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M&Aで始める飲食店開業。売却時期から逆算し、日々の経営目標を可視化

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株式会社ウィット 代表取締役・三宅宏通氏

流行に敏感な業界で浮き沈みがあり、開業資金も2000万円~3000万円は当たり前。そんな飲食業にイチから参入するのは、なかなか覚悟が必要なことだ。だがここ数年、飲食業界での新たな独立手法として、低リスクで手間も省ける「M&A」が注目されている。本連載はそんなM&Aの有効性について株式会社ウィット・代表取締役の三宅宏通氏に解説していただく。連載4回目は、売却(イグジット)について解説していく。

会社のサイズよりもキャッシュフローが高評価

EXIT(イグジット)という言葉を耳にされたことはあるでしょうか? 直訳すると「出口」ですが、M&Aの世界におけるEXITとは、株主や経営者(ここでは株式と経営者が同一という前提で、以下、経営者とします)のゴール設定としての方針を指します。

これから起業・開業される方もいらっしゃると思いますが、起業・開業する段階で最終的に「いつ・どのように」EXITするのかを明確に決めておかれることが重要です。

■EXITの種類
①IPO(株式公開)、②M&A(第三者への売却)、③相続、④清算、⑤倒産

経営者が会社を手放すとき、おおよそ①~⑤のいずれかに分類されます。④の清算、⑤の倒産を望む人はいませんので、普通に考えれば①~③のいずれかをゴール設定されるかと思いますが、具体的にプランニングしている方は少ないものです。

株式公開を目指すには、必要な規模感や管理体制、事業の成長戦略が必要となり、M&Aで第三者に売却し、一定の譲渡金額を手にしたい場合は、それを踏まえた収支実績の構築やM&Aに必要な関係書類、データを日頃から整備しておく必要があります。

ご親族に相続する場合では既存幹部を中心に、経験値の浅い親族が経営幹部に入った際にでもスムーズな運営ができるよう組織づくりを行い、人間関係を構築していく必要があります。

つまり、経営者が日頃取り組んでいくべきことは売り上げ規模の拡大、店舗数の増加ではなく、EXITから逆算し、いま何をしないといけないかを決め、取り組んでいくことが重要です。

画像素材:PIXTA

実は私自身も、2018年の2月に自らが創業し、10年以上経営してきた株式会社ウィットの株式100%を東証一部の上場企業に譲渡いたしました。私の場合は自身が40歳となる2022年~2023年にかけてM&AによるEXITを考えており、また準備をしていました。しかし良縁もあって、約5年前倒しで実行したことになります。いずれにしても方向性を決めていたことやその準備をしていたため、極めてスムーズに商談が進み、約3か月でクロージングまで完了しました。

M&Aでは、本誌前号の連載第3回で記載したとおり、買手が検討に必要な資料が多岐に渡り、スムーズに提出できない場合には、譲渡価格交渉に影響が出ます。そうした観点から、漠然と「年商100億円をめざす」「100店舗を目指す」のではなく、「年商100億円を目指して、その後どうするのか」「〇〇にするために100店舗を目指す必要がある」など、シナリオを決めて経営を進めていくことの重要性を改めて強く認識しました。ちなみに米国では90%以上のEXITがこのM&Aによる第三者への売却といわれ、日本でもこれから小規模M&Aはどんどん活発になっていくといわれています。

連載第2回で、「売買価格は、対象会社(事業)が1年間に生み出すキャッシュフローがベース」とお伝えした通り、ただ店舗数や売上を伸ばせばよいというわけではありません。たとえば以下の2社が譲渡に出た場合、どちらが高く譲渡できる見込みが高いでしょうか?

【A社】
10店舗経営
年商:5億円
営業利益:300万円
減価償却費:1000万円
純資産:5000万円

【B社】
3店舗経営
年商:3億円
営業利益:1800万円
減価償却費:500万円
純資産:3000万円

表1のように、最終的な譲渡価格の査定には、決算書だけでは把握できない多くの要素が影響します。そのため一概には言えませんが、簡易査定を行うだけでは、B社の方が高く売れる可能性が高いという答えになります。

譲渡価格の査定項目

もちろん、様々な調査結果を踏まえ最終決定しますが、会社のサイズよりもキャッシュフローが重要となる指標であることをご理解ください。そう考えるとM&Aによる第三者への売却を目指すにあたっては、「いつまでにどのような状態の会社を作るか」を明確にし、そこから逆算してキャッシュフロー実績を残していくことが重要になるのです。

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