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飲食店のノウハウを活かし、ホテル事業などに進出する外食企業が増加中!

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写真はイメージ。画像素材:PIXTA

近年、ホテル運営などの別事業に進出する飲食企業が目立つようになってきた。共通するのは、飲食業で培ったノウハウを活かし、新たな価値を提供していること。注目の2つの会社をご紹介する。

カフェ・ビアパブを併設する宿泊施設

株式会社キープ・ウィルダイニングは、町田・相模原エリアを中心にさまざまな業態を運営する飲食企業。「地元である町田、相模原をもっと文化的で豊かなエリアに変えていきたい」というローカルブランディングの考えのもとで展開している。

そんな同社が町田駅近くに昨年末オープンしたのが宿泊施設『武相庵』だ。“Library & Hostel”をコンセプトに、1階はカフェ・ビアパブ、2階・3階はホステルを運営している。

「武相庵」のイメージパース。プレスリリースより

同社では、地元のものを地元で食べる「イートプロジェクト」を進めており、『武相庵』のカフェ・ビアパプでも地場の食材やクラフトビールを豊富にラインナップ。宿泊客は、宿泊場所にいながら存分に町田の街の魅力に出合えるというわけだ。また、地元の人にとっては“飲食店”であるため、活気のある交流の場にもなっているようだ。

2019年7月には、町田駅近くの商業施設内にコワーキング&シェアオフィスをオープン。カウンターバーで美味しいコーヒーを飲みながら商談ができるエリアがあったりと、飲食企業ならではの空間演出が光る。

葛西臨海公園でビアガーデン事業を応用

株式会社ゼットンは、東京・横浜・名古屋を中心にした国内だけでなく、ハワイや韓国にも店舗を広げ、グローバルな飲食事業を展開している。

以前から公共施設再開発事業に取り組んできた同社は、昨年、公益財団法人東京都公園協会から葛西臨海公園リノベーション事業者に指定された。開業準備を経て、今年3月、ハワイアンフードを楽しめる『PARKLIFE CAFE & RESTAURANT』、4月にはカフェメニューとテイクアウトメニューを扱う『CRYSTAL CAFÉ』を同公園内にオープンした。

この2店舗に共通するのは、キッズメニューを積極的に展開したりキッズスペースを設置したりと、親子が過ごしやすい店づくりがされていること。公園内にあるレストランは簡素化されたものになりがちだが、同社は飲食店を運営する中で捉えたニーズをしっかりと取り入れているのだ。

『SORAMIDO BBQ』のイメージパース。プレスリリースより

さらに、バーベキューが楽しめる『SORAMIDO BBQ』もスタートした。同公園の魅力は、都立公園の中でも数少ない、海辺に位置するロケーションであるため、これを活かし、ガーデンパーティやパークウエディングもできるようにしたという。

ちなみにバーベキュー事業においては、集客が天候に左右されるため、売上計画が立てづらいことが課題となる。しかし、同社では展開中のビアガーデン事業を通し、悪天候で売上計画が崩れてもガーデンパーティやパークウエディングをサービスに入れることで利益を確保するノウハウを確立している。

宿泊施設の運営、そして公園のリノベーション。いずれの事業も“食”を軸に展開しており、飲食業で培ったノウハウが存分に活かされている。今後も“食”を武器に、活躍の場を広げる外食企業が続々と登場していきそうだ。

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岩﨑美帆

ライター: 岩﨑美帆

1982年生まれ。NPO活動に没頭した 大学時代、塾講師、広告営業を経て、フリーライターに。食・健康・医療など生と死を結ぶ一本線上にある分野に強い関心がある。紙媒体、Web媒体、書籍原稿などの執筆の他、さまざまな媒体の企画・構成の実績がある。好きな言葉は「Chase the Chance!」