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外食大手、店内飲食とテイクアウトの価格設定で対応割れる。軽減税率制度、スタート迫る

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画像素材:PIXTA

2019年10月の消費税増税が間近に迫り、徐々に大手飲食各社の対応が明らかになってきた。増税に合わせた値上げ・値下げなど各社の動向を確認し、増税への対応について考えてみたい。

2014年の増税では、過半数以上の飲食店が売上に影響はなかった

弊社では、2018年11月に「消費税引き上げ時の飲食店の対応」に関するアンケート調査を実施した。このアンケートでは、2014年の消費税増税の際に約6割の店舗でメニュー価格を値上げしたという結果が出ている。しかし、売上への影響があった(売上が減った)と回答した店舗は34.1%で、影響はなかったという回答は65.9%と多数だった。

また、2019年10月に値上げを予定しているかという点についても調査を行ったところ、62.1%の店舗でメニュー価格の値上げを予定しているという結果に。これは2014年消費税増税の際に大きな影響がなかったということを踏まえているとも思われる。

ただ、今回の増税にあたっては、店内飲食は10%、持ち帰りは8%となる軽減税率も導入される。それによるオペレーションの煩雑さを回避するために、価格改定を行うケースもあり、大手飲食各社の対応は単に2014年の状況を踏まえてということでもなさそうだ。

今回の増税でも売上減となる店舗もあると考えられるが、どのように売上や客足が推移するかは不透明だといえる。

画像素材:PIXTA

大手飲食各社はどう対応するのか

では、現時点で明らかになっている大手飲食各社の対応を確認してみよう。

■日本マクドナルド
マクドナルドは、店内と持ち帰りの税込価格を統一する。「ハンバーガー」「チーズバーガー」など約3割の品目で税込価格を10円値上げ、約7割は据え置き。全体としては加重平均で税抜価格の引き上げとならないように設定している。

■日本KFCホールディングス
店内・持ち帰りの税込価格を統一。商品によって価格を見直すが、「オリジナルチキン」については、現行価格の250円(税込)を据え置く。そのため、店内飲食は増税の2%分が実質値下げとなる。

■吉野家ホールディングス
店内・持ち帰りの本体価格は変更しない。店内では10%、持ち帰りでは8%の消費税を適用。また、システム改修が間に合わないため、政府のポイント還元制度には参加しないとしている。

■松屋フーズホールディングス
店内・持ち帰りの税込価格を統一。「プレミアム牛めし」並盛(税込380円)などは税込価格を据え置くが、そのほかは税込価格の変更を検討している。

■スターバックスコーヒー ジャパン
店内・持ち帰りの本体価格は変更しない。吉野家同様、店内では10%、持ち帰りでは8%の消費税を適用する。

画像素材:PIXTA

■株式会社セブン&アイ・フードシステムズ
同社が運営する『デニーズ』では、「ハンバーグカレードリア」(税込862円)、「オールビーフのミートスパゲッティ」(税込754円)など、7種類のメニューでは本体価格を値下げして税込価格を据え置く。その他のメニューは本体価格を変えず、店内では10%、持ち帰りでは8%の消費税を適用する。

■サイゼリヤ
店内・持ち帰りの税込価格を統一。持ち帰りの場合の本体価格を値上げし、10%の場合の税込価格に揃える。

■幸楽苑
4月9日より新メニューの「餃子定食」(税込500円)を発売。また、「中華そば」を本体価格421円から440円に値上げ、「みそラーメン」「塩ラーメン」を本体価格453円から440円に値下げしている。増税前から他社に先駆けて対応しており、増税後も価格変更は行わない。

増税にはどう対応するのがベストなのか

このように各社で増税への対応が異なっているが、これは店内・持ち帰りの比率や券売機の有無など各社の状況が異なることにも起因する。各社の対応が異なることで、増税対策の正解が見えにくい部分もあるが、これは状況に合わせて対応しなければいけないということを示唆しているともいえる。

大手に限らず中小店舗も対応には苦慮していると思われるが、大手各社の対応事例を参考に、店舗の強みや状況を分析して対応する必要があるだろう。また、持ち帰りや宅配の割合を増やす方向にシフトするという考え方もある。中食需要は年々増えている状況でもあり、軽減税率導入によってより増えていく可能性も高い。

いずれにしても、飲食店は現状や強みをしっかりと把握することが必要になる。そのうえで、店舗に合った施策を検討し、売上減とならないような対応を行いたいところだ。

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富江弘幸

About 富江弘幸

ビアライター、編集者。大学卒業後、出版社などでライター・編集者として活動し、中国留学、英字新聞社ジャパンタイムズ勤務を経てビアライターに。ビアジャーナリストアカデミー講師も務める。著書に『教養としてのビール』(SBクリエイティブ)。