している(42.5%)」と、回答が割れた。


現在、健康を売りにしたメニューを提供していない飲食店のなかには、健康を売りにしたメニューがどの程度集客に影響を与えるのか気になっている人もいるだろう。先のアンケートで「健康を売りにしたメニューを提供している」と回答した飲食店に対し、健康を売りにしたメニューが集客に役立っているかどうかを尋ねたところ、約7割の飲食店が「感じる(75.2%)」と回答。お客の健康志向に対する需要や関心が高い様子が伺える。



また、健康を売りにしたメニューというと女性ばかりをターゲットにしがちだが、近年は性別や年齢関係なく注目されるキーワードとなってきている。

「野菜たっぷりで、油を使わない和食を提供しています。特に大きく謳ってはいませんが、『外食で残さず食べられたなんて久しぶり』とか『体が元気になれる気がする』などの声をいただきます。高齢のお客様や女性のお客様から特に喜んでいただいています」(東京都/和食)

「アルコールを分解しやすくなるタウリンを多く含んだ魚介類や、低糖質・高タンパクな肉類、食物繊維の豊富なキノコ・海藻類を使ったおつまみメニュー、クエン酸やアミノ酸を使った疲労回復のカクテル等も用意している。低糖質でのダイエッターや、ボディメイクしているビジネスマンなどに受けがとても良い 」(東京都/その他)

業態や店のコンセプトによっては、カロリーや栄養バランスを意識したメニューは取り入れづらい、必要ないという店もあるだろう。しかし消費者の関心は高く、今後も健康志向は高まるものとみられる。新規客層確保のため、健康を売りにしたメニューの開発に取り組んでみるのも一つの手だろう。

新鮮さ、安全性をアピールできる産直食材


昨今の飲食業界では「産直食材」を売りにする店舗が増えつつある。「実際に仕入れている」「他店舗の店頭やメニューで“産地直送”という文字を見かけたことがある」人も多いだろう。多くの飲食店で取り入れられている産直食材だが、取り入れている飲食店はどんなところにメリットを感じているのだろうか。

産直食材のメリットについて尋ねたところ、最も多かったのは「新鮮さ(92.6%)」という回答。次いで「安全性の高さ(82.8%)」、「店のブランディング(84.1%)」、「集客力の向上(66.3%)」、「価格の安さ(59.5%)」が続く。産直食材により、新鮮さや安全性のほか、ブランディングや集客など多くの点でメリットが得られているようだ。



自由回答では、以下のような意見も得られた。

「魚や貝など、市場に出回っていない食材が新鮮なまま届くので、すごく美味しい」(東京都/イタリア料理)

「産直食材のおかげでお客様との間に会話が生まれたり、お客様の喜ばれる姿が見られたりすることがある」(大阪府/居酒屋・ダイニングバー)

市場に出回らない希少な食材を料理に使えるというのは、店の個性をアピールすることにも繋がる。また、客とのコミュニケーションツールとしての役目も担うなど、様々な部分でメリットが得られているようだ。

飲食店の約9割が重視! 価格&質を重視した仕入先選び


仕入先選びは、飲食店がこだわりたい部分の一つ。飲食店ごとにそれぞれこだわりがあるだろうが、他店では何に注目して仕入れ先を選んでいるのだろうか。食材の仕入れ先を選定する際のポイントについて聞いてみた。

「仕入れ価格(89.7%)」という回答が最も多く、それに「商品の質(86.5%)」、「小ロット対応可能か(56.8%)」「配送の融通がきくか(33.0%)」などが続く。特に価格や質は、9割近くの飲食店が回答しており、多くの店で重視されていることがわかる。



また、「少しでも安く、質のいいものを仕入れたい」という飲食店は多いと思うが、仕入れ価格を下げるためにどんな工夫をしているのだろうか。自由回答形式で尋ねた。

「量によって単価の変わるものについては、一括で大量発注する」(神奈川県/イタリア料理)

「当店は個人店で10坪の狭い店だが、魚、肉、酒、その他調味料など1社に絞らず、各2社以上とお付き合いしている。同じ商品でもA社は200円、B社は210円という事がよくある。そこでB社に『A社は200円なんだけどなぁ』と軽い感じで伝えると、同価格またはそれ以下に下げてくれる場合が多い 」(東京都/居酒屋・ダイニングバー)

「ネットで市場価格などをマメにチェックする」 (東京都/洋食)

大量発注や複数業者と取引を行うほか、こまめに市場をチェックするという声も得られた。その一方で、「業者と良い関係を築くために、値下げ交渉などはしない」という声も。適正価格で仕入れを行いつつ、仕入れコストを抑える工夫も取り入れていくのが大切だろう。

お店のブランディングにも関わってくる食材選び。質や価格を重視した仕入れを行うのはもちろん、産直や健康志向といったこだわりも集客に繋がる重要な要素となってくる。どんな観点で食材選びをするのか、改めて見直してみてはどうだろうか。

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