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福岡市で3つの繁盛店を経営、ドラマティック・石井克典さんの「業態開発力」に迫る

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『焼売酒場 いしい』の店内

福岡市内で『肉菜炭火屋 ミヤビ』『ツクネスタンダード』『焼売酒場 いしい』の3店舗を手掛ける株式会社ドラマティック。その始まりは2008年にオープンした『ドラマティックカフェ』(現在は閉店)だった。時代のニーズを的確に読み取り、人気店をオープンさせていく代表の石井克典さんに、店づくりのポイントやこだわりを聞いた。

ダイニングバーの立ち上げを20店舗経験し独立

高校時代から飲食業界でアルバイトをしており、年齢などに関係なく実力で責任あるポジションを任されることに面白さを感じていたという石井さん。周りの友人たちが大学に進学していくなか、大学に進学する気持ちはなく、高校卒業後は半年ほど何もしない時期があったそう。当時のことを石井さんはこう振り返る。

「そろそろ働かなくては!と考えたものの、大学に通っている友人たちは卒業後に就職し、そこそこの収入を得るようになると考えたとき、高卒の自分は同じ世界にはいられないと思ったんです。高校時代の経験から飲食業は現場での努力と実績があれば上に行ける!というのはわかっていたので、この業界で上を目指すことにしました」

最初に入ったのは『天神ホルモン』。ほどなく東京の店舗に異動になり、新業態開発のために有名イタリアンに研修へ行ったりもした。そのイタリアンで出会った料理人と「将来一緒にお店をしよう!」と夢を語り合い、コンセプトなどを固めていった。

「料理は彼に覚えてもらって、自分はマネジメントを学ぼうと考えました。また、東京は全国から成功したい人たちが集まる街。競争が激しいので、開業するのは福岡の方がいいと考え、一度、福岡に戻ることにしたんです」

福岡に戻った石井さんは、当時、一風堂が営んでいたバーを経て、店舗づくりを学ぶため『J CAFÉ』を展開する企業へ入社。

「20店舗つくったら独立しよう」という目標を掲げ、4年間で20店舗を達成。「ダイニングバーのノウハウを学びましたので、最初の店は失敗をしないためにダイニングバーにすることに決めました。それが今の『ツクネスタンダード』の場所にあった『ドラマティックカフェ』です」

株式会社ドラマティックの代表・石井克典さん

試行錯誤を重ね、トレンドを生み出す店に!

『ドラマティックカフェ』は、大名を訪れる20代の女性客を中心に人気を博し、売上は順調に伸びていった。2軒目は以前から構想を練っていた鶏メインの居酒屋をしたいと考え、物件を探していたところ、『ドラマティックカフェ』の1階が空くという話が舞い込む。

「週末ともなれば多くのお客様をお断りしている状況でしたし、同じビルでできるのはメリットが大きいと考えました。ただ、居酒屋のイメージが湧かなくて。やっぱり洋業態のお店にしようと考え、『ミヤビ』をオープンさせたんです。オープン当初は300〜500円の低価格を売りにしたお店だったんですけど、なかなかうまくいかなくて。3か月くらいでイタリアンベースのゆったり過ごせるスタイルに変更しました」

その後もハンバーグとフレンチトーストが売りのカフェに業態を変え、順調に売上を上げていった。

「前職の経験から、カフェやダイニングバーはキラーアイテムが定着せず、常に新しいものを入れていかないといけないことを知っていました。流行っても2、3年でピークを迎えてしまいますし、“この店の売りは何?”と聞かれても毎回変わっていては、売りがないのと同じです。いずれトレンドを追わない店をしよう、自分たちがやりたい業態をしようと考えていたので、2015年9月に『ミヤビ』をリニューアルすることにしました」

その結果、生まれたのが現在の『肉菜炭火屋 ミヤビ』。『天神ホルモン』の経験から肉の知識はあり、肉を裁く技術もある。希少部位を木箱に並べ、お客様から部位を選んでもらう和牛の炭火焼と、肉や野菜の炉端焼を同時に楽しめる新しいスタイルの店は、瞬く間に評判の店となっていった。

『ミヤビ』では、豚肉ではなく和牛で巻くやさい巻串を提供している

ところで近年、福岡・博多発のやさい巻串がブームになっているが、そのほとんどは豚肉で野菜を巻いたものだ。実はこのブームに火がつく前から、『ミヤビ』では、和牛で巻くやさい巻串を提供していた。

「うちは和牛メインの店なので、和牛で巻いてみようと考えたんです。やってみると、とてつもなく美味しくて。これはやるしかないと思いました。ただ、どの部位を使うのか、巻き方をどうするかなど、かなり試行錯誤しましたね。原価も高くなりますし、正直儲けはほとんどありません。国産牛にすれば巻きやすいうえに、旨味が全く違うんですよね。和牛で巻くお店は他にはありませんし、振り切れるところは振り切ろうと、和牛のやさい巻串を名物メニューに据えました」

県外客には木箱の黒毛和牛が人気だったが、地元客がリピーターになるのは、圧倒的に和牛やさい巻串。数字的なウエイトも和牛やさい巻串の方が大きくなっていったという。石井さんはトレンドを追うのではなく、トレンドを生み出すことで、業態変更を必要としない強い店を手に入れた。

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寺脇あゆ子(cadette)

About 寺脇あゆ子(cadette)

福岡・大阪の出版社勤務を経て、福岡を拠点に活動するフリーの編集者・ライター。グルメ情報誌『ソワニエ』やシティ情報ふくおか別冊『福岡肉本』などの地元情報誌のほか、ぐるなびが運営する『dressing』、スイーツ専門の『CAKE.TOKYO』、ウェブマガジン『greenz.jp』などのウェブメディアでも九州・福岡を中心とした情報を発信している。