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東京駅「東京ラーメンストリート」の10年。せたが屋・前島氏「時代に合わせて常に成長」

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左から、東京ステーション開発株式会社 常務取締役営業開発部長・佐々木氏、株式会社せたが屋 代表取締役・前島氏、株式会社マーベル 代表取締役・坂井氏

東京の玄関口ともいわれ、日々たくさんの人が利用する東京駅。その地下の一番街にある「東京ラーメンストリート」は、全国でも特に評価の高いラーメン店が集う人気の飲食店街だ。

同施設は今年で10周年。2019年6月17日にはその記念として、記者勉強会「東京駅とラーメン、10 年の歩みと想い」が開催された。ゲストには、施設開発に携わる東京ステーション開発株式会社 常務取締役営業開発部長・佐々木義衛氏、施設内にて『塩らーめん専門 ひるがお』『とんこつらーめん 俺式 純』を経営する株式会社せたが屋 代表取締役・前島司氏、同じく『東京駅 斑鳩』『東京の中華そば ちよがみ』を経営する株式会社マーベル 代表取締役・坂井保臣氏を迎え、東京ラーメンストリートのこれまでの歴史と同施設ならではの経営の魅力や苦労、そして今後の展望が語られた。

トークセッションは和気あいあいとした様子で進んだ

試行錯誤の10年。入念な準備と5回の改変が成長のカギに

「今、東京で食べられる話題のラーメン」をコンセプトに、全国の有名ラーメン店が軒を連ねる東京ラーメンストリート。来店する客は、近隣のオフィスワーカー、ラーメンファン、出張で訪れるビジネスパーソンや旅行客、女性や家族連れなど幅広い。

今では東京駅一番街の代名詞として知られる人気スポットだが、その道のりは決して平たんではなかった。入念な準備を行ったのはもちろんのこと、開業してからも試行錯誤を繰り返し、現在に至っているのだという。

同施設を開業するにあたり施設開発に携わった佐々木氏は、自身の足でラーメン店に通い、調査やリーシングを行ったという。調査で食したラーメンは、なんと200杯以上。味はもちろん、厨房の清潔感や従業員の様子なども加味し、招致したいラーメン店を厳選した。

そして2009年6月17日、現在も経営を続ける『六厘舎』『ひるがお』を含む4店と契約し「東京で真っ先に食べたい4店舗」をコンセプトにオープン。2年後の2011年には、第2期として『斑鳩』を含む4店を迎え入れ、進化を遂げてきた。

また2013年にはコンセプトを一新し、大幅なリニューアルを行った。それまではラーメンファンを中心とした集客に尽力していたが、もっと幅広い客に味わってもらいたいという思いから、ターゲットを広く見据え、招致する店やメニューにもさらにこだわった。さらに2015年、2018年にも、より多くの客に楽しんでもらうためのリニューアルを繰り返し、今に至っている。

現在、1日の平均客数は約5,500人、年間約200万杯を提供しており、売上は開店当初の約2倍。食べログの評価は平均3.58と、高評価をキープ。日々、客の声を聞き、トレンドをキャッチし、時代に合わせて努力し続けた結果といえるだろう。

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竹野愛理

ライター: 竹野愛理

食と文学を愛するライター。飲食店取材、食に関するコラム、書評を執筆のほか、食関連のメディアや書籍にて編集者としても従事。趣味は読書と散歩。本を片手に旅行したり食べ歩きをしたりすることが好き。